健康・ヘルスケア
2021.6.18

婦人科医に聞いた。生理周期25日は正常?排卵日はいつ頃?

「生理周期」とは生理が始まった日から次の生理が来る前日までの日数。医学的に正常な生理周期は25~38日です。生理周期を明確に把握するなら基礎体温をつけること。基礎体温を測る習慣は、自分の生理や女性ホルモンに向き合えるので、妊娠目的だけでなく、普段の体調管理にもおすすめです。

生理周期25日は正常?異常?

25~38日周期ならOK

アヴェニューウィメンズクリニック 院長

福山千代子先生

【正常な生理の目安】

周期:25~38日
経血日数:3~7日(平均5日)
経血量:20~140ml

「まずは正常な生理の周期、経血日数、経血量の目安を以下の【正常な生理の目安】でチェック。この範囲を外れていたら、女性ホルモンのバランスが乱れているサインです。

ちなみに生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が来る前日までの日数。ふたつの女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)は、この周期の中で交互に分泌量の増減を繰り返しています。基礎体温表をつければ、その流れを“見える化”できます」(福山先生・以下「」内同)

【月経期】
妊娠が成立しなければ、エストロゲン、プロゲステロンの量がともに減って、子宮内膜が剥がれ落ち、出血。月経として体外へ排出される。

【黄体期】
排卵した後の卵胞 が黄体に変化する時期。黄体からプロゲステロンが多く分泌されて、厚くなった 子宮内膜や乳腺など、妊娠しやすい状態となる。

【排卵期】
成熟した卵胞から卵子が飛び出す(排卵)時期。卵子は卵管采でピックアップされ、精子を待つ。 エストロゲンが激減し、プロゲステロンが増え始める。

【卵胞期】
卵巣の中の卵子のもととなる原始卵胞が成熟する時期。排卵を前にエストロゲンが急激に増え、 受精卵のベッドとなる子宮内膜を厚くする。

排卵日はいつ頃?

25日周期でも排卵日は「基礎体温」で明確に把握できる

基礎体温とは、朝目覚めた後、最も安静な状態で測る体温のこと。
生理周期に応じて、低温期と高温期の2相に分かれる。正常な場合は、エストロゲンが増える低温期が約2週間続き、排卵を挟んでプロゲステロンが増える高温期に移行。これも約2週間続く。

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「基礎体温を測る習慣は、自分の生理や女性ホルモンに向き合えるので、妊娠目的だけでなく、普段の体調管理にもおすすめ」。スマホに連動させて体温管理やリズム管理が可能。忙しい朝でも約10秒で検温。

排卵日がわからない場合

無排卵・無月経


高温期がなく、ずっと低温期のままの場合、生理は来ていても、排卵が起こっていない状態。ホルモンのバランスも乱れている。生理が32か月以上来なければ、続発性無月経。

 

生理周期の「乱れや不調」は放置せず、婦人科検診を

「婦人科では、月経異常の治療として、経腟超音波、子宮頸がん検査に加え、ホルモン分泌を調べる血液検査を行います」

 

生理不順にならないための8つの予防法

【1】冷やさない

イシハラクリニック 副院長

石原新菜先生

「冷えを感じると、体は生命維持に必要な内臓機能を守るために、まずは内臓周りに血液を集めます。そのため手足や皮膚の表面、さらには子宮や卵巣などが後回しにされて、結果、生理不順や無月経になることも」(石原先生)

 

【2】急激なダイエットはしない

産婦人科専門医

吉形玲美先生

ダイエットや食生活の乱れ、ストレスなどの負担がかかると、ホルモンバランスは乱れ、生理不順や不妊、肥満を引き起こすことも。ダイエットはホルモンバランスが整っている状況で、ゆっくり、頑張りすぎないように行なってほしいと吉形先生は言います。

 

【3】過激なダイエットに要注意!

トータルダイエットカウンセラー

大西ひとみさん

「過激なダイエットにより、生理不順や生理そのものが止まってしまうこともあります。一般的には、体脂肪が12%を切るとホルモン分泌が低下し、排卵を止めて生理が止まるといわれています。3か月以上生理が来ない状態は、“無月経”と呼ばれ、エネルギー不足のサイン。すぐに病院を受診して」(大西さん)

 

【4】睡眠リズムを整える

成城松村クリニック 院長

松村圭子先生

「ありがちなのは、休日にたっぷりと朝寝坊して、平日の睡眠不足をリセットしようとすること。それだとかえって睡眠リズムをくずし、自律神経を失調させてしまいます。寝る時間が遅くなった日でも、起きる時間は一定に。日中眠ければ、20分程度の昼寝で調整しましょう」(松村先生・以下「」内同)

【5】きちんと湯船につかる

「冷えはホルモンバランスの大敵。夏でもエアコンなどの影響で、体は意外に冷えています。シャワーだけですまさず、ちゃんと湯船につかって体の芯から温まりましょう。おすすめは39度前後の湯に15~20分程度の半身浴。気持ちのいい汗がかけ、睡眠の質も高まります」

【6】スマホ、PCなどデジタルから離れる時間を作る

「どこへ行くにもスマホを手放せず、もはや依存症ともいえる人が増えています。スマホやPCが発するブルーライトの刺激は、交感神経が優位な状態を長引かせ、ホルモンバランスを乱す要因に。夜は早めにスイッチを切り、デジタルから離れる時間を作りましょう」

【7】運動不足を解消する

「自宅でできる簡単な運動として、有酸素運動と無酸素運動を交互に行うサーキットトレーニングがおすすめ。まずその場で1分間、太ももを高く上げて足踏みし、その後スクワットを1分間。習慣にできれば、冷えが改善し、ホルモンバランスも整います」

【8】定期的に婦人科検診を受けよう

「婦人科検診を受けたことがない、あるいはもう何年も行っていないという人は、大人の女性として自分の体への関心が低すぎます。たとえ不調がなくても、年に1度は検診を受けましょう。自分のホルモンバランスの状態を知ることができるだけでなく、病気の早期発見や体調管理にも役立ちます」

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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