まだまだ油断できない「夏冷え」! 知らぬ間にやってしまっているNG習慣を見直し!
9月に入ってもまだまだ暑い…! クーラーが手放せないし、冷たい食事もとりがち。結果的に体や胃腸が冷えてしまいます。この時期の生活を徹底的に見直して、その冷え習慣を根本からリセットしましょう!
「夏冷え」レスキュー 基礎編2
暑いのに冷える、やっかいな「夏冷え」を克服するために、まずは「冷え」の基本をおさらい!
Q.ストレスも冷えに関係あるの?
A.ストレスで自律神経のバランスが乱れると、冷えにつながります
「脳の視床下部がストレスを感知すると、自律神経のバランスが乱れて交感神経優位の状態が続きます。そうすると血管が縮まって、血行が悪くなり、熱も運ばれず、体は冷える一方です。しかも、冷えがさらにストレスを大きくするといった負のスパイラルに陥ります」(福田先生)
Q.冷えると、美容にはどんな影響が?
A.肌のくすみや、乾燥、髪のパサつきなど
「冷えが原因で血液の流れが悪くなると、皮膚にも充分な血液が行き渡りません。老廃物がたまりやすく、くすみや肌あれに。肌のターンオーバーも乱れて乾燥や小ジワ、シミなどのトラブルにもつながります。同様に、髪のコンディションにも悪影響が」(福田先生)
Q.健康面への影響は?
A.肩こり、頭痛、むくみなど、さまざまな不調の引き金に
「冷えて血管が萎縮すると血液がスムースに流れないため、各細胞に必要な酸素や栄養が充分に運ばれなくなります。また、老廃物や疲労物質の回収も不充分で、頭痛、肩こり、むくみ、生理痛、イライラなど、全身の至る所に不調をもたらします」(福田先生)
Q.冷え症は生理や妊活にも影響がありますか?
A.妊娠しにくい一因になる可能性も
「冷えを感じると、体は生命維持に必要な内臓機能を守るために、まずは内臓周りに血液を集めます。そのため手足や皮膚の表面、さらには子宮や卵巣などが後回しにされて、結果、生理不順や無月経になることも」(石原先生)
Q.冷え症は遺伝しますか?
A.遺伝よりも、生活習慣の影響が大
「冷え症の要因のひとつとして、遺伝的要素や体質的なものも確かにありますが、それ以上に影響が大きいのは、普段の生活習慣でしょう。特に夏冷えは、冷房や冷たい飲み物など、暑さを逃れるために自ら積極的に体を冷やそうとした結果から生じることが大きいです」(福田先生)
Q.体を冷やしてしまう生活習慣とは?
A.運動不足、睡眠不足、食生活の乱れなど
「まずは運動不足。体温の40%の熱を産出する筋肉をあまり動かさない生活は、冷えをどんどんため込みます。また、自律神経のバランスを乱す睡眠不足も冷えの要因。さらに、食べすぎや偏食など、乱れた食生活も血液をよどませて冷えを招きます」(石原先生)
Q.冷えは完治しないの?
A.生活習慣の改善で、充分可能です
「普段の生活や服装を見直すことで、冷えから解放されることは充分に可能です。まずは自分の体の冷えにその都度ちゃんと気づくこと。そして、冷えを感じたら、その場ですぐに温めること。その2ステップの繰り返しが大切です」(福田先生)
Q.エアコンの設定って何℃がいいの?
A.設定温度を過信せず、近くに温度計を
「エアコンの設定温度と、自分のいる場所の温度は必ずしも合致しません。製品によっても、部屋の広さによっても違ってきます。自分が快適に感じる温度(25〜28℃)をその場で測って、そのときのエアコンの設定温度との差を知っておくのも○」(福田先生)
Q.扇風機の方が体にいい?
A.エアコンをつけて、扇風機で空気を巡回させるのが◎
「扇風機はかいた汗を風で吹き飛ばすため、頼りすぎると脱水状態になる可能性も。おすすめは、エアコンで少し冷やした空気を扇風機で動かすといったセット使い。外で涼しい風が吹いたような心地いい状態を、部屋の中に作ってあげるイメージです」(福田先生)
Q.暑くて汗が引かないとき、負担のないクールダウン法はない?
A.首や手首を冷やせば、即効!
「冷たい水を手首にかけたり、首の周りを冷たいウエットティッシュで拭いたりするだけで、スッキリします。汗をかいたままの状態でエアコンの利いた部屋に入ると冷えるので、汗をしっかり拭き取ってクールダウンしてから室内に移動を!」(福田先生)
Q.熱中症対策と冷え症対策のバランスが難しい
A.屋外では熱中症対策、室内では冷え対策を!
「暑い屋外なら、熱中症対策に薄着で冷たいものを飲んでもOK。一方、エアコンの利いた室内では、袖のある服を着て温かいものを飲むなど、しっかり冷え対策を。そんな風に場所によって切り替えるようにしましょう」(石原先生)
Q.いくら冷え対策といっても、夏に温めすぎるのは良くないのでは?
A.YES! 温めすぎて汗を大量にかくと、その後冷えます
「汗を大量にかいているのに、さらに温めるのはやりすぎ! 汗でぬれた服が冷めるのと同時に、体もどんどん冷えてしまいます。しかも、温めることや冷やさないことに神経質になりすぎると、交感神経が優位になるため、かえって冷えが増長されたりも」(石原先生)
教えてくれたのは…
健康科学アドバイザー・医学博士 福田千晶先生
イシハラクリニック 副院長 石原新菜先生
『美的』10月号掲載
イラスト/平松昭子、きくちりえ(Softdesign) 構成/村花杏子、つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。