女医も実践! 生理日以外の日常ケアでもう生理痛に悩まない!
生理痛をなくしたいなら、生理日以外のケアも怠らないで。食生活や、運動、入浴方法などを見直すことで、生理痛は軽減されるんです! 詳しい方法を吉形玲美先生と石原新菜先生に教えてもらいました!
【食】食事は筋肉や熱になるものを!
たんぱく質、食物繊維、発酵食品を積極的にとる
「生理痛を重くする冷えや血行不良の改善には、熱を“自家発電”できる体になること。大豆や魚など筋肉の材料となる良質なたんぱく質をしっかりとるようにしましょう。腸内環境を整える食物繊維や発酵食品も毎食取り入れて」(吉形先生)
生サラダより温野菜。温かい汁ものを必ず1品!
「野菜を生でとると、体を冷やして血流を悪くする場合があるので、温野菜にするのがおすすめです。温野菜には体を冷やさないだけでなく、カサが減って量を食べられる、栄養が吸収されやすくなるといったメリットも」(石原先生)
添加物の多い加工食品の摂取は控える
「忙しいとつい手軽な加工品で食事をすませがち。でも、加工品は塩分、糖分、脂質がたっぷりな一方で、体に必要なたんぱく質やビタミン・ミネラル、食物繊維は少量。体を冷やす添加物も多いのでなるべく控えて」(石原先生)
陽性食品&セリ科植物で元気な子宮に!
「食品にはトマトやバナナのように体を冷やす陰性食品と、ごぼうや梅干しのように温める陽性食品があり、冷え予防には当然後者が◎。また、にんじんやセロリなど、セリ科の食物には子宮の血流を促す働きがあります」(石原先生)
漢方薬で体質改善していく方法も
「漢方薬は、痛みの発生を抑える西洋薬とは違い、個々の体を『気・血・水』のバランスで診断して体質改善していきます。生理痛体質(血行不良)の改善は下の4つが定番」(石原先生)
温経湯(うんけいとう)
脈やおなかの力が弱い虚弱なタイプの人の、月経不順や月経困難症、PMSなどを和らげる。「血虚」(血不足)を改善する薬で冷え性にも効果的。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力虚弱で、冷え性、貧血の傾向があり疲労しやすい人の、生理痛、生理不順、むくみなどを緩和。血巡りの悪い「瘀血」を改善し、体を温める。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があり、赤ら顔、冷えのぼせ、下腹部のハリなどを感じるタイプに向く。「瘀血」を改善して、生理痛や月経異常などの症状を緩和。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
体力があまりなく、肩こり、頭痛、のぼせ、イライラなどさまざまな不定愁訴に悩む人の諸症状を緩和。「瘀血」の改善に加え、抑うつ効果も。
【動】1日1万歩を目標に歩いて、血巡りのいい体をキープ
「代謝が良くなれば、血流も促され、生理痛などのトラブルも緩和されるといった良いスパイラルに。その波に乗るには、やはり適度に体を動かすことが必要です。今日からでも気軽に始められるのは、ウォーキング。背筋を伸ばして歩幅は広め、やや早足でサクサク歩いていると、全身の血流が良くなって、体がぽかぽかしてきます。わざわざ歩く時間を設けるのが難しければ、電車のひと駅手前で降りて歩くなどの工夫を。1日1万歩を目標に!」(石原先生)
【浴】入浴はシャワーですまさず、湯船にしっかりつかる習慣を
「毎日湯船につかる習慣は、体を温めるためにも、疲れやストレスをほぐすためにも必須。つかる時間は、汗がじわっと出てくるまでと覚えておきましょう。発汗は体温が1℃上がって血流が良くなったサインです」(石原先生)
反対に、「生理中は湯船につからなくても」と吉形先生。
「経血中の陰部は細菌やバイ菌が入りやすくなっています。皮膚のバリア機能も低下しているので、デリケートゾーン専用のソープで洗うなど、清潔にしておきましょう」(吉形先生)
教えてくれたのは…
浜松町ハマサイトクリニック 産婦人科医 吉形玲美先生
よしかたれみ/医学博士。東京女子医科大学医学部を卒業後、同大学准講師を経て、非常勤講師に。2010年7月より現クリニック院長に着任。現在は診療のほか、多くの施設で予防医療研究に従事している。揺らぎやすい女性の体のホルモンマネージメントが得意分野。
イシハラクリニック副院長 内科医 石原新菜先生
いしはらにいな/帝京大学医学部卒。同大学病院で研修医を経て、現クリニック副院長に着任。漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療に当たっている。そのほか、わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、TVやラジオ、雑誌、執筆活動と、幅広く活躍。
『美的』6月号掲載
イラスト/いいあい 撮影/フカヤマノリユキ 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。