健康・ヘルスケア
2019.3.20

生理不順がひどい…低用量ピルで改善できる?【女医に訊く#54】

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低用量ピルは子宮や卵巣を休める作用があり、避妊のほか、生理不順や生理痛など、婦人科系のプチ不調を整えてくれます。また、大人ニキビの改善にも。産婦人科医の松村圭子先生に、詳しく教えていただきました。

ホルモンバランスを整えることで大人ニキビや肌荒れを改善

前回ご紹介した通り、低用量ピルとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンを配合したホルモン剤のこと。自前のホルモンの分泌を抑えて外から女性ホルモンを与え、男性ホルモンの作用も抑えるため、男性ホルモンが優位になることでできる大人ニキビの改善が見込まれます。

「病気までとはいかないけれど、体質的に男性ホルモンが悪さをしやすいというレベルであれば、低用量ピルは効果的でしょうね。皮脂の分泌を抑えて、ニキビや肌荒れを改善してくれますよ」(松村先生 以下「」同)

大人ニキビというと、皮膚科にかかるケースが多いですが、いくらケアしてもニキビや肌荒れがよくならない人という人は、一度、婦人科医に相談してみるのもいいかもしれません。

生理不順を放っておいたらどうなるの?

生理が不規則なのにもかかわらず、そのままにしていませんか? 松村先生によると、生理不順の原因はホルモンバランスの乱れ。当然、排卵も不定期ですし、排卵されていない可能性も。将来、不妊などにつながることもあるそうです。

「プロゲステロンは排卵後に出ますから、排卵が起きていないというのは、エストロゲンしか出ていないということになります。その場合、乳癌や子宮体癌のリスクになりますし、エストロゲン自体が低くて排卵が起きていない場合は、肌や髪、骨、血管の老化が早まります」(松村先生)

心筋梗塞や脳梗塞、骨粗鬆症などの疾患が若い女性に滅多に見られないのは、エストロゲンのおかげ。閉経後まで骨や血管を守っていてくれるからなのです。

低用量ピルは生理不順の改善や生理期間の移動も

「生理不順の人は、今、妊娠を希望していないのであれば、低用量ピルでリズムをつくって、生理周期を安定させておいた方がいいでしょう。妊娠を希望するようになったら服用をやめた際、内からのリズムが戻ってくることもあります。それでも不順が続く場合も、次の排卵を誘発させる治療に進みやすくなりますよ」(松村先生)

低用量ピルを服用すると、約28日周期で生理が訪れるようになります。低用量ピルによってホルモンが投与されると、体は安心して、自身によるホルモンの分泌を抑えます。そして、偽薬または休薬期間に入ると、「ホルモン剤が入ってこなくなった」ことによって、生理(消退出血)が始まるのです。

「休薬にする時期はコントロールできますから、生理の開始日の移動も簡単にできます。予定より早く休薬にすれば生理が早くくるし、先延ばしにすれば、生理も先延ばしにできます」と松村先生。

生理不順の改善だけでなく、たとえば、受験や旅行、スポーツの大会など、生理が重なってしまいそうなときに低用量ピルの助けを借りることもできます。「ドーピング検査の対象から外れるため、大事な大会を控えたアスリートにも低用量ピルを利用している方がいますよ」(松村先生)

不規則な生活や過度なダイエットは避けて

生理不順は不規則な生活やストレス、過度なダイエットでも起こります。特に、短期間に元の体重から1割を減らすようなダイエットは危険。生殖機能がストップしてしまいます。

「急激なダイエットをして生理が止まるのは、あなたのダイエットは間違っていますよという体からのシグナル。視床下部はストレスと不規則さが苦手なため、命令を上手く出せなくなって、卵巣がお休みモードになってしまうのです。

偏食もダメ。私も3年前まではほぼ外食かコンビニやスーパーのお惣菜生活でしたが、調味料を揃えるところから始めて料理をするようになったら、体も肌も本当に変わりましたよ」

ホルモンバランスを整えるには、根本を見直すことも大切です。上手に低用量ピルと付き合いながら、規則正しい生活と、栄養バランスのいい食事を心がけましょう。

婦人科専門医
松村圭子先生
広島大学医学部卒業。成城松村クリニック院長。女性の体の悩みを多角的にサポート。『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など著書多数。 ■成城松村クリニック

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ

 

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