健康・ヘルスケア
2021.9.4

なぜ、睡眠不足を感じる? 専門家に聞いた「理想の睡眠時間」の見つけ方

睡眠不足とはどのような状態でしょうか?仕事や勉強での徹夜明けなどをイメージする人が多いかもしれませんが、実は7時間以下の睡眠を繰り返しているだけでも睡眠負債が蓄積されている状態です。そんな寝不足が引き起こす症状は様々。太りやすくなったり、パフォーマンスが落ちたり、情緒不安定になったり…睡眠不足は百害あって一利なし!睡眠や健康のプロ達にその解消法や快眠のためのアイテムを伺いました!さあ、今夜から寝る前スマホを止めて、心と体とお肌のために質の良い睡眠をとりましょう。

アンケート調査「あなたの睡眠満足度はどのくらい?

Q1.「普段の睡眠時間に満足していますか?」

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毎日決まった時間に寝て、起きるなど規則正しい生活をおくっていますか? ご自分の睡眠時間に満足していますか? 今回は、美的クラブ会員134名のみなさんに「睡眠」に関するアンケートを実施しました。その結果、半数以上の約61%の方が「満足していない」という結果に。

Q2.「1日あたりの睡眠時間は平均するとどのくらいですか?」

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一番多かったのは「6〜7時間」でした。次は「5〜6時間」となり、約6割が6時間前後の睡眠をとっているようです。

しかし、1つ目の質問の結果のように「睡眠に満足していない」人が多くいるのも事実。では、睡眠の質を向上させるには「何時間」そして「どのように」睡眠をとれば満足度が高くなるのでしょうか?

専門家の方のアドバイスを聞きながら、「満足度の高い睡眠」について考えていきましょう。

専門家に聞いた!「睡眠時間は8時間がベストってホント?」

快眠セラピスト・睡眠環境プランナー

三橋 美穂

A.半分ホント、半分ウソ

「個人差もあるので人によりけりですが、アメリカの米国睡眠財団がまとめた意外な研究結果があります。それによると、20代~40代の推奨睡眠時間は、7~9時間。若い人ほど睡眠時間が長くなり、加齢とともに睡眠時間は短くなっていく傾向にあります」(三橋先生・以下「」内同)

「みなさんそれぞれ、“私は6時間眠れれば大丈夫”というように、自分の中でのベストな睡眠時間があると思います。でも実際は自分で思っているよりも1~2時間少なく見積もっていることがほとんど……。

ベストな睡眠時間を見つけるためには、ゲーム感覚で1週間ごとに睡眠時間を変えていく方法がおすすめです。1週目は8時間、2週目は7時間半、3週目は7時間と徐々に30分ずつ短くしていき、どの週が一番パフォーマンス力が良かったか、日中の状態にフォーカスしてみて。みなさん忙しいかもしれないけれど、一生やれ!と言っているわけじゃないので(笑)。ちゃんと睡眠をとっていると、ちょっとやそっとのことでは揺らがなくなりますよ」

三橋先生曰く、「睡眠というのは、生きることそのもの」。やりたいことを優先してしまい、つい削りがちな睡眠ですが、睡眠を大事にできる=見えないところまで意識を向けられるということなのだそう。ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

専門家が解説!寝不足でどんな症状がおこる?

スタンフォード大学医学部教授 

西野精治先生

睡眠がもたらす役割5つ

  • 脳と体を休息させる
  • ホルモンバランスを整える
  • 免疫力を上げる
  • 記憶を整理して定着させる
  • 脳の老廃物を除去する

「睡眠には、(1)脳と体を休息させる、(2)ホルモンバランスを整える、(3)免疫力を上げる、(4)記憶を整理して定着させる、(5)脳の老廃物を除去するといった、5つの重要な役割があります。ぐっすり眠れていないと、当然それらのミッションをきちんと果たせません。翌日の体調やパフォーマンスに悪影響が出るだけでなく、長期的にも『睡眠負債』をため込んでしまうことで、体、肌、心などにさまざまな不調が現れます」(西野先生)

「睡眠負債」をため込むと、体・肌・心のコンディションが大きくDOWN

【1】集中力が低下
睡眠が乱れると自律神経も乱れ、活動と休息の切り替えが曖昧に。集中力が続かない、イライラするなど、日中の行動や思考に悪影響。
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【2】疲れが取れない
睡眠が足りないと、脳や体がしっかり休息できず、疲れがなかなか取れません。免疫力も下がるため、エイジングが加速しやすく。
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【3】乾燥・肌あれ
寝始め90分に深く眠れていないと、成長ホルモンが不足して肌の新陳代謝が低下。古い角質が滞り、乾燥や肌あれなどのトラブルに。
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【4】太りやすい
眠らないと糖の代謝が低下して血糖値が上昇。食欲抑制ホルモン「レプチン」が減る一方で、食欲増進の「グレリン」が増える傾向に。
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\寝不足は肥満のもと!/

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2002年、米サンディエゴ大学の研究チームが女性63万6,095人を対象に調査した所、「短時間睡眠の女性はBMI値(体格指数〈体重÷〔身長×身長〕〉)が高い」という結果が出た。

 

しっかり寝れば良いことだらけ?!専門家のアドバイスはこちら!

睡眠コンサルタント 

友野なおさん

デキる女子は、長時間働くよりも眠る!

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「睡眠には、昼間莫大なエネルギーを使って働いている脳を休ませ、修復させるという大切な役割があります。脳は、全身のさまざまな器官や機能をコントロールする“生命の司令塔”。睡眠が十分にとれず、脳の疲労がたまっていると、精神面、身体面、行動面など、あらゆる方向にダメージが生じやすくなります。ハーバード大学のサイト『Healthy Sleep』でも、『睡眠不足は注意力とやる気、モチベーションを奪う』という記事が掲載されています」(友野さん・以下「」内同)

「仕事が終わらないからといって、睡眠時間を短縮するのは逆効果。やるべき仕事が多いからこそしっかり眠る。その方がパフォーマンスは向上し、ビジネススキルはアップします。日本ではまだ、睡眠時間を削ってまで仕事をするのは、真面目でデキる人といったイメージがあるのかもしれませんが、欧米では完全に逆。仕事を素早く片付けられないデキない人と思われてしまいます」

 

睡眠は、体の内側からのエステ!十分な睡眠で肌ケアを

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これは、『睡眠が及ぼす肌への影響』を示す調査結果。ぐっすり眠れている睡眠満足度の高いグループは、不眠感の強いグループに比べて、肌トラブルが数ないことがわかります。

「よく眠る人ほど肌の調子が良いのは、寝入って最初の深い眠りの際に大量に分泌される成長ホルモンと、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンのおかげと考えられます。

成長ホルモンは、体の成長だけではなく、細胞の修復、たんぱく質の合成、新陳代謝の促進など、美容や健康に欠かせないホルモン。メラトニンは、リラックスモードの副交感神経を優位にさせて眠りを促すほか、強力な抗酸化力をもつ“アンチエイジングホルモン”です」

\肌のゴールデンタイムは、成長ホルモンとメラトニンの分泌が盛んな時間帯/

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以前は「22時〜2時がお肌のゴールデンタイム」と言われていましたが、睡眠の研究が進んだ現在では、少し定義が違います。「メラトニンは暗くなると、脳の中にある松果体(しょうかたい)という場所から分泌され始め、夜中の2時くらいが分泌のピーク。

また、成長ホルモンの分泌は、メラトニンによっても促されると言われています。つまり、成長ホルモンが大量に分泌される寝入りばな1.5~3時間と、メラトニン分泌が最大になる時間帯とが重なるように眠ることが大切なのです。現代人のライフスタイルを鑑みると、0時~3時くらいが肌のゴールデンタイムといえるでしょう」

試してみよう!良質な睡眠をとるためにすべきこととは?

就寝60〜90分前の入浴で入眠がスムーズに!

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「スムーズな入眠は、深部体温(脳や体の中心、内臓の温度)が下がったときに訪れます。そのため、就寝前に入浴して体を芯から温め、体温を上げておけば、実際に寝るときの深部体温の低下が速やか。効果的な入浴の目安は、就寝60〜90分前に、38〜40℃のぬるめの湯で全身浴20分です」

運動タイムは19時がベスト。21時以降はNG!

「運動は快眠を促しやすいということは明らかですが、時間帯によっては妨げにもなります。それが21時以降。体が休息モードに切り替わり始めている時間帯なので、そこで運動をしてしまうと交感神経が優位になって、眠気が遠のいてしまいます。反対に、運動のゴールデンタイムは、1日のうちで体温が最も高くなる19時前後。緩やかな内容で20~30分を目安に、習慣化することが大切です」

 

「睡眠五感」を意識した睡眠環境作りのコツ【5つ】

1.視覚…目に入る光をコントロール

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「就寝中はできるだけ真っ暗が良いのですが、抵抗があれば、光源が目に入らない低い位置に間接照明を。一方、朝は、起きてすぐに太陽の光を見るようにします。朝の光を15秒程度浴びると、夜の良質な睡眠を促すホルモンであるメラトニンがその14~16時間後に分泌されるスイッチが入ります」

2.聴覚…音の気にならない静かな寝室に

「睡眠中に覚醒反応が起こる騒音のレベルは45デシベル(dB)以上と言われ、電気のスイッチを操作する音でも48~56デシベル。静かな図書館で40デシベル程度です。時計、電気器具などは、なるべく音の静かなものを選ぶようにしましょう。一方で、クラシックやヒーリング音楽、川のせせらぎや鳥のさえずりといった自然の音色など、自分が心地良いと感じる音は入眠のサポートに。ただし、必ず就寝後1時間以内にオフになるようにタイマーをセットして」

3.嗅覚…入眠サポートにアロマを活用

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「ラベンダー、ネロリ、カモミール、イランイラン、サンダルウッドなど、リラックス効果のあるアロマを味方にすることで、入眠がスムーズに。就寝1時間前くらいから、お湯を入れたマグカップに精油を2~3滴たらして、寝室に香りを蒸散させておくだけで効果があります。またはティッシュペーパーに数滴たらして枕元におくのもおすすめ。精油は、自分が好きで、心地良いと思える香りを選ぶことが大前提です」

4.触覚…肌ざわりの良いベッドリネン、パジャマをセレクト

「就寝時に肌に触れる布団や毛布、枕カバー、パジャマなどの肌触りにこだわることで、リラックス度が断然違ってきます。保温性・吸湿性・発散性などに優れるシルク、吸汗性・保湿性、耐久性の高い綿、夏に快適な麻など、季節や気分に応じて自分好みの最適な素材を選ぶようにしましょう」

5.温熱感覚…“寝床内気候”を快適に!

「“寝床内気候”とは、就寝時、体と寝具との間にできる空間の温度・湿度のことを示し、睡眠の質に大きく関わります。特に、深い眠りに入る睡眠前半に寝床内気候が快適だと、後半も質の高い睡眠を得られることがわかっています。そこで、まずはエアコンや空調などで寝室の温湿度を管理。快眠のための温度は、冬は19〜23℃、夏は26〜27℃。湿度は、冬夏ともに60%前後です。また、適切な寝床内気候を維持できるように、季節に応じた寝具の衣替えも大切です」

 

「5大お片づけ」を実践して、理想の時間睡眠へ!

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「睡眠時間をしっかり確保するためには、1.人間関係 2.情報 3.心 4.空間 5.時間といった「5大お片づけ」を実施しましょう」

1.人間関係のお片づけ
「行きたくない女子会、無駄な交流会、発展性のないSNSでのやりとりなどに時間を費やして、その分、睡眠時間が減ってしまうなんて、もったいないと思いませんか? 今の自分にとって本当に必要な人とのお付き合いのみに絞る勇気を出してみてください」

2.情報のお片づけ
「いまや、世の中は情報過多の時代。手当たり次第にチェックしていると時間がいくらあっても足りません。あふれんばかりの情報の中から、質の高いもの、自分にプラスになるものだけを見極める選定眼をもちましょう」

3.心のお片づけ
「精神的なストレスを抱えていると、ベッドに入ってもなかなか寝つけなかったり、眠りが浅かったり…。ストレスやマイナスな思考は、紙に書きだして整理整頓することをおすすめします。そうすると、それまでとらわれていたことが案外大したことではないと気づいて、心の重荷を捨て去ることができるかもしれません。ストレスがなくなると、ぐっすり眠れるようになりますよ」

4.空間のお片づけ
「空間(部屋)に、モノがごちゃごちゃとあふれていると、探し物に時間がかかったり、精神的にもイライラしたり。反対に、空間をキレイにすると、気分がスッキリする、時間の使い方もうまくなる…といった好循環が生まれます」

5.時間のお片づけ
「1日24時間のうち7時間は睡眠に充てたいとなると、時間にもいわゆる〝断捨離〟が必要です。そこで、『To do List』ならぬ、『Not to do list』が役立ちます。テレビ、ゲーム、SNSなど、ついダラダラと時間を使ってしまっていることは結構あるもの。それらをやらないと決めると、自分にとってもっと大切なことに使える時間が多くなります」

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これらの「5大お片づけ」をすべてクリアできれば、睡眠時間は無理なく確保できるはず!

 

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※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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