善玉コレステロール・悪玉コレステロールのバランス改善|コレステロール値を改善して、生活習慣病を予防!
脂質の一種である、コレステロール。善玉コレステロールと悪玉コレステロールがありますが、それぞれ高すぎても、低すぎてもNG。バランスを適切に保つことで、生活習慣病などを予防することができます。今回は、コレステロール値を増やしたり、減らす効果のある食べ物などをまとめました。日頃の食事でコレステロール値を改善し、健康を維持していきましょう。
【目次】
・悪玉コレステロール=悪者ではない!
・コレステロール値の改善に効果的な食べ物
・コレステロール値を下げる効果のある食べ物
・適量の飲酒で、善玉コレステロールが増える!
悪玉コレステロール=悪者ではない!
脂質はバランスが大事!悪玉コレステロールも必要
教えてくれたのは・・・抗加齢医 田路めぐみ先生
形成外科専門医。日本抗加齢医学会専門医。東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院など複数の臨床病院勤務を経て、2014年より松倉クリニック&メディカルスパ勤務。患者さんの状態やニーズに合わせて柔軟に治療法を選ぶ、総合的な診療を行う。
\タンパク質&脂質で「肌粗しょう症」予防を/
「肌粗しょう症」という言葉を聞いたことがありますか?「肌粗しょう症」とは、加齢などが原因で細胞をつくり出す力が弱くなって、肌が薄くなったり、肌の弾力を支えるバネが劣化したりした肌状態のこと。肌がスカスカになり、ゲッソリと老けて見えてしまうのが特徴です。
そもそも肌と肌を支えているコラーゲンやエラスチンは、タンパク質でできています。そのため間違ったダイエットによりタンパク質が不足すると、これらが正しくつくられず、肌が痩せてしまうのです。
「女性ならではのふっくらハリのある肌やメリハリある曲線美は、ある程度の皮下脂肪と女性ホルモンの働きがあってこそ。そうした細胞の骨格(かたち)を守っているのは、タンパク質とコレステロールなどの脂質です。タンパク質と脂質は、ホルモンの原料にもなります。だからこそダイエットを行うときは、原則である『総カロリーコントロール』と『適度な糖質制限』に加え、『良質のタンパク質と脂質をしっかり摂る』ことも忘れてはいけないのです」(田路先生・以下「」内同)
「良質の脂質」とは、変性したり栄養が壊れてしまう高温加熱食品や加工・保存食品ではなく、生鮮食品から摂取できるビタミンや抗酸化物質を多く含む鮮度の高い脂質のこと。よい油といわれる魚の脂やオリーブ油などだけでなく、お肉や卵で増えるとされる悪玉コレステロール(LDL)も必要です。脂質はバランスが大事なのです!
\必要なタンパク質とコレステロールを摂って、女性らしい体系をキープ!/
乳腺の発達は女性ホルモンの量で決まります。つまり、適度な皮下脂肪、良好なホルモンバランスを保つことが、胸痩せを防ぐ秘訣。糖質はカットしても、必要なタンパク質とコレステロールを摂ることは、美肌だけでなく美バストを保つためにもマストなのです。
「乳腺はホルモンであるエストロゲンの刺激で大きくなってきますので、エストロゲンが足りなくなると萎んでしまいます。女性らしい体型を崩さずにほっそりしていくためには、最低限のコレステロールはキープすることが大切です」と田路先生。
体質的にコレステロールが下がりやすいという田路先生の場合、普段から卵や脂の乗ったお肉を積極的に摂るようにしているそうです。
「卵は健康な方なら毎日5〜6個食べても平気だと思います。お肉は鶏も豚も牛もミックスするのがいいですね。可能であれば、人工飼料で育てられたものではなく、有機飼育された安全なものを選びましょう」
旬の野菜やお魚もおすすめ。美味しい時期の食物には、ビタミン・ミネラル・抗酸化物質など、体を元気にする物質がたくさん入っていますから、旬のものを見つけたら、ぜひその食材を使った料理にチャレンジしてみましょう。
「ホルモンバランスを保つには、運動や睡眠刺激も大切です。筋トレを取り入れるなら、バストの土台である大胸筋を鍛えて底上げするといいでしょう」
\コレステロール産生が低下すると、生理が乱れてしまうことも/
生理はBMIが18を切ると止まるといわれています。BMIは体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}=BMIで算出します。正常体重のBMIは18.5〜25ですから、ダイエットは18.5を切らないところまでが原則です。
「生理血にはタンパク質や鉄分が豊富に含まれていますが、生理中はこれらを定期的に排出するため、さらに栄養状態が悪くなってしまいます。すると、体は防御反応として栄養の流出を防ぐために、生理を止めてしまうのです」
ただし、BMIが正常体重内だったとしても、急速なダイエットで栄養状態が一気に悪くなると、生理が止まることもあります。
「痩せて脂肪や筋肉が減った状態では、体内のコレステロール産生が低下し、女性ホルモンや抗ストレスホルモンなどの『ステロイドホルモン』がつくれなくなり、生理が乱れてしまいます。皮下脂肪は適度にある状態がベスト。減量は月に2〜3㎏内のベースがおすすめです」
もし、「まだ子どもはいらないし、生理がない方がラクでいいかも」と考えているなら大間違い! 生理の休止期間が長くなると、将来、骨粗しょう症を引き起こす危険性があるうえ、順調な生理周期が戻らなくなる可能性もあるのです。
「そもそも生理が止まるほど栄養が落ちているのであれば、肌や脳など、いろいろなところにもダメージが及んでいるはずです」と田路先生。90日以上にわたって生理が来ない場合は、医師に相談してみましょう。
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コレステロール値の改善に効果的な食べ物
玉ねぎ
疲労回復効果のあるビタミンB₁の吸収を助けるアリシンが豊富。血栓の予防に効果が期待できるアリシンは、抗菌作用やコレステロール値の改善にも有効とされている。
アボカド
10種類以上のビタミン、10種類以上のミネラルを含み、「世界一栄養価が高い果物」としてギネス認定されている。脂肪も多く含むが、そのほとんどがコレステロールバランスを改善するオレイン酸。抗酸化作用のビタミンE、ストレスケアに効くパントテン酸も豊富。「食べる美容液」と呼ばれるように美肌、美白効果が高く、がん予防、便秘改善など健康効果も高い。
キヌア
良質なたんぱく源であり、食物繊維やカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分などが豊富で栄養たっぷり。女性ホルモンと関係するフィトエストロゲンも含むため、生理前後のホルモンバランスを整えたり、生理痛の改善、肌や髪をツヤツヤにする効果も!血糖値が上がりにくい低GI値食品なうえ、良質な脂質を含みコレステロール値を正常に保つ効果もあって、ヘルシーなボディづくりにもひと役買ってくれます。
「キヌア入りやみつきポテトサラダ」美容エディター・門司紀子のToday’s SALAD #28
コレステロール値を下げる効果のある食べ物
ごぼう
食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維のイヌリンは腸の動きを活発にし、便秘を解消。糖質の消化吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑えるのでダイエットにも最適。コレステロールを減らす不溶性食物繊維のリグニンは切り口から発生する性質があるので、表面積が大きい切り方がおすすめ。ミネラルも豊富。アク抜きをすると栄養も流れ出てしまうので、栄養学的には水にさらさないほうが好ましい。
旬をまるごと! 家呑みごはん #2|豊富な食物繊維が腸内環境を整える!『新ごぼう』
りんご
「1日1個のリンゴで医者いらず」といわれるように、高血圧予防、コレステロール降下、便秘解消、風邪予防などの効果がある。食物繊維、ビタミンC、カリウムが多く、むくみ改善などナトリウム排泄効果がある。ポリフェノールの一種プロシアニンによる抗酸化作用や老化防止効果も注目されている。
マッシュルーム
脂質の代謝を高めるビタミンB2や、コレステロールを下げる食物繊維が豊富。ほかにもカリウムや亜鉛、葉酸などもバランス良く含む。高たんぱく・高ビタミンの食材で、ダイエットにもおすすめ。
アサリ
貧血に効く鉄、肝機能を高めるタウリン、髪や爪を健やかに保つ亜鉛、むくみを解消するカリウムなどが豊富。タウリンには悪玉コレステロール値を下げる効果も。
豆腐
豆腐の原料となる大豆は“畑の肉”ともいわれ、低カロリー高たんぱくなうえ、体内では作れない必須アミノ酸も豊富。また不飽和脂肪酸を多く含むので、コレステロールを減らす働きをしたり、動脈硬化や高血圧の予防、アレルギー症状の緩和やアトピー性皮膚炎の改善もサポート。大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと似たような働きをもち、肌の代謝を促したり、肌や髪のハリツヤを保ったり、自律神経を安定させたりと、内側から美肌を底上げする効果が抜群。
美容エディター・門司紀子のToday’s SALAD #10「イチジクとくるみの白和え風サラダ」
七味唐辛子
コレステロール値を下げる効果がある。また、七味に含まれるカプサイシンには発汗作用があり、体が温まっておなか周りの脂肪の燃焼にも効果大。
適量の飲酒で、善玉コレステロールが増える!
アルコールにもメリットが
教えてくれたのは・・・医師・イシハラクリニック副院長 石原新菜先生
1980年生まれ。帝京大学医学部卒業。漢方医学、自然療法に詳しく、著書は『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』『らくらく18Kgやせた!がん・糖尿病が治った!3日間 酵素断食』など30冊を超える。テレビ出演や講演などでも活躍。
「適量の飲酒は、動脈硬化を防ぐ、善玉のHDLコレステロールが血液中に増えるというメリットもあります」(石原先生)
話題の朝食抜きダイエット、昼と夜は何を食べればOK?【やせる法則vol.2】
赤ワインには動脈硬化や認知症を予防する効果が
ブドウの果皮には抗酸化成分のポリフェノールが含まれ、果皮を使う赤ワインは老化やシミの原因となる活性酸素の除去、悪玉コレステロールを抑え、動脈硬化や認知症を予防する効果も。果皮を使わない白ワインには腸内殺菌作用があり、腸内環境を整える。カリウムが豊富で代謝もアップ。シャンパンの疲労回復効果も注目されている。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。