生理が2週間遅れてる…妊娠?医師に聞いた、不順の「原因」と「改善方法」
産婦人科医が教える「生理の正しい周期」とは?生理が2週間遅れている…妊娠?それとも病気?……そんな不安にならないためにも、「原因」と「改善方法」をしっかり知っておきましょう。心配なときは、病院や薬に頼って、正しいケアをおすすめします。
正しい周期を知ろう
正確な生理周期は「25~38日」
正確な生理周期の把握はバランスUPの第一歩!
「毎月訪れる生理は、ホルモンバランスを知る指標のひとつ。規則的であることは必須条件です。ところが、そもそも生理周期の教え方や正常な生理周期を知らない人が少なくありません。
生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が来る前日までの日数。 医学的に正常な生理周期は25~38日です。 」(松村先生・以下「」内同)
基礎体温表をつける。
生理周期を「見える化」することができます。基礎体温とは、朝目覚めた後、最も安静な状態で測る体温のこと。
「女性の体温は生理周期に応じて低温期と高温期の2相に分かれています。
正常な場合、エストロゲンが増える低温期が約2週間続き、排卵を挟んでプロゲステロンが増える高温期に移行。これが約2週間続きます。
ただし、たとえ生理が規則的に来て、基礎体温が2相性でも、出血量や出血期間に異常があったり、ほかに不調があれば、ホルモンバランスが良好とはいえません」
基礎体温で妊娠や病気も確認できる
オムロンヘルスケア 婦人用電子体温計 MC-652LC
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妊娠した場合
妊娠したとき
前の生理から低温期が続き、排卵した後、プロゲステロンが増える高温期がずっと続きます。そのまま次の生理が来る頃になっても基礎体温は下がらず、生理が来ません。
病気の場合も…
「仕事が忙しく、気付けば予定日から2週間も過ぎているのに生理がきていない。妊娠しているかも!? と思い、妊娠検査薬を使ってみたところ陰性判定。それまで2週間も生理が遅れた経験がなかったので、念のため病院に行ってみると婦人科系の病気が見つかったんです。
妊娠検査薬を使ったことが、病院受診のよいきっかけになりました」(34歳・1児の母)
生理不順の「5つの原因」
【1】冷え
「冷えを感じると、体は生命維持に必要な内臓機能を守るために、まずは内臓周りに血液を集めます。そのため手足や皮膚の表面、さらには子宮や卵巣などが後回しにされて、結果、生理不順や無月経になることも」(石原先生)
【2】脂肪が多めのぽっちゃり体型
脂肪が多めのぽっちゃりさんは、一見体温が高そうなのに、実はおなかやお尻が冷たい人が多いそう。「おなかやお尻は、脂肪が多い部位。脂肪は血管が少なく温度も低いのです。さらに、長時間同じ姿勢でいることから起きる血行不良が冷えの原因に」と指摘。「手足の冷えと違い、おなかやお尻の冷えは放置しがち。でもそのままにしておくと、便秘や生理不順、ひいては婦人科系の病気を引き起こすことも。その上なかなかヤセにくく、さらに脂肪がつきやすくなります」(渡邉先生)
【3】過激なダイエット
トータルダイエットカウンセラー
大西ひとみさん
78kgからマイナス24kgのダイエットに成功したトータルダイエットカウンセラー。9年間アメリカでパーソナルトレーナーとして活動した後帰国。帰国後様々なメディアで活動しているだけでなく、2018年には自身のオリジナルブランドギルトフリースイーツh+dietをオープンし、主にECサイトで商品販売を展開している。
「過激なダイエットにより、生理不順や生理そのものが止まってしまうこともあります。一般的には、体脂肪が12%を切るとホルモン分泌が低下し、排卵を止めて生理が止まるといわれています。
3か月以上生理が来ない状態は、“無月経”と呼ばれ、エネルギー不足のサイン。すぐに病院を受診して」(大西さん)
【4】ストレス
「女性ホルモンの分泌を指令する視床下部には、自律神経をコントロールする働きもあります。そのため、ストレスで自律神経が乱れていると、ホルモンバランスも乱れてしまうのは当然のこと。
ストレスや緊張で交感神経が優位な状態が多すぎる日常に、もっとリラックスする余裕と時間を増やしましょう。
責任感を持って仕事を頑張るのはいいことだけれど、四六時中、縛られている状況は問題。忙しい人程、オンとオフの切り替えが必要です。
また、不安や怒り、不満などのマイナス感情も自律神経やホルモンバランスを乱す要因。いつまでも引きずらないように、切り替えの気持ちを!」(松村先生)
【5】偏った食事や睡眠不足など生活リズムの乱れ
「エイジングが進むにつれて、月経周期が短く、まばらになる傾向はあります。ただしそれがプレ更年期=卵巣機能が低下し始めているかどうかは血液検査でホルモンの分泌状態を調べてみないとわかりません。本来卵巣機能が安定しているはずの30代で更年期のような症状が出るのは、ホルモンバランスの乱れによることがほとんど。ただ1000人にひとりくらいの割合で、早発卵巣不全による早期閉経もあります。またPMS(月経前症候群)の発汗やイライラなどの症状を更年期障害と勘違いするケースも。
いずれにしても普段、偏った食事、睡眠不足、運動不足、過度なストレスなど、ホルモンバランスを乱すような生活をしていたら、まずはライフスタイルの見直しと改善を心掛けましょう」(吉形先生)
乱れを改善する「5つの方法」
【1】ホルモンバランスを整える「5つの生活習慣」
1. 起床時間を一定にして、睡眠リズムを整える
「ありがちなのは、休日にたっぷりと朝寝坊して、平日の睡眠不足をリセットしようとすること。それだとかえって睡眠リズムをくずし、自律神経を失調させてしまいます。寝る時間が遅くなった日でも、起きる時間は一定に。日中眠ければ、20分程度の昼寝で調整しましょう」(松村先生・以下「」内同)
2. 夏でもきちんと湯船でつかる
「冷えはホルモンバランスの大敵。夏でもエアコンなどの影響で、体は意外に冷えています。シャワーだけですまさず、ちゃんと湯船につかって体の芯から温まりましょう。おすすめは39度前後の湯に15~20分程度の半身浴。気持ちのいい汗がかけ、睡眠の質も高まります」
3. スマホ、PCなどデジタルから離れる時間を作る
「どこへ行くにもスマホを手放せず、もはや依存症ともいえる人が増えています。スマホやPCが発するブルーライトの刺激は、交感神経が優位な状態を長引かせ、ホルモンバランスを乱す要因に。夜は早めにスイッチを切り、デジタルから離れる時間を作りましょう」
4.「1分間サーキットトレーニング」で、運動不足を解消
「自宅でできる簡単な運動として、有酸素運動と無酸素運動を交互に行うサーキットトレーニングがおすすめ。まずその場で1分間、太ももを高く上げて足踏みし、その後スクワットを1分間。習慣にできれば、冷えが改善し、ホルモンバランスも整います」
5. 定期的に婦人科検診を受ける
「婦人科検診を受けたことがない、あるいはもう何年も行っていないという人は、大人の女性として自分の体への関心が低すぎます。たとえ不調がなくても、年に1度は検診を受けましょう。
自分のホルモンバランスの状態を知ることができるだけでなく、病気の早期発見や体調管理にも役立ちます」
【2】5つのストレスマネジメント術
1. 8割できればOK!の頑張りすぎない自分になってみる
「神経質な完璧主義者程、100%できるまで自分を追い込んでイライラ。まじめな頑張り屋さんも、休み所がわからなくてズルズル仕事をしがちです。心当たりのある人は、少し働き方を変えてみては?8割できれば今日はOK!くらいの心のゆとりをもちましょう」(松村先生・以下「」内同)
2. 思いきり泣いたり、物に当たるのも医学的に有効
「負の感情のデトックスには、思いきり涙を流すのがおすすめ。悔し涙ではなく、あえて“泣ける”映画やドラマ、小説などを選んで、声を出して泣きましょう。また、紙を思いきり破ったり、クッションを殴ったり…物に当たるのも、手っとり早いストレス発散法です」
3. 口角を上げるだけでもストレスは減少する
「人は笑うと、免疫力を高めるNK細胞が活性化するといいます。口角を上げて作り笑いをしただけでも同様だそう。免疫力が上がれば、ホルモンバランスもおのずと整います。特にホルモン変動で気分にムラが出る生理前は、極力笑顔を心掛けてみてください」
4. 香りを味方につけてリラックスする
「忙しすぎる日の休息時間や、夜のリラックスタイムに、副交感神経を優位にさせるアロマを活用してみましょう。香りは脳にダイレクトに働くので、自分が心地よいと感じる香りをかぐと、自然と呼吸が深まって脳もリラックス。自律神経が整って、ホルモンバランスもUPします」
5. 優先順位のチェック表をつけて働き方を改善
「時間に追われる仕事が山積みで、ストレスを感じている人は、まずその混乱を整理しましょう。今の課題を『重要』 『緊急』 『あまり重要でない』『あまり緊急でない』の4つの軸に振り分けて書き出すだけで、無駄なく賢く時間を管理できるようになります」
【3】温活で冷えを改善
「バスクリン」広報責任者/温泉入浴指導員/風呂博士
石川泰弘さん
「バスクリン」広報責任者、温泉入浴指導員、風呂博士として各地で演活動も行う。『お風呂の達人』(草思社)など著書も多数。
日本初「冷え症外来」を開設
渡邉賀子先生
「麻布ミューズリニック」名誉院長。漢方専門医。1997年、北里研究所にて日本初の「冷え症外来」を開設。漢方を中心に、冷え症の治療に従事。
「日頃から、早歩きで歩いたり、お風呂にじっくりつかったりして血行促進することで、かなり改善できますよ」(石川さん)
\湯船に座るとき、手の上にお尻を乗せて刺激/
冷たいおなかやお尻は、湯の中で手を当てたりゆっくり動かすとよりポカポカに。
「湯船の中でお尻の下に手を入れるだけでもOKです」(石川さん)
\温め&むくみ防止のサプリメントを投入/
サプリも賢く取り入れましょう。体全体を温めるだけでなく、不要な水分の排出もサポートするサプリを継続してとってみて。
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- 厳選植物の力で燃焼・排出を促進。
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- 6種の和漢植物による独自成分が余分な水分の排出を促し、むくみにくいボディに。
運動不足を感じるのなら、なるべく歩くようにしましょう。
「少し早歩きをすることで太ももやふくらはぎの筋肉を充分に刺激することになり、代謝もアップしますよ」(渡邉先生)
【4】漢方薬で体質改善
「漢方薬は、痛みの発生を抑える西洋薬とは違い、個々の体を『気・血・水』のバランスで診断して体質改善していきます。生理痛体質(血行不良)の改善は下の4つが定番」(石原先生)
温経湯(うんけいとう)
脈やおなかの力が弱い虚弱なタイプの人の、月経不順や月経困難症、PMSなどを和らげる。「血虚」(血不足)を改善する薬で冷え性にも効果的。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力虚弱で、冷え性、貧血の傾向があり疲労しやすい人の、生理痛、生理不順、むくみなどを緩和。血巡りの悪い「瘀血」を改善し、体を温める。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があり、赤ら顔、冷えのぼせ、下腹部のハリなどを感じるタイプに向く。「瘀血」を改善して、生理痛や月経異常などの症状を緩和。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
体力があまりなく、肩こり、頭痛、のぼせ、イライラなどさまざまな不定愁訴に悩む人の諸症状を緩和。「瘀血」の改善に加え、抑うつ効果も。
【5】低用量ピルを服用する
低用量ピルは子宮や卵巣を休める作用があり、避妊のほか、生理不順や生理痛など、婦人科系のプチ不調を整えてくれます。
\生理が不規則なのにもかかわらず、そのままにしていませんか?/
「生理不順の人は、今、妊娠を希望していないのであれば、低用量ピルでリズムをつくって、生理周期を安定させておいた方がいいでしょう。
妊娠を希望するようになったら服用をやめた際、内からのリズムが戻ってくることもあります。それでも不順が続く場合も、次の排卵を誘発させる治療に進みやすくなりますよ」(松村先生)
低用量ピルを服用すると、約28日周期で生理が訪れるようになります。
低用量ピルによってホルモンが投与されると、体は安心して、自身によるホルモンの分泌を抑えます。そして、偽薬または休薬期間に入ると、“ホルモン剤が入ってこなくなった”ことによって、生理(消退出血)が始まるのです。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
日本産科婦人科学会専門医。広島大学医学部卒。広島大学病院等での勤務を経て、2010年に開院。女性の美と健康に関する知見を生かし、女性誌やテレビなどメディアでも活躍。女性ホルモンに関する著書も多数。