生理不順は女性ホルモン力低下のサイン|毎月の生理をチェックしてホルモンのコンディションを知ろう
生理周期の乱れは女性ホルモン力低下のサイン。自分の女性ホルモンのコンディションを知るためにも毎月の生理をきちんとチェックしましょう。
女性ホルモンの基礎知識はこちら
生理不順は女性ホルモン力低下のサイン
生理周期の乱れや経血の異常は、見逃し厳禁!
目には見えない自分の女性ホルモン。「そのコンディションを知るには、毎月の生理を観察するのが簡単でわかりやすい方法です」と婦人科医の福山千代子先生。「まずは正常な生理の周期、経血日数、経血量の目安を以下の【正常な生理の目安】でチェック。この範囲を外れていたら、女性ホルモンのバランスが乱れているサインです。ちなみに生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が来る前日までの日数。ふたつの女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)は、この周期の中で交互に分泌量の増減を繰り返しています。基礎体温表をつければ、その流れを“見える化”できます」(福山先生/以下同)
【正常な生理の目安】
周期:25~38日
経血日数:3~7日(平均5日)
経血量:20~140ml
実際、経血量は測定できないので数値での判断は難しいが、「夜用のナプキンでも漏れる」「1時間ごとにナプキンを替える」などは過多月経。「塊で出る」なども異常のサイン。
排卵の前後でふたつのホルモンの分泌は大きく変動&体調も変化
【月経期】
妊娠が成立しなければ、エストロゲン、プロゲステロンの量がともに減って、子宮内膜が剥がれ落ち、出血。月経として体外へ排出される。
【黄体期】
排卵した後の卵胞 が黄体に変化する時期。黄体からプロゲステロンが多く分泌されて、厚くなった 子宮内膜や乳腺など、妊娠しやすい状態となる。
【排卵期】
成熟した卵胞から卵子が飛び出す(排卵)時期。卵子は卵管采でピックアップされ、精子を待つ。 エストロゲンが激減し、プロゲステロンが増え始める。
【卵胞期】
卵巣の中の卵子のもととなる原始卵胞が成熟する時期。排卵を前にエストロゲンが急激に増え、 受精卵のベッドとなる子宮内膜を厚くする。
基礎体温をつけることで、生理周期を明確に把握できる
基礎体温とは、朝目覚めた後、最も安静な状態で測る体温のこと。生理周期に応じて、低温期と高温期の2相に分かれる。正常な場合は、エストロゲンが増える低温期が約2週間続き、排卵を挟んでプロゲステロンが増える高温期に移行。これも約2週間続く。
基礎体温の推移の乱れで妊娠や病気の兆候もわかる!
妊娠したとき
前の生理から低温期が続き、排卵した後、プロゲステロンが増える高温期がずっと続く。そのまま次の生理が来る頃になっても基礎体温が下がらず、生理が来ない。
無排卵・無月経
高温期がなく、ずっと低温期のままの場合、生理は来ていても、排卵が起こっていない状態。ホルモンのバランスも乱れている。生理が3か月以上来なければ、続発性無月経。
黄体機能不全
2相に分かれてはいるけれど、高温期が短い状態は黄体機能の不全の可能性あり。妊娠を持続させるプロゲステロンの働きが不足して、受精しても着床しにくい場合がある。
生理周期が乱れがち、生理日が長引く・短い、量が多すぎ・少なすぎは要注意!
婦人体温計は大人女子のマストツール
「基礎体温を測る習慣は、自分の生理や女性ホルモンに向き合えるので、妊娠目的だけでなく、普段の体調管理にもおすすめ」。スマホに連動させて体温管理やリズム管理が可能。忙しい朝でも約10秒で検温。
オムロンヘルスケア 婦人用電子体温計 MC-652LC ¥3,780(編集部調べ)
月経異常は放置せず、婦人科検診を !
「婦人科では、月経異常の治療として、経腟超音波、子宮頸がん検査に加え、ホルモン分泌を調べる血液検査を行います」
月経不順検診¥22,000(保険適用外)/アヴェニューウィメンズクリニック
女性ホルモンについて教えてくれたのは…
アヴェニューウィメンズクリニック 院長
福山千代子先生
ふくやまちよこ/金沢医科大学卒。日本産科婦人科学会専門医。東京大学医学部附属病院勤務などを経て、’09年から現職。女性ホルモンの影響を受けて、さまざまな悩みを抱える女性たちに親身に寄り添う診療が評判。
美的6月号掲載
イラスト/別府麻衣 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。