【スイカ】糖質・栄養・効能|ダイエット・美容への期待は?
夏の果物と言ったらスイカ。そんな甘くて水分の多いスイカは暑い毎日に喉を潤してくれる最高の果物ではないでしょうか。だからこそ暑い日に食べすぎてしまいがち。スイカの適量や美容・ダイエットにどのように取り入れていくべきか、スイカの糖質や栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。また野菜と一緒に栄養が取れるスイカレシピもお届けします。
スイカの「エネルギー」と「糖質」
教えてくれたのは…管理栄養士 山崎佳奈さん
大学卒業後、委託給食会社へ就職。献立作成・食材発注・原価管理・調理等の厨房管理業務を担当する。その後、障害者施設での栄養ケアマネジメント業務を行う。年齢、性別、疾患、障害等の個人の特性に合った栄養管理を得意とする。また、施設での食事の楽しみを活かしたイベントの企画運営を行っている。
スイカ(可食部)240gのエネルギーおよび糖質
「スイカ」:エネルギー…98kcal、糖質……22.4g
※食品成分表から抜粋《スイカ小玉 1/8玉=400g(正味240g)/1玉=3kg(正味1800g)》
スイカによって大きさや皮の厚さが違うため、重量を測って摂取していただくと正確な栄養価を取り入れることができます。夏の時期になるとスーパーにスイカのカットフルーツがあるので手軽に食べることができます。ちなみにイオンのスイカのカットフルーツは250gでした。
夏が旬の他の果物100g(可食部)と比較
果物の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
スイカ | 41 | 9.5 |
メロン | 45 | 10.3 |
桃 | 38 | 8.4 |
バナナ | 93 | 21.1 |
オレンジ | 42 | 9.4 |
「スイカ」:エネルギー…41kcal、糖質…9.5g
「メロン」:エネルギー…45kcal、糖質…10.3g
「桃」:エネルギー…38kcal、糖質……8.4g
「バナナ」:エネルギー…93kcal、糖質……21.1g
「オレンジ」:エネルギー…42kcal、糖質……9.4g
上記のように、バナナ以外の果物はエネルギー、糖質は同じ位の値だといえます。とても甘く満足感がありますが、とてもエネルギーが低いのが分かります。ダイエットや美容に必要な栄養を理解し、自分の体調にあった食材の選択をしてください。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
スイカは、食べて分かるように水分量が重量の90%を締めており、小玉のスイカを1/8玉(240g)を摂取すると約200gの水分が摂取することができます。そのため、1日に食べる量を1/8玉程度にしましょう。また、1/8玉摂取すると98kcalのエネルギー量になります。夏は暑くてついついたくさん食べてしまいますが、食べ過ぎると身体を冷やしてしまうこともありますので、適正量を摂取してください。
摂取に適した時間帯
筆者がおすすめするのは、水分を失う時間帯の寝起きと日差しを多く浴びた後です。水分を失っている寝起きにスイカで水分補給。または、日中の日差しを多く浴びた後は暑さのストレスを解消するビタミンC、汗で失われやすいカリウムをスイカから摂取するのが良いでしょう。
スイカを食べる際の組み合わせ
スイカにはリコピンが多く含まれます。リコピンは、紫外線によるメラミン色素の発生を抑える働きがあります。日焼け止めを塗っても、夏の強い紫外線で肌にダメージを与えています。スイカと一緒にビタミンCを多く含むイチゴや、キウイ、レモンを摂取して、中から肌への栄養補給をしてシミ、シワを防ぎましょう。
スイカに多く含む「栄養」
カリウム
カリウムは細胞の浸透圧を維持する働きがあります。ナトリウムをとりすぎた際に尿中へ排泄されます。食事から塩分をとりすぎた際にカリウムをしっかり取ることでむくみを改善できます。
βカロテン
βカロテンは美肌を保つために必要な栄養素です。粘膜や皮膚を保護する働きがあり、シミやシワの予防、アンチエイジング効果があると言われています。不足すると、肌のカサつき(乾燥肌)やニキビ肌などにもつながります。美肌を保つためには日頃のスキンケアだけではなく、βカロテンの摂取も必要となっています。
シトルリン
果肉より、皮付近に多く含まれるシトルリン。シトルリンは、血管を広げ末端の毛細血管まで血流を良くしてくれます。クーラーで身体が冷えてしまう際にシトルリンを摂取するのがおすすめです。スイカには身体を冷やす働きをしますが、食べる箇所では働きが違います。スイカの皮は塩もみにしたり、サラダ、スープに活用してみてはいかがでしょうか。
「美容」への効果・メリット
βカロテンやビタミンCが多く含むスイカ。これらの栄養素には抗酸化作用があります。切ったりんごを長時間置いておくと色が茶色になる現象と同じように人間の身体も酸化し老化が進みます。老化を防ぐためにも身体の中から酸化を防ぐ食材を取り入れる必要があります。日常の中に抗酸化作用のある食材を常に意識して生活の中にある活性酸素を抑制し、美肌や健康的な身体を維持していきましょう。
<参考文献>
女子栄養大学(2022)食品成分表
三浦理代 永山久夫 からだによく効く食材&食べ合わせ手帖
飯田薫子 寺本あい 一生役立つきちんとわかる栄養学
スイカを使った簡単「レシピ」4選
【1】南フランス風・フルーツと海老の夏サラダ
【材料 2人分】
スイカ、メロンなどのフルーツ…適量
ズッキーニ…1本
グリーンリーフ…4枚
黒オリーブ(輪切り)…適量
サラダ用バナメイ海老…10尾
むき枝豆…50gぐらい
オリーブオイル…大さじ1
レモン汁……1/2個分
塩・こしょう…適量
【作り方】
- フルーツは一口大に切る、もしくは型で抜く。ズッキーニはピーラーで縦に薄くし、グリーンリーフは一口大にちぎる。
- すべての材料をお皿に盛り、最後にレモン汁、オリーブオイル、塩・コショウをかける。
Point
・グリーンリーフはちぎる前に少し氷を入れた冷水に浸すとシャキッと美味しくなります。・お好みでお好きなハーブなどを加えてみましょう。
・茹でたキヌアを入れれば炭水化物も摂れるバランスサラダに。
【2】すいかとパプリカの冷製ヨーグルトスープ
【材料 2人分】
すいか…1切れ(150g)
パプリカ…1/2個(80g)
きゅうり …1本(100g)
ミックスビーンズ …100g
アーモンド(無塩・素焼き) …20粒
[A]
ヨーグルト(プレーン)…200g
レモン汁…1/4個分
塩…ひとつまみ
黒こしょう…少量
チューブにんにく…小さじ1
水…100ml
【作り方】
- すいかは1cm角に切る。パプリカは3cm長さの細切りにし、きゅうりは1cm角に切る。
- ボウルに1とミックスビーンズ、Aを入れ、すいかの半量をつぶすようにして混ぜ合わせる。
- 器に盛り、アーモンドを刻んで散らす。
【3】スイカとブルーベリーのサングリア風ライス
【材料】
スイカ…お好みの量
ブルーベリー…お好みの量
白ワイン
きび砂像
ラム酒(なくてもOK)
ローズマリー
冷ごはん…適量
【作り方】
- ポリ袋などに白ワイン、きび砂糖、少しのラム酒(なくても可)とローズマリーを入れてよく混ぜ、乱切りにしたスイカ、ブルーベリーを入れ、冷蔵庫でしっかり冷やす。
- 器に冷やごはんを盛り、1を汁ごと加える。
【4】スイカのガスパチョ
【材料 2人分】
スイカ(果肉の部分のみ)…正味200g
トマト…1個
ズッキーニ…4cm程度
バゲット…2cm程度
生ハム…2枚
ピンクペッパー…適量
オリーブオイル…小さじ1
【作り方】
- スイカは種を除く。トマトはへたを取ってざく切りに、ズッキーニは皮をピーラーでむき、飾り用に5mm程度を残して1cm程度の輪切りにする。
- 飾り用のズッキーニはさいの目に切る。
- ブレンダーに1とバゲットをちぎりながら入れ、よく攪拌する。
- 器に注ぎ、2と手でちぎった生ハム、ピンクペッパーをのせ、オリーブオイルをかける。
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