皮膚科医に聞いた! なかなか「治らないニキビ」の対処法まとめ
なかなか治らない大人ニキビ、どうしたらいい?セルフでケアしてもなかなか治らない場合はプロの手を借りるのもおすすめ。まずは大人ニキビができる原因から皮膚科で受けれる治療法、セルフでできるケア・改善法を皮膚科医に直撃しました。正しいケア法でしつこいニキビとおさらばしましょう!
大人ニキビができる「原因」
大人ニキビの原因は?
「思春期のニキビではなく、20代以上であごやフェイスラインに繰り返しできるようになったニキビが“大人ニキビ”と呼ばれています。思春期にニキビができなかった人でも、大人になって生活環境やライフスタイルの変化によって、突然ニキビができるようになったという人もいます。
大人ニキビの原因は、ホルモンバランスの乱れによる、過剰な皮脂分泌だけでなく、肌の乾燥、過度のストレス、睡眠不足などの生活習慣、間違ったスキンケアなど複数の要因が重なって起こっていることも多いです。そのため、完治しづらく、繰り返してしまう傾向にあります。
大人になってからのニキビは、ストレスも関係してくるため、神経質な性格やイライラ、寝不足がニキビの悪化につながります」(山屋雅美先生・以下「」内同)
- ホルモンバランスの乱れ
- 過剰な皮脂分泌
- 肌の乾燥
- 過度のストレス
- 睡眠不足
- 間違ったスキンケア
- 神経質な性格やイライラ
大人ニキビの特徴
「ニキビがあるのに、肌が乾燥しているという人が多いのも特徴です。大人ニキビの場合、凹みや色素沈着などのニキビ跡が残りやすくなっています。そのため、ニキビ跡も考慮したケアすることが大切です」
大人ニキビの正しいケア方法と予防策は?
「ニキビができる原因というのはどのニキビも基本は同じですが、大人ニキビは繰り返しできることや、跡が残りやすいことも考慮したケアと予防をすることが大事になってきます。
まずはニキビの原因となる角質を厚くしないケアとして、塗るだけなどの肌に摩擦を与えずに使用できる角質ケアアイテムを使用すると良いでしょう。そして、予防にもなるスキンケアとして、肌のバリア機能を整える、セラミド配合のアイテムの使用。
できてしまったニキビの炎症抑制や、ニキビ跡の色み改善効果が期待できるビタミンC配合のアイテムを使用すること。さらに、ニキビ跡(色素沈着)を残さないために、紫外線対策もしっかり行うようにしましょう。
油分が毛穴を詰まらせる原因になることもあるので、ニキビのある部位やできやすい部位には、クリームやオイルなどの油分が多いスキンケアアイテムの使用は避けるようにしましょう。乾燥が気になる人はゲルや乳液を使用し、ニキビが出ないところにだけ油分をプラスするケアを試してみてください」
「部位別」のできる原因
Q:ニキビはできる場所によって原因が違うってホント?
ニキビができる場所の中で、特に気になるのは顔ではないでしょうか。しかし、頭や背中などにニキビができることもありますよね。ニキビはできる場所によって、原因に違いがあったり、ケア方法も変える必要があるのでしょうか。さっそく、この疑問を山屋先生に聞いてみました。
■A:ウソ
「ニキビができる原因は基本的には同じです。しかし、部位によってニキビを悪化させてしまう要因が異なる場合があります。そのため、部位別でケアを変えるというのもひとつの方法です」(山屋雅美先生・以下「」内同)
部位別のニキビができる原因と予防やケア方法は?
「ニキビができる部位として代表的な額、鼻、口周りと、フェイスラインや顎などのいわゆるUゾーン、頭、背中にできるニキビの原因と、それぞれの原因に合わせたケア方法をお伝えします」
■【額】
「皮脂が多い10代〜20代前半はTゾーンや頬にニキビができやすいですが、20代後半になっても額にニキビが出る場合は、乾燥とスキンケアの油分過剰や、こすり過ぎなどの間違ったスキンケアが原因の可能性があります。
シャンプーやトリートメントなどのヘアケア剤、洗顔料のすすぎ残しがないようにするということも基本の予防策です。そして、刺激や汚れの原因となる髪の毛が肌に当たらないようにするなどの工夫も有効です。スキンケア時にできるだけ摩擦がないように気をつけることや、オイルやクリームなどの油分が多すぎるアイテムはニキビができやすい部位には使用しないといった、スキンケア習慣の見直しも必要です」
- ヘアケア剤や洗顔料のすすぎ残しがないようにする
- 髪の毛は肌に当たらないように工夫する
- スキンケア時の摩擦に気をつける
- 油分が多いスキンケアアイテムはニキビができやすい部位には使用しない
■【鼻】
「皮脂腺が発達しており、皮脂分泌が多いため、ニキビができやすい部位です。また、角栓が気になってゴシゴシとこすり洗いをしてしまったり、角栓を取ろうと爪で引っ掻いたりしていると、刺激になるとともに、細菌が入ることからもニキビができやすくなります。
また、今はマスクをしている時間も増え、マスクですれやすい場所のため、刺激が原因となり、ニキビができやすくなっています。
まずは長時間洗う、こすり過ぎ、皮脂を取り過ぎるなどの“落とすケア”をしていないか確認して、思い当たる部分があれば控えるようにしましょう。そして、ニキビや角栓のNGケアとなる、角栓を無理に取ることは控えましょう。さらに、気づかぬうちにやっている触り癖にも注意しましょう」
- 落とし過ぎのケアをやめる
- 角栓を無理に取ることをやめる
- 触り癖をなくす
■【口周り】
「食べ過ぎや偏食などで胃腸が弱ったりすると、口周りにニキビが増えると言われています。また、フェイスライン同様に口周りもヒゲが生える場所ですから、男性ホルモンの影響が強いとされていて、ストレスにより悪化する傾向にあります。体質的なものとしては、産毛が濃い人は毛穴が詰まりやすいため、それが原因となって、ニキビが発生することもあります。
胃腸が原因だと思う場合は、食事のバランスに気を使うようにしましょう。男性ホルモンの影響が考えられる場合は、ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにすることも大事になってきます。産毛が濃い場合は、脱毛をするというのも手です」
- 食事のバランスに気をつける
- ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする
- 産毛が濃い場合は脱毛も有効
■【フェイスライン、顎、顎裏】
「フェイスラインなど、いわゆるUゾーンにできるニキビは、ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌だけでなく、肌の乾燥、そのほか、過度のストレスや睡眠不足などの生活習慣、間違ったスキンケアなど、複数の原因が重なって発症されると言われています。
ストレスなどでホルモンバランスが乱れることで、男性ホルモンが優位になると、皮脂量が増え、肌が硬くなることからニキビができやすくなります。
また、ついついやってしまいがちな、頬杖をついたり、触ったりするという癖もフェイスラインのニキビのきっかけになります。触り癖がある場合は、触らないようにする努力も必要です。
また、マスク生活の今は、マスクですれやすい場所にもなるため、その刺激からもニキビが出来やすくなっています。できるだけ顔の形に合ったマスクを選び、摩擦を最小限にするようにしましょう。
偏った食事なども影響すると言われているので、食事のバランスに気をつけるなどの気遣いも大切です」
\ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする/
- 触り癖をなくす
- 顔の形に合ったマスクをする
- 食事のバランスに気をつける
■【頭】
「頭皮は皮脂腺が発達しており、皮脂の分泌が盛んな部位です。大量に分泌された皮脂によって毛穴がつまることで、頭皮にもニキビができます。普段から顔がベタつくような、オイリー肌タイプの人は、頭皮ではもっと皮脂が出ている可能性があるので、注意が必要です。シャンプーの回数を増やす必要はありませんが、洗髪のときは髪の毛そのものより、頭皮の汚れを落とす洗い方をするように心がけましょう。
シャンプーは頭皮への刺激が少ないものや、やさしい洗浄力のものを使用するのがおすすめです。皮脂が気になるからと、男性用などの洗浄力の強いシャンプーを使用すると、皮脂を取り過ぎてしまい、乾燥ニキビを誘発するリスクが高まります」
- 髪を洗うときは、頭皮の汚れをしっかり落とす洗い方をする
- シャンプーは刺激が少ないもの、やさしい洗浄力のものを使う
■【背中】
「体の中でも背中は皮脂分泌が多く、ニキビができやすい部位です。また、汗腺も豊富で汗をかきやすく、衣類で覆われていることも多いため通気が悪く、蒸れやすいことや、衣類や下着の摩擦による刺激もニキビ発生の要因になります。
そして、背中はアクネ菌の繁殖が原因で起こるニキビ以外にも、マラセチアというカビの一種が増殖する“マラセチア毛包炎”にもなりやすい部位です。一見、ニキビと見分けがつかないため、ニキビ薬で対処しがちですが、カビ用の塗り薬を使わなければ根治できません。患部を軽くこすってみてポロポロと皮がむけるようなら、マラセチアの可能性大です。その場合は、すぐにクリニックを受診しましょう。
上述した通り、背中は皮脂や汗の分泌が盛んなので、きちんと洗浄をして、清潔に保つことが大切です。しかし、ナイロンタオルなどを使用してゴシゴシ洗うのは、角質層を傷め、毛穴のつまりや炎症の悪化に繋がるのでNGです。ボディソープをたっぷり泡立て、手で優しく洗うようにしましょう。汗を多くかく時期は、拭き取り時にこすり過ぎないようにするなどの注意も必要です。
シャワーや入浴が朝派の人は、1日の皮脂や汗を持ち越すことになるので、アクネ菌が繁殖しやすくなります。そのため、その日の汚れはその日のうちに落とすように、夜のうちに入浴するのがおすすめです。
乾燥もニキビの原因になりうるので、しっかりと保湿するというのもポイントです。顔用で使っているものと同じアイテムで良いので、ボディの保湿も忘れずに。ただし、油分の多いオイル系やクリーム系のアイテムは毛穴つまりの原因となることもあり、悪化してしまう可能性もあるので避けましょう。おすすめは敏感肌用の化粧水や保湿ジェルです。
蒸れないようにするという点では、通気性の良い衣類や寝具を使うというのも有効です」
\汗の拭き取りや体を洗う際はこすり過ぎない/
- たっぷりの泡でしっかり洗う
- 夜のうちに汚れを落とす
- 敏感肌用の化粧水や保湿ジェルで保湿する
- 通気性の良い衣類や寝具、パジャマを使用してマメに交換
- 糖分や油分の過剰摂取は控える
皮膚科でできる5つの「治療法」
【1】「保険診療内」で受けられるニキビ治療
皮膚科医
小林智子先生
医学博士。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター研究員。豊橋の山本皮フ科ほかで診療を行う。健康と食を医学的な立場で発信するサイト『ドクターレシピ』を監修。
保険診療内で受けられる治療は、塗り薬の処方のほか、毛穴詰まりを解消する“面ぽう圧出器”などによる治療があります。
「ニキビは自己流のケアをする人が多いのですが、時間がたって痕になっていなければ保険診療でも完治でき、初診料を入れても数千円程度の費用。以前は抗生剤の処方が中心で、長期服用で耐性ができて効かなくなる問題が指摘されていました。今、代表的な薬は“ベピオ”。皮脂を抑えて毛穴の詰まりを解消する作用と抗菌作用があります。“ディフェリン”はレチノイド(ビタミンA誘導体)と似た構造をもち、角質を柔らかくして毛穴の詰まりを防ぎます。白&赤ニキビにはこの2種が主流で、炎症がひどければ抗生剤をプラスします」(小林先生)
【保険診療】処方薬で白赤ニキビ治療
- 「べピオ」など
過酸化ベンゾイルを成分とする薬 - 「ディフェリン」など
アダパレンを成分とする薬 - 「テラマイシン」など
テトラサイクリン系の薬(抗生剤)
面ぽう圧出器で白&赤ニキビを治療
細い針や、“面ぽう圧子”という中央に穴があいた器具を患部ひとつひとつに押し当て、毛穴に詰まった皮脂や角質を除去。ときに出血や痛みを伴うこともある。
【2】「保険適用外」のニキビ治療
アヴェーニュー表参道クリニック 皮膚科医
太田 理会医師
藤田医科大学医学部卒、藤田医科大学ばんたね病院、福井県済生会病院にて研鑽を積む。皮膚科医、美容皮膚科が専門。丁寧なカウンセリングを通じて患者様のお悩みに正面から向き合いたいと思っています。どんなことでもお気兼ねなくご相談ください。
Q:保険適用外のニキビ治療ってどんなものがあるの?料金は?
A:ケミカルピーリング、イオン導入、ホルモン治療など
「保険適用外の治療には、主にケミカルピーリング、イオン導入、ホルモン治療などがあります。
ケミカルピーリングとは、肌表面のいらなくなった角質を取り除き、皮膚の再生を促す治療法のこと。使用する薬剤剤によって、角層、表皮、真皮乳頭層など、届く範囲も変わってきます。
当院では、刺激が少なく、保湿効果のある“アミノ酸ピーリング”(¥8,800)と、グリコール酸、乳酸、サリチル酸を配合し、ハリやシワにも効果的な“ミルクピール”(¥16,500)を扱っています。通常は1か月に1回程度、ニキビの炎症が強い場合には2週間に1回を目安にするとよいでしょう。
イオン導入は、特殊な電流を流すことにより、日常のケアでは浸透させることのできない肌深部に有効成分を導入できます。特にピーリングやレーザー後に行うと浸透力が高く効果が期待できます。ビタミンCの導入も行うため、ニキビやニキビ痕の色素沈着等にも効果的です。またケアシス(エレクトロポーション)もおすすめです。同時にクーリングもできるため炎症の鎮静化が期待できますよ。
ホルモン治療は、ピルやアルダクトンの処方があります。ピルはホルモンバランスを整えるため、ニキビができにくくなる、皮脂の過剰分泌を抑制するという効果が。
ピル処方を希望の場合は、婦人科で相談を。アヴェニューウィメンズクリニックでは、1か月¥3,080~で処方しています。
アルダクトンとは、男性ホルモンの作用を押さえ、ニキビを改善していく内服薬。なかなかニキビが治らない重症の人に効果が高いとされています。こちらは、皮膚科にて2週間¥6,600です」(太田医師)
※料金は取材当時の価格になりますので、詳しくはお問い合わせください。
【3】芯を押し出す「圧出」
Q:コメドの芯を押し出すと早く治る?
A:「圧出」を行うことで治りが早くなることもあります
「赤ニキビや黄ニキビに限らず、コメドも芯を押し出す圧出を行うことで治りが早くなることも。コメドは2パターンあって、毛穴が開きブツブツが目立つようなものをオープンコメド(開放面皰)と、毛穴が閉じて白く盛り上がったものをクローズコメド(閉鎖面皰)といいます。オープンコメドかクローズコメドかにより、若干治療法が変わってきます。
オープンコメドの場合は、毛穴が開いているのでコメドプッシャーという器具を使い、毛穴に詰まっている芯を押し出していきます。しかし、クローズコメドの場合は毛穴が塞がっているため、針などを使用して毛穴に穴をあけ、そこから圧出を行います」(太田医師)
【4】皮膚科でもらうニキビの「塗り薬」
表参道にある『青山ヒフ科クリニック』院長、皮膚科専門医、医学博士
亀山孝一郎先生
北里大学医学部卒業。米国立保健衛生研究所(NIH)に招へいされ、メラニン生成の研究に従事。帰国後に発表した論文が話題となり、ビタミンC療法の第一人者と呼ばれるようになる。1999年、『青山ヒフ科クリニック』開業。2002年にオリジナル化粧品『ドクターケイ』を発表。肌トラブルから美容まで様々な悩みにトータルケアで応えている。
- ダラシン
『青山ヒフ科クリニック』で処方することが多い塗り薬。アクネ菌やブドウ球菌属への殺菌作用があるお薬です。ゲルタイプとローションタイプがあり。 - アクアチムクリーム
『青山ヒフ科クリニック』で処方することが多い塗り薬。アクネ菌やブドウ球菌属への殺菌作用があるお薬です。 - リンデロン
「ニキビ治療で処方するドクターもいるようですが、そもそもニキビの保険適用のお薬ではありません。ステロイドのお薬なので、炎症は抑えるはたらきはありますが、皮脂分泌を促進、TLRを増強します。TLRはニキビの炎症のスイッチを押してしまう働きがあります。つまりニキビを作り、悪化させてしまうという、ニキビの悪循環が始まってしまうのです。一時的なニキビの炎症は抑えても根本的な解決にはならないため、『青山ヒフ科クリニック』では、ニキビ治療には処方していません。アトピーや接触性皮膚炎の治療には用いることもあります」(亀山先生・以下「」内同) - ゲンタシン
「抗生物質のお薬です。つまり擦り傷や切り傷、細菌性皮膚炎やおできの治療の際に用いることがあります。そのためリンデロン同様に『青山ヒフ科クリニック』ではニキビ治療には処方していません。このゲンタシンでは、本質的なニキビ治療にはならず、あくまでも補助療法といえます」
【5】皮膚科でもらうニキビの「飲み薬」
- 抗生物質 (種類:レボフロキサシン、ロキシスロマイシン、ミノマイシン/ 効果:アクネ菌の殺菌効果 /飲む期間:約2週間)
- ビタミン剤(種類:ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、ハイチオール/効果:代謝促進、活性酸素消去、過剰反応を抑える/飲む期間:約2週間)
- 漢方薬(種類:桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)、清上防風湯エキス顆粒(セイジョウボウフウトウ)/ 効果:炎症を抑える、ホルモンバランスを整える、アクネ菌の殺菌効果/飲む期間:約2週間)
抗生物質
ただし、「抗生物質はすごく効く人と全然効かない人がいます。薬を2週間飲んでも効かないと思ったら、抗生物質を飲むのをやめて、ピーリングなど他の手段を考えるべきでしょう」
ただし、2週間は様子を見て。「これはビタミン剤や漢方薬にも言えることですが、2~3日ですぐに薬の効果が出ることはありません。2週間は試してみないと、その薬が自分に合っているかどうかは分からないんです」自己判断で途中でやめたりせず、医師の指示をしっかり守りましょう。
漢方薬
「漢方薬の場合、“長く飲み続けないと効果が分からない”と思っている人が多いですが、これも2週間がひとつの目安。2週間経っても、ニキビが改善しないようなら、いま飲んでいる薬が自分には合っていないということ。そのまま何ヶ月も飲み続けるなんて最善策ではないので、違う薬に変えるよう医師に相談してみてください」
ニキビ治療でおすすめのクリニック
美容エディター
中島麻純さん
丁寧なカウンセリングと研究熱心さが決め手
ニキビの悪化を防ぐため、ポツンとできた段階で受診するのがおすすめ。研究熱心なドクターなら、よりよい治療法を教えてくれるはずです。カウンセリングで悩みを相談しやすいかも重要なポイント!
\自己判断は禁物!早めの治療が悪化を防ぐ/
美的世代に多いのが炎症を起こした 赤ニキビ 。つい市販薬やセルフケアですませたいと思いますが、こじらせると悪化し 黄ニキビ へ。よけいに痕が残りやすくなってしまうそうです。
「早めに適切な治療が大切」と、かくた皮膚科クリニックの角田美英院長はアドバイス。「クリニックなら赤ニキビの前の白ニキビも、塗り薬(外用薬)の処方ができます。赤ニキビにはより治りを早くするために 飲み薬(内服薬)の併用を。治療によっては保険診療も可能です」(角田美英院長)
ニキビ治療のスペシャリストが在籍|かくた皮膚科クリニック
■保険診療を基本に、エビデンスの確かな治療を
基本的に保険診療のみで完治を目指す方針。ニキビの状態に合わせて外用薬を処方し、漢方薬をはじめとした内側からのケアにも力を注いでいる皮膚科です。治りにくいニキビの場合にはケミカルピーリングやレーザー治療など自費診療メニューも提案。いずれもエビデンスが確かな治療のみ取り扱っています。
■【保険治療】面ぽう治療薬
過酸化ベンゾイルやアダパレン、抗菌剤など軽症から重症までニキビの状態に合わせた外用剤を処方。自宅で患部に塗り、通常3か月くらいで治癒。
■【自費】レーザー
治りにくい赤ニキビや内部に膿がたまる嚢腫(のうしゅ)におすすめ。波長755nmのアレキサンドライトレーザーの熱作用によって、1か月ごとに5回の治療で治癒。
■詳細情報
【住所】東京都世田谷区成城6-4-15 モアイ成城ビル 3F
【電話番号】03・5429・2255
【診療日】平日10:00~13:00・14:45~18:00 土10:00~14:00
【定休日】木・日・祝
【料金】外用剤・面皰治療薬による保険治療 1回 ¥3,300~・レーザー治療 両頬1回 ¥11,000・全顔1回 ¥22,000・初診料 ¥3,300
専門外来ならではのオリジナル治療|美容皮膚科タカミクリニック
22年間の臨床経験から開発された「タカミクリニック式ニキビ治療」。イオン導入や医療用LEDによる施術、オリジナル治療薬、院内処方コスメの3つのアプローチで、ニキビを治すだけでなく“痕を残さず、繰り返さない”治療にこだわっています。女優やモデルへの治療実績も多数。一刻も早くニキビを治したい人に。
■タカミクリニック式イオン導入
抗男性ホルモン薬やビタミンCE誘導体などを組み合わせたオリジナル導入液を使用。さらに独自開発の機器で、肌に負担をかけない治療を目指す。
■オリジナル治療薬プラン
34万人もの治療実績から作られたオリジナル治療薬。約25種類の外用薬から、肌状態に合わせて処方。自宅でクリニック並みの治療が行える。
■詳細情報
【住所】東京都港区南青山3-18-20 松本ビル3・4・5F
【電話番号】03・5414・6000
【診療日】10:00~19:00
【定休日】水曜日
【料金】タカミクリニック式イオン導入(ビタミンCE) 顔全体と首 1回 ¥11,000・初診料 ¥3,300・オリジナル治療薬プラン ¥16,000前後(初診料込み)
セルフでできる6つの「ケア法」
【1】「抗炎症コスメ」でケア
- ニキビ=炎症トラブル。朝夕使うコスメを、鎮静成分入りのものに切り替えて炎症を鎮めましょう。
- 炎症を繰り返さないためには、バリア機能の強化が不可欠。
- ニキビ肌対応のアイテムで、たっぷりと潤いを与えてください。
【How to】
- ニキビ部分を摩擦しないように、手のひらで包み込むようにコスメをなじませましょう。
- コスメは、抗炎症成分入りで、ニキビを誘発させない「ノンコメドジェニックテスト済み」の保湿アイテムを選ぶと安心です。
【おすすめアイテム】
ドクター津田コスメラボ|TSUDAコスメティクス スキンバリアクリーム
価格 | 容量 |
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¥6,050 | 35g |
常盤薬品工業 ノブ|ACアクティブ フェイスローション モイスト[医薬部外品]
価格 | 容量 |
---|---|
¥3,300 | 135ml |
エリクシール ルフレ|バランシング みずクリーム
価格 | 容量 |
---|---|
¥1,980(編集部調べ) | 60g |
【2】ニキビ用薬の「スポッツづけ」
【How to】
- 綿棒の先にニキビ薬を含ませて、そっとおくように。
- トラブル部分に刺激を与えず的確に薬を塗れます。
【おすすめアイテム】
第一三共ヘルスケア マキロン|アクネージュ メディカルクリーム[第2類医薬品]
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¥1,320(編集部調べ) | 18g |
殺菌成分入り。
【3】「ピーリング石鹸やスクラブ洗顔料」で毛穴詰まり予防&解消
アヴェーニュー表参道クリニック 皮膚科医
太田 理会医師
藤田医科大学医学部卒、藤田医科大学ばんたね病院、福井県済生会病院にて研鑽を積む。皮膚科医、美容皮膚科が専門。丁寧なカウンセリングを通じて患者様のお悩みに正面から向き合いたいと思っています。どんなことでもお気兼ねなくご相談ください。
「毛穴詰まり予防、解消のためのピーリング石鹸やスクラブ洗顔料を使用するのはよいでしょう。ただし、そういった洗顔料は毎日使用すると肌が乾燥してしまうので、気になるときにだけ使用するようにして。また敏感肌、乾燥肌の人はちょっとしたことで刺激を受けやすいため、逆効果になることも。使用の際には注意が必要になります」(太田医師)
【4】食事&サプリメントで「ビタミン類」を積極的に摂取
皮膚科医
小林智子先生
医学博士。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター研究員。豊橋の山本皮フ科ほかで診療を行う。健康と食を医学的な立場で発信するサイト『ドクターレシピ』を監修。
「皮脂分泌を調整したり、代謝を促すビタミンB群や、抗酸化作用をもつビタミンCは充分に摂取したい栄養素。食事で補うことが難しければ、サプリメントの力も借りて」(小林先生)
【おすすめアイテム】
エーザイ|チョコラBB(R)ピュア[ 第3類医薬品]
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¥1,027 | 40錠 |
ビタミンで肌あれが改善。活性型ビタミンB2が肌細胞の新陳代謝を、ビタミンCはコラーゲンの生成を助ける。
ドクターシーラボ|メガリポVC100
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¥8,424 | 2.8g×30包 |
効率的に働くビタミンC。独自技術でビタミンCの吸収率を高め、体内でキープ。1包1,000mg配合。
【5】抗炎症&殺菌成分の「市販薬」でケア
薬剤師・美容家
花田真理さん
薬剤師として調剤薬局、化粧品会社勤務を経て、独立。医師と薬剤師の共同開発ブランドを立ち上げ、化粧品の商品開発を行う傍ら、コラム執筆や美容記事の監修など、美容家としても活躍。
「まずは炎症を鎮める“イブプロフェンピコノール”とアクネ菌を殺菌する“イソプロピルメチルフェノール”の両方が配合された治療薬を。膿をすぐ治したい場合は『テラ・コートリル(R)軟膏』がおすすめ。炎症を抑えるステロイドと、菌を殺す抗生剤を配合。処方薬にも使われる成分ですが、使い続けると菌に耐性ができる、免疫力低下などの副作用が。使用は数日と短期間に留め、綿棒などで患部だけに塗って」(花田さん)
【おすすめアイテム】
資生堂薬品イハダ|アクネキュアクリーム[第2類医薬品]
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¥880 | 16g |
炎症を抑えて殺菌しつつ肌に優しい。素肌と同じ弱酸性、ノンアルコールと安心のノンステロイド治療薬。ベタつかないジェルクリームタイプ。
ライオン|ペアアクネクリームW[第2類医薬品]
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¥1,045(編集部調べ) | 14g |
有効成分が赤ニキビの炎症を抑える。抗炎症&殺菌力を発揮しつつ、弱酸性で肌を守る。クリームを塗り広げると透明になるので、メイクも重ねられる。
ジョンソン・エンド・ジョンソン|テラ・コートリル(R)軟膏a[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,100(編集部調べ) | 6g |
膿んでいるひどいニキビに◎。抗炎症作用の“ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)”と抗生剤“オキシテトラサイクリン塩酸塩”が膿を抑える。長期使用で赤みが出ることも。
【6】「プラセンタ」でしつこいニキビを消滅
\教えてくれたのは… 美容ライター・野村サチコさん/
「激務とプレッシャーに疲弊した30歳頃、右側の頬からあごに赤いニキビが大量発生。病院に行く時間もなく、市販薬やコスメを試す中で出合ったのがプラセンタ原液。ニキビが10日程で枯れるように小さくなり、消えました。膿んでいたので、しっとりした使用感よりプラセンタのサラリとした感触も良かった」(野村さん)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
■美容皮膚科タカミクリニック