健康・ヘルスケア
2019.3.21

カルシウムだけでは不十分!? 食生活の改善で「骨」をもっと強く、健康に!

骨を強くする材料として知られているのは“カルシウム”ですが、実は、カルシウムをとるだけでは不十分だったんです! カルシウムと一緒にとるといい栄養素とは? 管理栄養士の渥美まゆ美さんとDr. 孝志郎のクリニック 院長 藤澤孝志郎先生に詳しく伺いました。

食生活の改善で「骨トレ」効果がもっとUP!

カルシウムをとるだけでは不充分。ビタミンD&Kとセットでとってこそ骨強化に!
そもそも骨は、毎日の食事でとる栄養素から作られます。骨を強くする栄養素をしっかり補給することは、体の中からの「骨トレ」。管理栄養士の渥美まゆ美さんは、とるべき栄養素についてこう話します。
「強い骨を作る材料としてよく知られているのはカルシウム。でも、カルシウムを単独でとっても効力は得られません。カルシウムの吸収を高 めるビタミンD、骨の形成を促して強さを維持するビタミンKなどを一緒にとることが大切なんです。また、骨の原料であるたんぱく質や、とっ た栄養素の潤滑油的な役割を果たすマグネシウムも必須。さまざまな栄養素が相互的に働いてこそ代謝が促され、丈夫な骨を形成できます」

藤澤先生も「骨に必要なカルシウムを実際に骨に届けるためには、とり方が大事」と話します。
「カルシウムが骨にくっつくのを助けるのが“カルシトニン”というホルモン。カルシトニンを多く分泌する魚類をとれば、カルシウムを効率良く骨に取り込めます。また、腸内のカルシウムをキャッチして血液に運ぶのは、ビタミンDによって作られる“カルシウムバインディングプロテイン” の役目。カルシウムの吸収を高めるためにビタミンDが必要なのは、そのためです。さらに、骨芽細胞から分泌される若返りホルモン“オステ オカルシン”を活性化するビタミンKも同時にとりたい栄養素です」

骨を強くする3大要素

カルシウム
体内に最も多く含まれるミネラルで、約99%が骨と歯の中に蓄えられています。残り1%は筋肉や神経系、体液中に含まれますが、そちらで不足すると骨や歯から奪われ、骨がスカスカに。

ビタミンD
腸からのカルシウムの吸収をサポートし、腎臓からの排泄を抑制。カルシウムを血中に維持する働きがあります。また、副甲状腺ホルモンを抑制し、骨を作ったり維持したりする働きも。

ビタミンK
脂溶性ビタミンのひとつ。骨芽細胞から分泌されるオステオカルシンを活性化してカルシウムを骨に沈着させ、骨の形成を促す働きをもちます。血液凝固作用や動脈の健康を保つ働きも。

 

+たんぱく質やほかのミネラルも重要!
骨を形成するコラーゲンの原料はたんぱく質。たんぱく質をしっかりとることは丈夫な骨作りに不可欠。カルシウムの体内での働きをサポートするマグネシウムも重要。

 

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魚類に多い「カルシトニン」がカルシウムの骨強化力をサポート!
血液中のカルシウム濃度が上がると、甲状腺ホルモンのひとつ「カルシトニン」が分泌され、骨がカルシウムを取り込む働きをサポート。強い骨の形成を促します。

 

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腸内にビタミンDが増えると、カルシウムの吸収率がUP!
腸内のカルシウムは、ビタミンDによって作られる「カルシウムバインディングプロテイン」に捕捉されて血管へ移動。ビタミンD不足だと「カルシウムバインディングプロテイン」も不足し、カルシウムが吸収されません。

 

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ビタミンKの力で若返りホルモン「オステオカルシン」が活性化!
骨芽細胞から分泌される「オステオカルシン」は、脳や心臓などの働きを助ける上、骨を強くする働きをもつホルモン。そのエサとなるのがビタミンKです。ビタミンKをとることでオステオカルシンが活性化されます。

カルシウムのとり方

30代女性の推奨摂取量…650mg/日 *1

 

小魚、乳製品、豆類などで、効率良くカルシウムをチャージ

30代女性の平均カルシウム摂取量は439mg ※2と推奨量に程遠い状態。カルシウムを効率良くとれる食材でフォローを。
「カルシウムが多いのは、桜エビやシラスなどの小魚や、牛乳やチーズなど乳製品、豆腐など大豆製品。小松菜などの野菜も多く含みますが、動物性の方が吸収率が良いのでおすすめです。ビタミンDやクエン酸の多い食材と一緒にとればさらに吸収率はUPします。同時に、カルシウムの吸収を阻害する食材を多くとらないようにすることも大切。特に、過剰な塩分や脂肪分、加工品、添加物は要注意です。体に良いイメ ージの強い玄米やナッツも、実はミネラルの吸収を阻害するフィチン酸が多いので、とりすぎはNG。シュウ酸を多く含むほうれん草も同様です」(渥美さん)

 

【簡単骨強化レシピ】渥美さんおすすめ! 小松菜のカッテージチーズ和え

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小松菜をゆでて食べやすい大きさに切り、カツオ節としょうゆで調味し、カッテージチーズを和える。器に盛ってナッツを散らし、レモン汁をかける。

「チーズと小松菜でカルシウム、ナッツでビタミンKを。レモンのクエン酸で吸収もUPします」(渥美さん)

 

おすすめ食材

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骨を丸ごと食べられる小魚はカルシウムの宝庫。イワシにはカルシウムを骨に吸着させるカルシトニンも豊富。大豆製品のおすすめは木綿豆腐。木綿には絹ごしの約3倍のカルシウムが含まれます。海藻では乾燥ヒジキが含有量のトップ。チーズや牛乳などの乳製品もカルシウム含有量が非常に多いので、手早く、たっぷりとカルシウムを補給したいときの救世主に。

 

ビタミンDのとり方

30代女性の推奨摂取量…5.5ug/日 *1

 

カルシウムの吸収を高めるビタミンDは魚やきのこで摂取

「ビタミンDの多い食品といえば、まず魚類。中でも、骨まで食べ尽くせる小さめの魚は、たっぷりのカルシウムも同時にとれて一石二鳥です。そのほか、きくらげやしいたけなどのきのこ類もビタミンDを多く含みます。ビタミンDは脂溶性のため、脂質を含む動物性食品から摂取する 方が吸収しやすくなります。ただし、植物性でもオイルを絡めると、吸収率はぐんとUPします。オイルは、良質なオレイン酸を含むオリーブオ イルや、生でとるなら亜麻仁油などオメガ系がおすすめです。なおビタミンDは、とりすぎると高カルシウム血漿を引き起こす危険性も。通常の食事でとりすぎることはありませんが、サプリメントを利用する場合は必ず摂取量を守るなどの注意が必要です」(渥美さん)

 

【簡単骨強化レシピ】渥美さんおすすめ! サケときのこのホイル焼き

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バターを薄く塗ったアルミ箔に、根元を切って小房に分けた好みのきのこ類、軽く塩を振って水気を取ったサケの順にのせ、塩・こしょうをして包む。魚焼きグリルでサケに火が通るまで焼く。

「ビタミンDの豊富なサケときのこを一緒にとれます」(渥美さん)

 

おすすめ食材

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紅ザケはビタミンD含有量がトップクラス。イワシやサバの缶詰は調理時間を短縮できる上、栄養も豊富で便利。きのこ類は炒めるなど、オイルと一緒にとって。きくらげは水溶性食物繊維を多く含み、腸内環境を整える働きも。腸内バランスが整えば、とった栄養の吸収がスムースに。

 

\しいたけは干すとビタミンDの量が大幅にUP!/
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「しいたけに含まれるエルゴステロールという物質は、紫外線に当たるとビタミンDに変化します。結果、ビタミンD含有量が大幅にUP。15分程度日光浴させればOK!」(藤澤先生)

 

ビタミンKのとり方

30代女性の推奨摂取量…150ug/日 *1

 

ビタミンKの強力な供給源は、納豆や青菜、海藻類!

「ビタミンKが多いのは、まず納豆。毎日1パック(40~50g)を食べていれば、1日の摂取目安量はクリアでき、ビタミンK不足とは無縁です。ほかにも、小松菜やほうれん草、ブロッコリーなど青い葉もの野菜、ワカメやノリなど海藻類、抹茶や緑茶などに多く含まれています。ビタミンKはDと同じく脂溶性のため、オイルと絡めたとり方がおすすめです。ビタミンDとは違って、とりすぎによる健康被害は報告されていませんが、普段の食事で充分に補えるため、サプリメントなどでフォローする必 要はありません。また、ビタミンKは、食事でとる以外に、腸内細菌によっても作られています。そのため腸内環境を整える食物繊維の豊富な 食材をプラスするとさらに良いでしょう」(渥美さん)

 

【簡単骨強化レシピ】渥美さんおすすめ! 水菜とシラスの納豆和え

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納豆に添付のたれと辛子を入れて混ぜ、シラス干しを加えてさらに混ぜる。2cm長さに切った水菜を絞って加え、軽く混ぜてサラダ風に。

「カルシウムの豊富なシラスと水菜に、ビタミンKの多い納豆をプラスして、バランス良く!」(渥美さん)

 

おすすめ食材

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納豆はビタミンKだけでなく、たんぱく質、ビタミンB群、ミネラル、食物繊維などマルチに栄養をとれる強力な骨トレ食品。青い葉もの野菜はビタミンの宝庫。ワカメやノリなどミネラル豊富な海藻類も1日1回は食卓に。煎茶にはカテキンやビタミンCの抗酸化効果も期待できます。

 

ほかにも…骨の材料「たんぱく質」、腸内環境を整える「食物繊維」、代謝を上げる「ミネラル」をしっかりとってこそ骨美人に!

「骨の成分のおよそ半分はコラーゲンで、その原料はたんぱく質。良質なたんぱく質をしっかりとることは、骨に限らず、強く健康な体作りの基 本です。また、どんなに良い栄養素をとっても、腸内環境が乱れていたら体に充分に吸収されません。また、消化・吸収などの代謝が衰えていても、骨まで充分な栄養素が届きません。良質なたんぱく質源でもあり、腸内環境を整える食物繊維や、代謝を高めるミネラルも豊富な豆類、ナッツ、ごまなどを常備食として取り入れましょう」(渥美さん)

大豆製品は日本人の体に最もなじむ良質なたんぱく質源。大豆に含まれるイソフラボンには、カルシウムの吸収を高める働きもあります。
ナッツはオメガ3系とオメガ6系の脂肪酸が豊富で、腸内の菌バランスを整えます。ただし食べすぎはNG。1種類だけでなく、多種類を適量(10~20粒程度)とることを心掛けて。ミネラル豊富なごまは料理のトッピングにフル活用を!

 

※1 厚生労働省 日本人の食事摂取基準表(2015) ※2 厚生労働省 平成28年 国民健康・栄養調査

 

教えてくれたのは…
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『Dr. 孝志郎のクリニック』院長 藤澤孝志郎先生
ふじさわこうしろう/宮崎大学医学部卒。日本内科学会認定内科医。総合内科、ER、心臓血管外科にて臨床経験を積み、開業。臨床医であると共に、海外の医師を含め10万人以上の医学生を指導している。

 

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管理栄養士 渥美まゆ美さん
あつみまゆみ/Smile meal 代表取締役。企業の健康経営サポート、料理教室や健康セミナー講師、商品・メニュー開発など幅広く活躍。メディア出演も多く、おいしくて栄養バランスの良い料理に定評あり。

 

『美的』2月号掲載
撮影/フカヤマノリユキ イラスト/やましたともこ 構成/つつみゆかり

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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