ボディケア
2023.6.9

骨盤が後傾…?「原因」と「改善ストレッチ・トレーニング6選」

骨盤のゆがみの一つに前傾・後傾という骨盤が傾いてしまっている状態があります。あなたの骨盤は大丈夫?今回は猫背さんやペタンコ尻さんが陥りやすい骨盤後傾の原因と体への影響、改善するためのストレッチやトレーニング方法をご紹介します。

骨盤後傾ってどういう状態?【チェックリスト】

骨盤後傾の状態とは

脚線整美師 「STUDIO脚光美芯」主宰

中村希実さん

下腹を突き出しお尻の位置を下げることで、お尻の筋肉が萎縮しがち。

正しい骨盤の状態とは

骨盤という重いパンツを、腹筋というゴムのサスペンダーで支えている。


【セルフチェック1】あなたの骨盤は前傾?後傾?

美容整体師

山本知子さん

壁に頭とかかとをつけた状態でまっすぐに立つ(肩は浮いていてもOK)。壁と腰の間にどのくらいの隙間ができているのか、手を入れて確認して。

Q.どのくらいの隙間ができている?

A.拳ひとつ分(反り腰の可能性あり)
B.手のひらくらい(猫背の可能性あり)
C.猫の手くらい(指だけ曲げた状態)

→Aは前傾・Bは後傾


【セルフチェック2】あなたの骨盤は前傾?後傾?

脚線整美師 「STUDIO脚光美芯」主宰

中村希実さん

A 立ったとき、上から見て自分のおへそが見えない→反り腰・骨盤前傾
B 立ったとき、上から見て自分の恥骨(股の辺り)が見える→骨盤後傾

 

【セルフチェック3】ひざや口がパッカーンと開きがちでは?

\教えてくれたのは…ボディワークプロデューサー kyoさん/
骨盤を本来あるべき状態に戻し、全身の骨格や筋肉もバランスのとれた状態に整えていくメソッド「ビューティペルヴィス(骨盤)」考案者。スタジオ「b-i STYLE」主宰。

「そもそも、ひざを閉じるためには内ももの筋肉『内転筋』を使いますが、この筋肉は『骨盤底筋』と連動しています。姿勢が悪い大きな要因である骨盤の後傾(後ろに寄りかかっている状態)があると、うまく働かないのです。しかも、骨盤と頭部は連携しているので、口元の緩みや口角の下がりは骨盤底筋の緩みを、あごの不具合も骨盤のゆがみと関連しているのです」(kyoさん)

\一目でわかる/

開いているといろんな所が緩いんです!
A.股関節/B.骨盤/C.骨盤底筋/D.内転筋


骨盤後傾の原因は?体への影響は?

猫背・背中が丸まった「へそ折れ座り」になっている

Dr. KAKUKO スポーツクリニック 院長

中村格子先生

骨盤が後ろに倒れて腰に過剰な負担が!

イスの背にもたれかかり、おなかが折れた座り方。腰も折れて、イスの前の方にお尻を滑らせるように座っている。

「骨盤が後ろに倒れて、腰に負担がかかるため腰痛に。そのほか首や肩のこり・痛み、内臓の機能低下などが起こりやすいです」(中村先生)


脚線整美師 「STUDIO脚光美芯」主宰

中村希実さん

× 骨盤が丸まった状態

肩胛骨だけを背もたれに預けて座ると骨盤が後傾し、腹筋が緩む。


座り方が悪いときの骨盤をレントゲンでチェック!

Dr. KAKUKO スポーツクリニック 院長

中村格子先生

レントゲン写真を比べると、『セロポジ座り』は、骨盤が立ち腰椎がその上にまっすぐ乗るため、立っているとき同様に体への負担が少ない。へそ折れ座りは、骨盤が後傾し腰椎も曲がっている。

「骨格の並びが良好で、ゆがみがゼロな状態を医学的に『ゼロポジション』といいますが、ゼロポジションを意識して座ると、体によけいな負荷がかからず、疲れや痛みを起こしにくいんですよ」(中村先生)

ゼロポジでは、関節に均等に体重が乗るため、骨を支える周囲の筋肉や靭帯のバランスが正常に保たれる。ダメポジは、片側の筋肉が縮み関節に負担がかかるので痛みを引き起こす。


ペタンコ尻さんは骨盤後傾になりやすい

骨盤矯正パーソナルトレーナー

Naokoさん

「日本人で圧倒的に多いのは『垂れ尻洋梨』と『ペタンコ尻』。洋梨さんは骨盤横の筋力が弱くなり骨盤が開いているので、横尻を重点的に。ペタンコ尻さんは骨盤が後傾になりがちなので、正しい向きに整えます。この2タイプに贅肉がつくと『四角ピーマン』に。スクワットで脂肪をしっかりと燃焼させましょう」(Naokoさん)

 

お尻の筋力が低下、寸胴リンゴ体型になる

脚線整美師 「STUDIO脚光美芯」主宰

中村希実さん

お尻の筋力不足が起こるとお尻が垂れてぼってり下半身に

後ろ脚を短く見せるだけでなく スタイル全体に悪影響!

歯磨きや調理などの際、骨盤(下腹部)を台にもたれかけるクセがある人は、お尻の筋力低下のサイン。この立ち方が習慣化するとお尻が垂れてしまいます。反り腰はお尻が横に広がる洋梨体型、骨盤後傾はお尻と太ももの境目のない寸胴リンゴ体型を招きます。お尻の筋肉が弱化すると、股関節周りも緩み、スタイルを損なうケースが多いのです」(中村さん)


後傾を防ぐ「正しい姿勢・座り方」

背筋も骨盤も丸まらない姿勢が理想

脚線整美師 「STUDIO脚光美芯」主宰

中村希実さん

背もたれに肩甲骨と骨盤を委ね、背中や腰を丸めないでキープ!


正しい「ゼロポジ座り」ができる3STEP

Dr. KAKUKO スポーツクリニック 院長

中村格子先生

(1)骨盤を立てて座る

イスに座り、左右の手を腰骨に当てる。座骨を中心に上体を前後にゆらゆらと動かし、座骨が前にも後ろにも行かず垂直に体重が乗った所で止める。

(2)上体と太ももの角度を約110度に開く

両足を床につけ、ひざが太ももよりも10cm程度下がるように座る。これで股関節(上体と太ももの間)の角度が110度になる。105~130度の範囲ならゼロポジになるので、正確に110度でなくでもOK。

(3)大きく息を吸う

(2)の姿勢のまま大きく息を吸って、胸郭もゼロポジションにする。以前の座り方をしているときよりも、肺にたっぷり空気が入る感じがすればOK。


骨盤の後傾に効く「ストレッチ・トレーニング」【3選】

【1】キャットアンドカウのポーズ

ヨガ講師

密山 礼巳さん

【全体動画はこちら】

STEP1:床に手をつき四つ這いに
手を肩幅、足は腰幅で握りこぶし一つ分くらいの間隔で広げます。

肩の真下の手首、足の付け根の真下にひざをセットしましょう。


STEP2:息を吐きながら背中を丸める
鼻から息を吸って、背骨をまっすぐにします。吸った息を吐きながら背中の下から丸めていきます。
お尻が下を向いたら背中を丸め、目線は下に向け「キャットのポーズ」を作ります。


STEP3:息を吸いながら体をそらせる
息を吸いながら、お腹を引き込んだままお尻を後ろに向けます。胸を前に出しながら目線を前に向け「カウのポーズ」を作ります。

お腹の力を抜かないように、なめらかな動きを意識して。

少しずつ腰回りをほぐしていく運動です。自分のペースで繰り返してください。

【2】ペタンコ尻さんの骨盤後傾に効くトレーニング

骨盤矯正パーソナルトレーナー

Naokoさん

ペタンコ尻タイプは後傾になった骨盤を正しい位置に戻す!

STEP1:うつ伏せになって両脚を上げる
うつ伏せになって両手のひらを額の下あたりに置く。頭を浮かせてひざを開いて曲げ、つま先だけをくっつける。両ひざをできる所まで上げて、3~5呼吸キープ。きついと感じる人は額を手につけて行ってもOK。

STEP2:片脚ずつ交互に上げる
STEP 1の状態から今度は片脚ずつ、交互に上げる。片脚を上げるごとにゆっくり3~5呼吸するという動きを3~5セット行って。肩に力を入れず、下半身の力だけを使うよう意識して。上がりにくい方の脚を多めに行うのもおすすめ。


【3】骨盤の傾きに効く丸めて反らす運動

美容整体師

山本知子さん

ヒールの履きすぎや、運動不足による筋力低下で起こる骨盤の前傾(反り腰)・後傾(猫背)。骨盤をストレッチすることで正しい位置に整える。1分。

STEP1:あお向けになる
力を抜いて、呼吸をしながらあお向けに。セルフチェック1でAだった人は1→3→1→2、Bだった人は1→2→1→3の順に行って。

STEP2:おなかを上げるように腰を反らす
お尻は床につけたまま、おなかを天井にもち上げるように背中を反らし、骨盤を前傾。息を吸いながらSTEP1の状態に戻る。

STEP3:頭を持ち上げおなかをのぞき込む
頭を両手で支え、おなかをのぞき込むように骨盤を後傾させる。背中やおなかの伸び縮みを感じながら、2~3回繰り返す。

後傾の元「猫背に効くストレッチ」【3選】

【1】猫背矯正ヨガ

ヨガ講師

密山 礼巳さん

【全体動画はこちら】

【手で胸をほぐす】硬さチェック&胸をひらく

「今回、胸周りのほぐしは、初級・中級・上級の3ステップ行います。日常でパソコンやスマホで作業することが多いと、猫背になり、巻き型に引き起こしたり、胸を縮めてしまうので、胸を開放していきます。」(密山さん)

〈初級〉
STEP1:両手握りこぶしを作って、指の第2関節を胸の中心に当てる
両手握りこぶしを作って、グーにしましょう。指の第2関節を胸の中心に当てるようにします。

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STEP2:中心から外に向かって、胸をこすってほぐす
中心から外に向かって、指をこすって、胸まわりをほぐしていきましょう。なるべく外まで大きく手を動かしてこすってください。深呼吸しながら行いましょう。

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〈中級〉

STEP1:右手だけ残し、指の第2関節を斜めに当てる
右手を残して、左手はおろします。

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次は、指の第2関節を斜めに当てましょう。

STEP2:上下にジグザグ動かし、脇の上までお肉をすり上げる
上下にジグザグ動かしながら、左の脇の上まで、お肉をすり上げていきます。左の胸のほぐしを行います。

もしこれが痛い方は、初級編を何度も繰り返しましょう。

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STEP3:反対側も同じように行う
手を入れ替え、反対側も同じように行いましょう。

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〈上級〉

STEP1:利き手の親指と人差し指で、鎖骨の下のお肉をつまんでほぐす
上級編は胸周りをつまんでいきます。利き手の親指と人差し指で、鎖骨の下のお肉をつまむようにしていきましょう。指のつまみ方を変えてほぐすようにしていきます。

つまみにくい場合は胸の上部からほぐしてみて。

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STEP2:つまんだまま、上下左右に動かす
余裕があれば、お肉をつまんで、身体から離して、上下左右に動かしてみてください。

呼吸を止めずに、口角を上げてリラックス!

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STEP3:反対側も同じように行う
つまむときも、なるべく無理せず「痛気持ちいい」ところを選びましょう。呼吸が無理なく続く場所を選んで。

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【肩関節の内旋・外旋】肩まわりのほぐし

STEP1:手のひらを前に向け、肩甲骨を寄せるように、胸を張る
手のひらを前に向けましょう。肩甲骨を寄せるように、胸を張ります。手のひらを外(上向き)に向けて、腕を後ろに引いていきます。

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STEP2:手のひらを前に出し、内側に回転させながら、手を外に向ける
手のひらを身体の前に出した、手のひらを内側に回転させ、外に向けます。目線は下に向けましょう。

少し背中を丸めて、肩を内側に入れるようにしましょう。

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STEP3:STEP1~2を⑤回程度繰り返す
吸う息で、STEP1を行い、吐く息でSTEP2に進みましょう。

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STEP4:最後は、前から後ろに腕を引いたら、目線も上に向ける
最後は、前から後ろに腕を引いたら、目線も上に向けてみましょう。肩が上がりやすいので、床の方に下ろす意識で。

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STEP5:手を前から後ろへ下げたら、手のひらを上向きにしてぐっと引っ張る
目線を前に向け、手を前から後ろへ、手のひらを上向きにしてぐっと引っ張ります。

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STEP6:身体を起こして、手はお尻の横につく
身体を起こして、手はお尻の横につきます。

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【肩甲骨寄せ】背中の筋肉強化

STEP1:腕を前から上に持ち上げ、ひじを90度に曲げる
吸う息で、腕を前から上に持ち上げます。ひじを90度ぐらいに曲げましょう。

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STEP2:ひじを背中の後ろに寄せる
鼻から息を吸って胸を引き上げ、吐く息で、ひじの角度を変えずに、ひじを背中の後ろで寄せていきます。手のひらはなるべく遠くを通るように動かしましょう。背中の後ろでペンを1本挟むようなイメージです。

肩と耳を離して、ひじはなるべく下のほうに。
おなかの力は抜かずに、肩甲骨を内側に引き寄せましょう。

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STEP3:5回程度繰り返す
これを5回程度繰り返します。これだけでも十分、背中の筋トレになります。お腹も引き込んで!

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STEP4:手を下ろして、肩の「アップ→脱力」を2回行う
手を下ろして、息を吸いながら、肩を持ち上げ耳に近づけ、吐いてストンと下ろします。2回行いましょう。引き上げた時にわざと緊張させ、吐いたときに脱力します。

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【ひじ回し】肩甲骨の全体的な動き

STEP1:手で肩を包む
手で肩を包むようにしましょう。

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STEP2:ひじで前から上に大きな円を描きながら、後ろに回す
ひじで、前から上に大きな円を描き、吐く息で後ろに回します。手で肩を包むことで、肩甲骨を大きく動かします。5回程度回します。回している間も、深い呼吸を続けましょう。

なるべく、二の腕が耳の横に来るようにします。
肩が上がらないよう、肩や肩甲骨を使うことを意識します。

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STEP3:反対回しも同様に行う
5回程度回したら、反対回しも同様に行います。反対回しも5回程度終えたら、手をおしりの横に下ろしましょう。

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【2】猫背で滞っている血流アップストレッチ

運動指導者

森 拓郎さん

\左右各30秒/

ひざをついて四つんばいになり、右腕を伸ばして斜め前に置く。肩の下から胴体の側面にある筋肉を意識して。

ひざと手の位置を動かさず、頭が右腕の下に潜り込むようにして上体を左にスライド。腕のつけ根から背中を伸ばす。逆も同様に。


【3】伸ばすだけ簡単ストレッチ

竹谷内医院院長

竹谷内康修先生

「固くなって縮こまると猫背の原因になる、胸の筋肉と胸椎をしっかり伸ばすストレッチ。立ち姿勢で後ろで手を組むと痛みが出る人は、座り姿勢で翼を広げるように両腕を後ろに反らすだけでもOKです」(竹谷内先生)

隙間時間にサクッと行うなら立ちで!腕を引き下げて胸を伸ばす。心地よさがクセになる♪

\顔を上げて20秒キープ!/

20秒×3SET
足は肩幅に開く。最初に両腕を背中側にもっていくよう意識しながら、お尻の後ろで手を組む。次に顔を上に向けると同時に、腕をお尻から離して、腕全体を斜め下方向に引き下げて、胸を張るように20秒キープする。

デスクワークの合間なら座りで!長時間のデスクワーク中におすすめの座り胸伸ばし

\伸びが気持ちいい~♪/

20秒×3SET
イスは深めに座り、背もたれに寄りかかる。顔を上に向け、手のひらを上にして翼を広げるように両腕を後ろに引く。左右の胸の伸びを意識して、胸を反らして20秒キープ。顔を上に向けると痛い場合は顔を正面向きで行う。


※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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