月経周期は長くても短くても問題ありってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「月経周期」について。月経周期は長くても短くても問題ありってホント? 産婦人科医の谷内麻子先生にお話を伺いました。
Q:月経周期は長くても短くても問題ありってホント?
正常な月経周期の人もいれば、長い人、短い人もいます。そうすると、正常な月経周期でない場合、気になるのは病気や不妊のリスクがあるのでは?ということ。月経周期は長くても短くても問題ありなのでしょうか? さらに正しい月経周期とはどのくらいの範囲なのかまで。さっそく、この疑問について産婦人科医の谷内麻子先生に聞いてみました。
A:ウソ
「時期によってはあまり問題ない場合もあり、すべてが問題ありとは言えません。ただ、病気が隠れている可能性もあるので、気になるかたは婦人科の先生に相談してみることをおすすめします」(谷内麻子先生・以下「」内同)
正常な月経周期とは?
「月経周期とは月経開始日から次の月経がはじまる前日までの日数を言います。月経終了後から次の月経開始日までの日数ではないので注意してください。
正常な月経周期は28日〜35日で、周期によりプラスマイナス6日ほどの変動はあります」
月経周期によって排卵日が変わる?
「低温期+高温期=月経周期です。低温期の日数が変化することにより、周期の変動が起こります。何日目で排卵するかは、周期によって異なることもあります。28日周期であれば排卵はおよそ14日目、35日周期であれば排卵はおよそ21日目となります。
月経のときに出血するのは、エストロゲンと黄体ホルモンの血中濃度が下がることが誘因です。高温期にはエストロゲンと黄体ホルモンの両方が高値になっていますが、血中濃度が下がることで低温期になり、月経が始まります」
月経周期が短い人
「月経周期が短い人は、排卵までの日数が短い場合と、高温期が短いという場合が考えられます。初経から間もない人や、閉経間近の人は排卵が早く起きることがあります。
また、40代以降では黄体機能不全といって、高温期が短くなる現象がよく見られます。これも月経周期を短くする要因のひとつです。
初経から間もない時期や閉経間近の時期であれば、ひとまず様子を見てOKです」
月経周期が長い人
「排卵までの日数が長くかかると月経周期は長くなります。また、排卵が起きない無排卵周期では月経周期が長くなる傾向があります。排卵がうまくいかない原因のひとつとして、多嚢胞性卵巣と言われる状態があります。通常、ひとつの卵胞が大きくなり排卵しますが、多嚢胞性卵巣の場合、小さい卵胞がたくさんできてしまい、卵胞が大きくなれずに排卵するまでに日数が長くかかったり、排卵まで至らず、無月経の状態が続いてしまったりします」
生理周期が長い人が注意すべきことは?
「妊娠希望があるなら、早めに婦人科を受診してください。基礎体温をつけ、排卵しているかどうかを確認するのもおすすめです。
妊娠希望がない場合は、排卵日の特定が困難になるため避妊に失敗しやすくなります。希望しない妊娠を避けることや、生理日を予測するためにも低用量ピルを服用するという方法もあります。排卵を抑制し、同時に月経周期を28日に整えることができるのでおすすめです」
文/土屋美緒
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産婦人科医、女性ヘルスケア専門医。聖マリアンナ医科大学卒業、現在は静岡市の庄司産婦人科勤務。3人の子育てをしながら、女性に寄り添う医療を提供。
■庄司産婦人科