新常識!肌のゴールデンタイムが22時はもう古い!?【良質な睡眠vol.2】
美肌を育む!7時間睡眠をキープするためにできること5【良質な睡眠vol.1】
「正しい眠り」は、長さだけでなく、質も大切です。睡眠コンサルタントの友野なおさんは、「睡眠の質は健康の質であり、パフォーマンスの質であり、日々のクオリティそのものです」と話します。また、「質の高い睡眠は、肌のコンディションにも良い影響をもたらします」とも。
睡眠は、体の内側からのエステ
以下は、『睡眠が及ぼす肌への影響』を示す調査結果。ぐっすり眠れている睡眠満足度の高いグループは、不眠感の強いグループに比べて、肌トラブルが数ないことがわかります。
「よく眠る人ほど肌の調子が良いのは、寝入って最初の深い眠りの際に大量に分泌される成長ホルモンと、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンのおかげと考えられます。成長ホルモンは、体の成長だけではなく、細胞の修復、たんぱく質の合成、新陳代謝の促進など、美容や健康に欠かせないホルモン。メラトニンは、リラックスモードの副交感神経を優位にさせて眠りを促すほか、強力な抗酸化力をもつ〝アンチエイジングホルモン〟です」
肌のゴールデンタイムは、成長ホルモンとメラトニンの分泌が盛んな時間帯
以前は「22時〜2時がお肌のゴールデンタイム」と言われていましたが、睡眠の研究が進んだ現在では、少し定義が違います。「メラトニンは暗くなると、脳の中にある松果体(しょうかたい)という場所から分泌され始め、夜中の2時くらいが分泌のピーク。また、成長ホルモンの分泌は、メラトニンによっても促されると言われています。つまり、成長ホルモンが大量に分泌される寝入りばな1.5~3時間と、メラトニン分泌が最大になる時間帯とが重なるように眠ることが大切なのです。現代人のライフスタイルを鑑みると、0時~3時くらいが肌のゴールデンタイムといえるでしょう」
睡眠の質を高めるためには食事も重要視
「眠るのは夜のことですが、質の高い睡眠への準備は朝食から始まっています。体内時計をリセットする役割の朝食は、毎日定時にとるのが◎。しかも、昼間の元気と夜の快眠源となるたんぱく質をしっかりとりましょう。たんぱく質に含まれるトリプトファンという物質は、日中の活動をサポートする神経伝達物質セロトニンの原料となるもの。そのセロトニンは、夜になると睡眠ホルモンのメラトニンに変換されます。トリプトファンを含むたんぱく質が豊富なのは、乳製品、卵、大豆製品、赤身魚などの魚介類、肉類、アボカド、バナナ、ナッツ類などです。さらに、セロトニン生成に必須の栄養素であるビタミンB6、炭水化物も欠かせません。朝は忙しくて、朝食に時間をかけられないという人は、これら3種類の成分をバランスよく含むバナナをとるだけでも違います」
「睡眠の質を高めるための昼食や夕食は、内容以前にとる時間帯が大事。昼食はなるべく13時まで、夕食は就寝時刻の3~4時間前までに食べ終えるようにしましょう。というのも、睡眠中に胃など、本来はお休みモードの消化器官が活発に動いていると、スムーズな入眠を妨げてしまうからです」
就寝60〜90分前の入浴で入眠がスムーズに!
「スムーズな入眠は、深部体温(脳や体の中心、内臓の温度)が下がったときに訪れます。そのため、就寝前に入浴して体を芯から温め、体温を上げておけば、実際に寝るときの深部体温の低下が速やか。効果的な入浴の目安は、就寝60〜90分前に、38〜40℃のぬるめの湯で全身浴20分です」
運動タイムは19時がベスト。21時以降はNG!
「運動は快眠を促しやすいということは明らかですが、時間帯によっては妨げにもなります。それが21時以降。体が休息モードに切り替わり始めている時間帯なので、そこで運動をしてしまうと交感神経が優位になって、眠気が遠のいてしまいます。反対に、運動のゴールデンタイムは、1日のうちで体温が最も高くなる19時前後。緩やかな内容で20~30分を目安に、習慣化することが大切です」
次週は、睡眠の質を高める環境作りについてご紹介します。
イラスト/きくちりえ(Softdesign) 構成/つつみゆかり
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