【ししとう】糖質・栄養まとめ|ダイエット・美容への効果は?
細長い形と苦味が特徴の夏野菜、ししとう。辛味の少ない甘唐辛子の一種ですが、ときにするどい辛味を持つものを口にして、驚くことがある野菜でもあります。今回はダイエットや糖質制限などを行っている方へ、ししとうの糖質や栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。また、簡単に真似できるレシピもピックアップ! ぜひ真似してみてくださいね。
ししとうの「糖質」と「カロリー」
ししとう(可食部)30gのエネルギーおよび糖質
ししとう(果実/生)
エネルギー:7kcal
糖質:0.6g
※ししとう5本の可食部は約30gであるため、上記ではこの数値を基準に算出
ほかの野菜(可食部)30gとの比較
ピーマン(果実/生)
エネルギー:6kcal
糖質:0.8g
パプリカ(赤ピーマン/果実/生)
エネルギー:8kcal
糖質:1.7g
オクラ(果実/生)
エネルギー:8kcal
糖質:0.5g
品名 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
ししとう(果実/生) | 7 | 0.6 |
ピーマン(果実/生) | 6 | 0.8 |
パプリカ(赤ピーマン/果実/生) | 8 | 1.7 |
オクラ(果実/生) | 8 | 0.5 |
以上のように、ししとうはほかの野菜に比べると、30gあたりのエネルギーは同じぐらいなのに対し、糖質はあまり高くないことがわかります。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
ほとんどのししとうには辛味がありませんが、まれに辛いししとうを食べてしまうことがあります。これは生育中に水分が不足する、高温が続くなどのストレスがかかり、辛味成分であるカプサイシンが多く生成されてしまうことが原因です。カプサイシンは刺激が強い成分であるため、カプサイシンが多い食品を食べ過ぎると、のどや胃腸が荒れる可能性があります。
胃腸が弱い人は1日2〜3本にとどめ、健康な方でも1日10本程度までとするのがよいでしょう。
摂取に適した時間帯
ししとうには、ビタミンCが多く含まれています。ビタミンCは肌のコラーゲン生成に必要な栄養素ですが、コラーゲンを作り出すためには成長ホルモンの働きも欠かせません。成長ホルモンは睡眠中、盛んに分泌されてコラーゲン生成に働くことがわかっています。ししとうを夕食に食べてビタミンCを摂取しておくと、コラーゲンを効率よく生成できるでしょう。
ししとうを食べる際の組み合わせ
ししとうは、たんぱく質を豊富に含む肉類と一緒に食べることがおすすめです。ししとうのカプサイシンには、エネルギーの代謝を活発にして脂肪を燃焼させる作用があります。筋肉を作る栄養素であるたんぱく質を摂取すると、筋肉量が増えて基礎代謝が上がるため、脂肪燃焼に効果的です。そのためししとうと肉類の組み合わせは、効率よく脂肪を燃焼させるダイエット効果が期待できます。
ししとうに多く含まれる「栄養素」
βカロテン
摂取したβカロテンの一部は、体の中でビタミンAに変換されます。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を促進し、粘膜を介して体内へ侵入しようとする病原体やウイルスに対する抵抗力を高める栄養素です。ビタミンAに変換されなかった残りのβカロテンは抗酸化作用を発揮して、動脈硬化などの疾病を防ぎ、肌のシミやしわの予防に働きます。
ビタミンC
ビタミンCは肌のコラーゲン生成に不可欠であり、肌の弾力やハリに関わる栄養素です。さらにビタミンCには、ストレスに抵抗する副腎皮質ホルモンの生成を助ける働きがあります。しかしビタミンCは水に溶けやすい栄養素であるため、体に蓄積しておけません。肌を健やかに保ち、ストレスへの耐性を高めるために、ビタミンCはこまめに摂取するようにしましょう。
カプサイシン
ししとうの辛味成分であるカプサイシンには、エネルギー代謝を促進する作用があるため、脂肪燃焼に効果が期待できます。代謝が促進されて血行がよくなると冷え性が改善され、冷え性が原因である腰痛や頭痛、内臓の不調などの改善につながるでしょう。ただしカプサイシンは刺激が強い成分であるため、摂取し過ぎて体調を崩さないように気をつけてください。
「美容」への作用・メリット
ししとうのβカロテンやビタミンCは、肌のシミやしわを改善する、コラーゲンの生成を助けて肌の弾力やハリを作るといった、肌を美しく保つ効果が期待できます。エネルギー代謝を促進して効率よくダイエットを進める助けになる栄養素が、ししとうに含まれるカプサイシンです。美しくやせたいと考えている人は、適量のししとうを食生活に取り入れてみてください。
ししとうを使った簡単「レシピ」4選
【1】ししとうとトマトのさくっとソテー
【材料 2人分】
ししとう…30本
ミニトマト(2~3色)… 15個
パセリ…10枝程度
塩、こしょう…各少量
しょうゆ…小さじ1
オリーブオイル…大さじ3
カッテージチーズ…好みで
【作り方】
- ししとうは包丁の先で2~3か所刺し、空気穴をあける
- ミニトマトはへたを取り、半分に切る。パセリはみじん切りにする
- フライパンにオリーブオイルを入れ、中火にかける
- 温まったらししとうを入れ、表面が所々白くなるまで炒める
- 火を止めてミニトマトとパセリを入れ、全体に塩、こしょうを振ってしょうゆを回し入れ、さっと混ぜ合わせる
- 器に盛り、好みでカッテージチーズを散らす
【2】カニ缶パン粉焼き
【材料 2人分】
カニ缶…100g(水分をきった状態で)
ししとう…20g(2本程度)
ケチャップ…10g
ピザ用チーズ…15g
マヨネーズ…10g
パン粉…5g
バター…10g
【作り方】
- カニ缶、ケチャップ、チーズ、マヨネーズをよく混ぜ合わせる
- 耐熱容器に1と刻んだししとうを入れ、パン粉を振る
- バターを2~3個に分けてのせ、トースターで軽く焦げ目がつくまで焼く
【3】ししとうサブジ
【材料 2人分】
ししとう…40本
玉ねぎ…1/3個
にんにく…1片
クミンシード…小さじ1
チリパウダー…大さじ1
塩…小さじ1と1/2
サラダ油…100ml
ラム肉(または好みの肉)…150g
塩・こしょう…各適量
【作り方】
- ししとうはヘタの先を少し落とし、竹串で5か所ほど刺しておく(炒めるときの破裂を防ぐ)
- 玉ねぎとにんにくはみじん切りにする
- フライパンにサラダ油とクミンシードを入れて弱火にかける。油がふつふつと沸いてきたら2を入れて中火でよく炒める。チリパウダーと塩を加えて炒める
- さらに1を加え、しんなりするまで炒めたら、鍋から取り出す(冷蔵保存する場合は粗熱が取れてから)
- ラム肉に塩・こしょうをして、中火で両面をしっかり焼く。器に盛り、4を添える
【4】納豆ジャコ×ししとうのパスタ
【材料 2人分】
ロングパスタ…160g
チリメンジャコ…30g
納豆…1パック(50g)
ししとう(斜め薄切り)…12本分
青ねぎ、もしくは九条ねぎ(斜め薄切り)…2本分
ミックスナッツ(粗く砕く)…適量
すだち…1個
オリーブオイル…大さじ2
塩…小さじ2/3
しょうゆ…小さじ1/2
【作り方】
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(分量外/1.5lに対し大さじ1強)を加え、ロングパスタをゆで始める。
- フライパンにオリーブオイルを入れて火にかけ、ししとうとチリメンジャコを炒め、ししとうが色鮮やかになってきたら納豆と塩を加えて炒め合わせ、納豆の粘りがやや落ち着いたら青ねぎを加えてサッと炒める。
- 袋の表示よりやや短めにパスタを上げ、2にゆで汁(適量)と一緒に加えて炒め合わせ、仕上げにしょうゆを回し入れて、火を止める。器に1人分ずつ盛りつけてミックスナッツを散らし、半分に切ったすだちを添える。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。