健康・ヘルスケア
2021.7.27

便秘でおならが臭う?「2つの原因」&「4つの腸内環境改善法」

便秘でお腹が張っておならが臭い? 気になる臭いの原因と解消法を専門家が教えてくれました!

おならが臭い【原因2つ】

【1】腸内の悪玉菌が多く、動物性タンパク質を多く摂っている

一般社団法人 日本美腸協会 代理理事

小野 咲さん

「おならとは、大腸の腸内細菌が食べた物を消化する際に発生するガスのこと。おならになる前の細かい気泡は腸内から吸収されて体内を巡るので、ニオイがきついとそのまま体臭として表れてしまいます。

おならは基本的に食べた物のニオイがしますが、ニオイがきついのは腸内の悪玉菌が多かったり、動物性タンパク質を多く摂っていることが主な原因と考えられます」(小野さん)

 

【2】タンパク質が消化しきれず腐ってしまう

内科医・認定産業医/tenrai株式会社 代表取締役医師

桐村 里紗先生

「便やおならのニオイの原因は、食べ物に含まれるタンパク質が消化しきれず、腸内の悪玉菌によってタンパク質が腐ってしまい、アンモニアなどの悪臭物質を作り出すことです

この悪臭物質が体内に吸収されると通常は肝臓で分解されますが、お酒の飲み過ぎなどで肝臓の働きが衰えていると、分解しきれずに汗に分泌され、体臭の原因となります。肉食女子で、消化しきれないほどのお肉をたくさん食べている場合、便やおならが臭いなら、腸内で悪臭の原因が発生している証拠ですよ」(桐村先生)

 

便秘と臭いおならを解消するには?

腸内環境を整える

一般社団法人 日本美腸協会 代理理事

小野 咲さん

腸内環境が整っていればガスが溜まってお腹が張ることもなく、おならのニオイもあまり気にならないはず。水をこまめに飲んだり体をひねるなどで腸の動きを良くして、便やガスが溜まりにくい状態を目指しましょう」(小野さん/以下「」内同)

「腸内環境を整えるには、腸を動かして排出を促すことを意識することが大切です! お腹をひねる、こまめに歩く、階段を上る、お腹を温める、常温の水を飲む、水分の多い食事を摂るなど、簡単なことで腸は動きます

 

【腸内環境を良くする方法1】水分を多くとる

最低でも1.5Lは水分をとる習慣を

ボディメイカー

JUNさん

「水分が不足すると、栄養や酸素を細胞に届ける血液や、老廃物を回収するリンパ液の巡りが悪くなり、代謝も低下。汗をかきにくくなったり便秘を引き起こす原因にもなるので、1日に最低でも1.5Lは水分をとる習慣を身につけましょう。ポイントは喉が乾く前に飲むこと。トイレの回数は1日8~10回が目安です」(JUNさん)


【腸内環境を良くする方法2】歩く

血流を高めスムースな排便を促す

松生クリニック 院長 

松生恒夫先生

「適度な運動は腹部の血流を高め、スムースな排便を促します。最も手軽で効果的なのがウォーキング。20~30分連続で歩くのが理想ですが、普段から背筋を伸ばして大股で歩くように心掛けるだけでも効果あり」(松生先生)


【腸内環境を良くする方法3】お腹をひねる「ストレッチ」を取り入れる

一般社団法人 日本美腸協会 代理理事

小野 咲さん

「便秘状態の腸は、朝からガチガチに固くなっている上、便の重さで位置も下がり気味。体をひねったり、伸ばしたりするストレッチで腸を刺激し、腸の位置を整え、おなかを柔らかくして便通を促しましょう。その際、ゆっくりと深く呼吸をすることも大切。深い呼吸で血流が良くなって、腸が活性化します」(小野さん)

【1】胸式&腹式ストレッチ

  1. 足を肩幅に開いて立ち、鼻から5秒かけて息を吸いながら両腕を上げる。おなかから胸の順に膨らませるイメージで。
  2. 次に、口から10秒かけて息を吐きながら、両腕を下げる。腕の動きに合わせて、胸からおなかの順に、ゆっくり息を吐いていくように。
  3. さらに上体を丸めて、おへそをのぞき込み、ひざ下まで手を伸ばして息を吐き切る。
  4. これを5回繰り返す。


【2】お辞儀ストレッチ

  1. 足を肩幅に開いて立ち、右手は骨盤上部にある腸骨の下、左手は肋骨の下に当てる。
  2. 両方の手でわき腹をもみながら、上半身を前に倒す。その際、息をゆっくり吐きながら、左手だけ腸骨の位置までスライドさせる。
  3. さらに、前かがみになり、床と平行になるまで倒したら頭を上げる。
  4. これを10回繰り返す。


小林メディカルクリニック東京 院長 

小林暁子先生

【3】相撲ストレッチ

  1. 両脚を開いてしゃがみ、両腕はひざの内側に入れて拳を合わせる。
  2. 左右に体をねじって、目線は遠くへ。ねじった反対側の上半身をぐいっと内側に入れるように意識。
  3. 5回繰り返す。

【4】足上げゴロゴロ

  1. あお向けに寝て、両ひざを曲げてかかとをお尻に近づける。
  2. 両手は骨盤をつかむように指を入れて、S字結腸(大腸の下コーナー)付近を押す。そのまま左右に体を揺らしながら指を強く押し込む。


【腸内環境を良くする方法4】気を付けるべき「5つの食事ポイント」

小林メディカルクリニック東京 院長 

小林暁子先生

一般社団法人 日本美腸協会 代理理事

小野 咲さん

【ポイント1】食物繊維をしっかりとる

「食物繊維には、水に溶ける『水溶性』と水に溶けない『不溶性』があります。理想のバランスは、不溶性2:水溶性1です。便をしっかり出すには不溶性が大切ですが、現代人の食生活で不足気味なのは水溶性。便秘やコロコロ便の解消にも、水溶性が必要です」(小林先生)

不溶性食物繊維
「水分を吸収して数倍に膨れるため、便のカサを増やして腸のぜん動運動を活性化します。残便感の解消にも効果的。葉もの野菜、さつま芋やじゃが芋、きのこ類、豆類、玄米などに豊富。それだけではなく、水分も一緒にとることが大切です」(小野さん)

水溶性食物繊維
「水に溶けると粘度を増してゲル状になり、腸にこびりついた老廃物を落としてくれるのが、水溶性食物繊維。不溶性よりもとるのが難しいので、意識して積極的に摂取を。ワカメやヒジキなどの海藻類や、ネバネバ食品、アボカドなどに多く含まれています」(小野さん)

【ポイント2】発酵食品をとる

「納豆や漬け物、甘酒など日本古来の発酵食品には、腸内の善玉菌を増やす植物性乳酸菌が豊富。動物性よりも菌の力が強く、腸に届きやすい特徴をもちます。ただし、動物性乳酸菌のヨーグルトは腸を活性化するので、積極的にとりたい食材です」(小野さん)

【ポイント3】 良いオイルを適量とる

「オリーブオイルや亜麻仁油、えごま油など、良い油は腸の潤滑油になります。大さじ1杯をスープやサラダに回しかけるなど、生のままとることで便がつるんと出やすくなります。加熱料理には米油やオリーブオイル、ココナッツオイルが◎」(小野さん)

【ポイント4】なるべく添加物をとらない

「排泄の能力を超える程の添加物をとっていると、老廃物として腸内にたまって、腸内細菌のバランスが乱れやすくなります。また、血液の質が悪くなる上、巡りも低下することに。食材は、なるべく添加物を含まないものを選びましょう」(小林先生)

【ポイント5】就寝3時間前までに食事を終える

「便を作る腸のぜん動運動は、睡眠中に最も活発になります。ところが、就寝直前に食事をすると、睡眠中の胃腸の消化活動が盛んで、腸の動きは停滞。そんな事態を防ぐためにも、寝る3時間前までには食事を終えておくことが大切です」(小林先生)

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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