ブーツを脱いだとき足の臭いが気になる!ミドル脂臭と加齢臭はどう違う?【女医に訊く#179】
お座敷や他人のお宅に上がる機会が増える年末年始。自分や他人の足の臭いが気になったことはありませんか? 足の臭いやミドル脂臭対策について、皮膚科専門医の慶田朋子先生に教えていただきました。
どうして足の裏は臭いやすいの?
1日中履いたブーツを脱いだとき、気になるのが足の臭い。毎日きちんと洗っているのに、どうして足の裏は臭くなりやすいのでしょう?
「足が臭くなるのは、足裏から出る汗の量が多いため。足裏から出る汗は、はじめは無臭ですが、靴の中で蒸れることにより、細菌が繁殖して臭い物質に変換されてしまうのです」と話すのは、皮膚科専門医の慶田朋子先生。
なかでも合皮のブーツやレインブーツなど、通気性の悪い靴は、足が蒸れやすくなります。臭いを抑える工夫をしましょう。
足の臭いを抑えるには?
「歩きやすいから」「服に合わせやすいから」と、毎日同じ靴を履き続けてはいませんか? 同じ靴を履き続けると、その靴自体が臭くなるため注意が必要です。
「靴は1日履いたらしっかりと水分を乾かして、3日に一度くらいのローテーションで履きましょう」(慶田先生)
また、ストッキングやタイツは靴下に比べて汗を吸収しにくいため、臭いやすくなります。ブーツを履く日は靴下がベター。お座敷で会食するようなときは、直前に靴下やストッキングを履き替え、そのタイミングで足を拭いてブーツの中をアルコールスプレーなどで消毒するのもおすすめです。
「爪の中に垢やホコリなどが溜まっている人も意外に多いですね。入浴時は爪の間もしっかり洗うようにしましょう」(慶田先生)
加齢臭は何歳から? ミドル脂臭とは違うの?
加齢臭は枯れ草のような臭い。「ノネナール」という物質が原因で、一般的に60歳以降から発生します。
「実は、ノネナールは若い女性からも少量は出ていますが、ラクトンという物質でマスクされているんですね。それが、40歳を過ぎてきたあたりから、ちょっとずつマスクが取れていってしまうので臭うのです」(慶田先生)
一方、ミドル脂臭は満員電車で鼻を突く、お父さんの枕のような脂の臭い。原因は、汗の中に出た乳酸が雑菌に分解されて発生する「ジアセチル」という不快な臭い成分。ジアセチルの放散量が圧倒的に多いのは30~40代の男性ですが、女性からも少量放散されます。
「ジアセチルは耳の後ろや後頭部から発生しやすいといわれていますから、ミドル脂臭が気になる方は、その辺りをしっかり洗ってください。特に男性は、皮脂を分解する力が弱いベビー用の洗浄料や女性用シャンプーではなく、男性向けの洗浄料を使って洗うようにしましょう」(慶田先生)
臭いを抑える食事とは?
体臭を抑えるには、食事を見直すことも大切です。にんにくや香りの強いスパイス、動物性たんぱく質の食べ過ぎだけでなく、腸内フローラの乱れなども体臭に影響します。
「体臭対策には、鶏のレバーやうなぎ、緑黄色野菜など、ビタミンA・C・Eを多く含む抗酸化力の高い食品をバランスよく食べるのがおすすめです。さらに、海藻などの食物繊維が多い食品や発酵食品なども加えて、腸内環境を整えるといいでしょう」(慶田先生)
文/清瀧流美 撮影/黒石あみ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。