肌質別スキンケア
2021.12.9

ニキビはできる場所によって原因が違うってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「ニキビ」について。ニキビはできる場所によって原因が違うってホント? 美容皮膚科医の山屋雅美先生にお話を伺いました。

Q:ニキビはできる場所によって原因が違うってホント?

ニキビができる場所の中で、特に気になるのは顔ではないでしょうか。しかし、頭や背中などにニキビができることもありますよね。ニキビはできる場所によって、原因に違いがあったり、ケア方法も変える必要があるのでしょうか。さっそく、この疑問を山屋先生に聞いてみました。

A:ウソ

「ニキビができる原因は基本的には同じです。しかし、部位によってニキビを悪化させてしまう要因が異なる場合があります。そのため、部位別でケアを変えるというのもひとつの方法です」(山屋雅美先生・以下「」内同)

部位別のニキビができる原因と予防やケア方法は?

「ニキビができる部位として代表的な額、鼻、口周りと、フェイスラインや顎などのいわゆるUゾーン、頭、背中にできるニキビの原因と、それぞれの原因に合わせたケア方法をお伝えします」

【額】

「皮脂が多い10代〜20代前半はTゾーンや頬にニキビができやすいですが、20代後半になっても額にニキビが出る場合は、乾燥とスキンケアの油分過剰や、こすり過ぎなどの間違ったスキンケアが原因の可能性があります。

シャンプーやトリートメントなどのヘアケア剤、洗顔料のすすぎ残しがないようにするということも基本の予防策です。そして、刺激や汚れの原因となる髪の毛が肌に当たらないようにするなどの工夫も有効です。スキンケア時にできるだけ摩擦がないように気をつけることや、オイルやクリームなどの油分が多すぎるアイテムはニキビができやすい部位には使用しないといった、スキンケア習慣の見直しも必要です」

Point

・ヘアケア剤や洗顔料のすすぎ残しがないようにする

・髪の毛は肌に当たらないように工夫する

・スキンケア時の摩擦に気をつける

・油分が多いスキンケアアイテムはニキビができやすい部位には使用しない

【鼻】

「皮脂腺が発達しており、皮脂分泌が多いため、ニキビができやすい部位です。また、角栓が気になってゴシゴシとこすり洗いをしてしまったり、角栓を取ろうと爪で引っ掻いたりしていると、刺激になるとともに、細菌が入ることからもニキビができやすくなります。

また、今はマスクをしている時間も増え、マスクですれやすい場所のため、刺激が原因となり、ニキビができやすくなっています。

まずは長時間洗う、こすり過ぎ、皮脂を取り過ぎるなどの“落とすケア”をしていないか確認して、思い当たる部分があれば控えるようにしましょう。そして、ニキビや角栓のNGケアとなる、角栓を無理に取ることは控えましょう。さらに、気づかぬうちにやっている触り癖にも注意しましょう」

Point

・落とし過ぎのケアをやめる

・角栓を無理に取ることをやめる

・触り癖をなくす

【口周り】

「食べ過ぎや偏食などで胃腸が弱ったりすると、口周りにニキビが増えると言われています。また、フェイスライン同様に口周りもヒゲが生える場所ですから、男性ホルモンの影響が強いとされていて、ストレスにより悪化する傾向にあります。体質的なものとしては、産毛が濃い人は毛穴が詰まりやすいため、それが原因となって、ニキビが発生することもあります。

胃腸が原因だと思う場合は、食事のバランスに気を使うようにしましょう。男性ホルモンの影響が考えられる場合は、ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにすることも大事になってきます。産毛が濃い場合は、脱毛をするというのも手です」

Point

・食事のバランスに気をつける

・ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする

・産毛が濃い場合は脱毛も有効

【フェイスライン、顎、顎裏】

「フェイスラインなど、いわゆるUゾーンにできるニキビは、ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌だけでなく、肌の乾燥、そのほか、過度のストレスや睡眠不足などの生活習慣、間違ったスキンケアなど、複数の原因が重なって発症されると言われています。

ストレスなどでホルモンバランスが乱れることで、男性ホルモンが優位になると、皮脂量が増え、肌が硬くなることからニキビができやすくなります。

また、ついついやってしまいがちな、頬杖をついたり、触ったりするという癖もフェイスラインのニキビのきっかけになります。触り癖がある場合は、触らないようにする努力も必要です。

また、マスク生活の今は、マスクですれやすい場所にもなるため、その刺激からもニキビが出来やすくなっています。できるだけ顔の形に合ったマスクを選び、摩擦を最小限にするようにしましょう。

偏った食事なども影響すると言われているので、食事のバランスに気をつけるなどの気遣いも大切です」

Point

・ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする

・触り癖をなくす

・顔の形に合ったマスクをする

・食事のバランスに気をつける

【頭】

「頭皮は皮脂腺が発達しており、皮脂の分泌が盛んな部位です。大量に分泌された皮脂によって毛穴がつまることで、頭皮にもニキビができます。普段から顔がベタつくような、オイリー肌タイプの人は、頭皮ではもっと皮脂が出ている可能性があるので、注意が必要です。シャンプーの回数を増やす必要はありませんが、洗髪のときは髪の毛そのものより、頭皮の汚れを落とす洗い方をするように心がけましょう。

シャンプーは頭皮への刺激が少ないものや、やさしい洗浄力のものを使用するのがおすすめです。皮脂が気になるからと、男性用などの洗浄力の強いシャンプーを使用すると、皮脂を取り過ぎてしまい、乾燥ニキビを誘発するリスクが高まります」

Point

・髪を洗うときは、頭皮の汚れをしっかり落とす洗い方をする

・シャンプーは刺激が少ないもの、やさしい洗浄力のものを使う

【背中】

「体の中でも背中は皮脂分泌が多く、ニキビができやすい部位です。また、汗腺も豊富で汗をかきやすく、衣類で覆われていることも多いため通気が悪く、蒸れやすいことや、衣類や下着の摩擦による刺激もニキビ発生の要因になります。

そして、背中はアクネ菌の繁殖が原因で起こるニキビ以外にも、マラセチアというカビの一種が増殖する“マラセチア毛包炎”にもなりやすい部位です。一見、ニキビと見分けがつかないため、ニキビ薬で対処しがちですが、カビ用の塗り薬を使わなければ根治できません。患部を軽くこすってみてポロポロと皮がむけるようなら、マラセチアの可能性大です。その場合は、すぐにクリニックを受診しましょう。

上述した通り、背中は皮脂や汗の分泌が盛んなので、きちんと洗浄をして、清潔に保つことが大切です。しかし、ナイロンタオルなどを使用してゴシゴシ洗うのは、角質層を傷め、毛穴のつまりや炎症の悪化に繋がるのでNGです。ボディソープをたっぷり泡立て、手で優しく洗うようにしましょう。汗を多くかく時期は、拭き取り時にこすり過ぎないようにするなどの注意も必要です。

シャワーや入浴が朝派の人は、1日の皮脂や汗を持ち越すことになるので、アクネ菌が繁殖しやすくなります。そのため、その日の汚れはその日のうちに落とすように、夜のうちに入浴するのがおすすめです。

乾燥もニキビの原因になりうるので、しっかりと保湿するというのもポイントです。顔用で使っているものと同じアイテムで良いので、ボディの保湿も忘れずに。ただし、油分の多いオイル系やクリーム系のアイテムは毛穴つまりの原因となることもあり、悪化してしまう可能性もあるので避けましょう。おすすめは敏感肌用の化粧水や保湿ジェルです。

蒸れないようにするという点では、通気性の良い衣類や寝具を使うというのも有効です」

Point

・汗の拭き取りや体を洗う際はこすり過ぎない

・たっぷりの泡でしっかり洗う

・夜のうちに汚れを落とす

・敏感肌用の化粧水や保湿ジェルで保湿する

・通気性の良い衣類や寝具、パジャマを使用してマメに交換

・糖分や油分の過剰摂取は控える

「顔の皮脂分泌が多い人は、背中やデコルテも同じような傾向があります。顔中にニキビができやすい人は背中やデコルテにもニキビが多発している場合が多く、同様に治療を行う必要があります」

ニキビを作らないために心がけたい基本習慣

「食事のバランスや睡眠などの生活習慣も、ニキビを作らないために大事なケアです。
食事に関しては、糖分や脂質の過剰摂取は皮脂の分泌量を多くするなど、影響があるので、注意が必要です。糖分や脂質は控え、野菜やタンパク質を多く摂取するように心がけましょう。外食が多い、偏食しがちな人は、サプリメントで栄養素を補い、バランスを取るというのも良いでしょう。中でも皮脂の分泌量をコントロールしたり、脂質代謝を促すはたらきをするビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6の摂取がおすすめです。

そして睡眠は肌状態に大きな影響を与えます。睡眠不足は免疫力を低下させ、ニキビのできやすい状態や、ニキビの悪化を招きます。そのため、16時間程度の質の良い睡眠を取ることで、肌再生を促すようにしましょう」

Point

・糖分や脂質は少なめに、野菜やタンパク質を多めに摂る

・サプリメントはビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6がおすすめ

16時間程度の質の良い睡眠を取る

 

美容皮膚科医
美容皮膚科タカミクリニック 副院長

山屋雅美先生

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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