「生理が不定期で心配…」その原因はホルモンバランスの乱れやPMS!?|産婦人科医が解説
生理不順が続いて周期が定まらないと困ることも、不安になることも。生理が不定期になる原因と対策を専門家の吉形玲美先生に教えてもらいました。
Q.生理が毎月来ることもあれば、3か月来ないことも。周期が定まらず、困っています
A.まずは基礎体温をつけましょう。周期的な排卵がなければ、女性ホルモン値の検査を!
「生理の周期は、開始日から 25〜40日 の間に次の生理が来ていれば正常の範囲です。3か月も生理が来ないとなると、女性ホルモンのバランスがくずれて、 排卵のリズムが乱れている のでしょう。ただし毎月生理が来ていても、無排卵周期という排卵のない出血の場合も考えられます。
まずは 毎朝基礎体温を測って 、きちんと排卵があるかどうかをチェックしてください。生理が来てから排卵までは体温が低く、排卵後から次の生理が来るまではそれよりおよそ0.3℃以上高い日が続きます。その推移をグラフ化して キレイな2相に分かれていれば、ちゃんと排卵が起きている証拠です。 乱れていたら、婦人科で女性ホルモン値の検査を受けることをおすすめします」(産婦人科医・吉形玲美先生)
基礎体温のリズムは、ふたつの女性ホルモンの増減によって作られる。排卵に向けて増加するエストロゲンには体温を下げる働きがあり、排卵後に増えるプロゲステロンには体温を上げる働きが。高温期が極端に短いと黄体機能不全(1)、高温期がないと無排卵や無月経(2)など、基礎体温の推移で病気を発見することも可能。高温期がずっと続いたまま下がらず、次の生理が来なければ妊娠のサイン(3)。
Q.生理不順が続いていて、プレ更年期? と心配です
A.ホルモンバランスの乱れやPMSの可能性が大。まずは食事や睡眠など生活リズムの改善を!
「エイジングが進むにつれて、月経周期が短く、まばらになる傾向はあります。ただしそれがプレ更年期=卵巣機能が低下し始めているかどうかは
血液検査
でホルモンの分泌状態を調べてみないとわかりません。本来卵巣機能が安定しているはずの30代で更年期のような症状が出るのは、
ホルモンバランスの乱れによる
ことがほとんど。ただ1000人にひとりくらいの割合で、
早発卵巣不全による早期閉経
もあります。また
PMS(月経前症候群)
の発汗やイライラなどの症状を更年期障害と勘違いするケースも。
いずれにしても普段、偏った食事、睡眠不足、運動不足、過度なストレスなど、ホルモンバランスを乱すような生活をしていたら、まずは
ライフスタイルの見直しと改善
を心掛けましょう」(吉形先生)
『美的』2021年5月号掲載
イラスト/チブカマミ 構成/つつみゆかり、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
よしかたれみ/医学博士。東京女子医科大学非常勤講師。浜松町ハマサイトクリニックなどで診療のほか、予防医療研究にも従事。