しんどい背中の凝り【簡単ストレッチ7選】

肩や首のように自分の手でほぐすことが難しい「背中の凝り」。デスクワークやスマホなど、下向きの姿勢が原因かも…。話題のフォームローラーやボールを使えば簡単にほぐせます!さらに「ストレッチ」でしっかり伸ばしてケア!背中の凝りをすっきり解消しましょう。
背中が凝る4つの原因
【1】姿勢の悪さ
パソコンやスマホに見入っているとき、多くの人が下を向き、肩が前に出て、背中も丸まっています。下を向いた姿勢は、頭の重さで脊椎に負荷がかかり、必然的に首や肩、背中の筋肉がこわばって、骨格自体がゆがんできます。
【2】運動不足
「運動不足で肩胛骨がこり固まると肩、首、背中などあらゆる部位に影響が。」(水井さん)
【3】血流が悪い
「漢方では、首や肩の冷えやコリが慢性化しているなら、血の巡りの悪さが原因と考えます。また、肩から背中に痛みがある場合は五臓六腑の肺(呼吸器など)が弱っている可能性も。」(小林さん)
【4】三角筋のこり固まりによるぜい肉
首と肩胛骨をつなぐ僧帽筋、その深部に潜む肩胛挙筋、肩にある三角筋がこり固まると背中にぜい肉がつき、首・肩コリ、背中の張りに。実は脇の下にある大円筋、二の腕の上腕三頭筋も肩コリの隠れ原因。大胸筋、小胸筋が固まり縮こまると肩が内側に入り、猫背・巻き肩を招く。
ほぐし方【2選】
【1】フォームローラーを使ってほぐす【動画】

ヨガ講師
密山 礼巳さん
ヨガを通して、頑張る女性をサポートするためインストラクターに転身。体をほぐすことで、気になる見た目のハリだけではなく、肩こりや腰痛まで解消されたことから「究極のほぐしヨガ」を考案。多忙だった自身の社会人経験を生かして「短時間でできるほぐし」をレッスンやSNSで積極的に発信中。
\動画でCHECK/
【背中全体】下部~肩甲骨をほぐす
【Step.1】膝を立てて座り、ローラーの上に乗る
膝を立てて座り、身体の後ろにローラーを置きます。手でローラーを押さえながら、ゆっくりと腰の上をローラーに乗せます。
【Step.2】背中の下部をほぐす
足の裏でマットを掴んで、体を前後に揺らしていきます。ももの間に目線を向けて、背中を丸めて面積を広げましょう
【Step.3】肩甲骨あたりをほぐす
目線を天井を向け、肩甲骨のあたりをほぐしていきましょう。髪が長い方はローラーに巻き込まないように手で持つなどしてください。
【肩甲骨まわり】可動域UPを狙うストレッチ
【Step.1】身体を傾けてローラーに乗る
身体を少し横に傾けます。片側の肩甲骨のみがローラーに乗った状態を作ります。
【Step.2】片側の肩甲骨をほぐす
前後に揺らし、片側の肩甲骨をほぐしていきます。
Point
左右差などの状態をチェックしながら行いましょう。【Step.3】反対側の肩甲骨をほぐす
身体を逆側に傾け、反対側の肩甲骨も同様にほぐしていきます。背中の血流促進にもつながります。
【わきの下】小円筋ほぐしで、巻き肩解消を狙う
「小円筋(しょうえんきん)はわきの下の筋肉。PCやスマホを使っていると縮みやすいのでしっかりとほぐしていきましょう。」(密山さん)
【Step.1】わきの下にローラーを置く
腕を斜めに伸ばして、その腕と垂直になるように脇の下にローラーを置きます。
【Step.2】ななめに動く
わきの裏のコリに当たるように斜めに動いていきます。身体を横に倒したり、手をついてもOK。
【Step.3】反対側も同様にほぐす
手のひらを上向きに、反対側も同様に行っていきます。足の力も使いながら、しっかりとわきの下をローラーに乗せましょう。
【寝るだけ】胸をひらくリラックスポーズ
【Step.1】仰向けになる
肩甲骨の下にローラーが来るようにゆっくりと仰向けになります。
【Step.2】頭を床におろす
ひざを立てながら、頭を床におろします。肩甲骨の下にローラーを置くことで、胸が重力に従って開いていきます。体勢がつらい場合はまくらなどを使ってOK。
【Step.3】深呼吸しながらキープする
腰に痛みがない方は足を伸ばしていきましょう。頭の上で腕を組んで伸びると効果UP。
【2】ボールを使ってほぐす

姿勢改善トレーナー
村田 友美子さん
1977年生まれ。yumicorebody主宰。専業主婦として3児の子を育てる傍らコアトレーニングに出合い、開眼。独自のボディメソッドで多くの女性をしなやかBODYに導く。
背中側の肋骨の下にボールを当てる
ボールでほぐす際は必ず、最初に立った状態でボールを当てる位置を確認して。腹斜筋をほぐすときは、左の背中側の肋骨のすぐ下から。ケガの危険性があるので、肋骨の「上」ではなく、その「間」の筋肉に当てることを心掛けて。
\ひざは胸にしっかり寄せて!(左右各5呼吸)/
片ひざを抱え、反対側に体を預けながらボールを滑らせる
あお向けになり、さっき確認した位置(左の背中側の肋骨のすぐ下)と床の間にボールを入れる。両手で右ひざを引き寄せ、ボールを軸にして体を左に預ける。そのままボールをつぶすように体を沈み込ませ、ボールを押しながら滑らせる。これをゆっくりと5呼吸行ったら、ボールを当てる位置と手足を左右逆にして、同様の動きを行って。
ストレッチ【5選】
【1】背中を丸めて伸ばす!ヨガ式ストレッチ【動画】

ヨガクリエイター
ayaさん
ヨガスタジオ『syaraaya』主宰。ヨガをする楽しさを伝えながら、一人ひとりの個性を見抜き、パフォーマンス能力を確実に上げていく的確な指導は、ビギナーだけでなくプロアスリート、女優やモデルからの信頼も厚い。
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【Step.1】四つん這いの体勢で足と膝をつける。(肩の下に手首、お尻の下に膝の状態)
【Step.2】背中に大きなラウンドを描くように、息を吐きながら頭を体の内側に入れ、背中を上に曲げる。
【Step.3】次に息を吸いながら頭を戻し、背中を下げる。
【Step.4】息を吸いながら頭と尾骨を引っ張るように胸を軽く開く。
【Step.5】左右にゆっくりゆらし、緩めていく。
【Step.6】動きを止め、全身の力を抜きチャイルドポーズ。
【2】背面を効果的に伸ばす「ダウンドッグ」【動画】
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「ダウンドッグは身体の背面、背中から足裏まで効率的にストレッチすることができるので、同じ姿勢で寝ていた身体をほぐす、朝にピッタリのポーズ。」(密山さん)
【Step.1】四つん這いになる。
身体を横に向けて四つん這いになります。手は肩幅で、肩の真下に手首・足の付け根の真下にひざを置くようにしましょう。
【Step.2】ひざとおしりを、ナナメ上に持ち上げる。
両足のつま先を立てたら、ひざとおしりをナナメ上にぐっと持ち上げます。5~10呼吸程度キープします。片足ずつ足踏みをするのもオススメ。両手は脇からしっかり前に床を押して、お腹を引き込みながら、お尻を高く持ち上げましょう。
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【3】立ったまま!隙間時間にサクッとできるストレッチ

竹谷内医院院長
竹谷内康修先生
整形外科医・カイロプラクター。首や肩に悩む人が全国から通う、頸椎症のプロフェッショナル。著書『頸椎症の名医が教える竹谷内式首トレ』(徳間書店)も大好評。
\顔を上げて20秒キープ!/
腕を引き下げて胸を伸ばす(20秒×3SET)
足は肩幅に開く。最初に両腕を背中側にもっていくよう意識しながら、お尻の後ろで手を組む。次に顔を上に向けると同時に、腕をお尻から離して、腕全体を斜め下方向に引き下げて、胸を張るように20秒キープする。
【4】座ったまま!デスクワークの合間にできるストレッチ
座り胸伸ばし(20秒×3SET)
イスは深めに座り、背もたれに寄りかかる。顔を上に向け、手のひらを上にして翼を広げるように両腕を後ろに引く。左右の胸の伸びを意識して、胸を反らして20秒キープ。顔を上に向けると痛い場合は顔を正面向きで行う。
【5】腕を回すだけ!背中がほぐれるリセットストレッチ

エイジングデザイナー
村木宏衣さん
エステ・整体院・美容医療クリニックでの勤務を経て確立した、「村木式整筋」メソッドが大人気。最新著書は『10秒で疲れがとれる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)
腕を回すだけなのに、背中がみるみるほぐれる
「うかつにも猫背で過ごしてしまった!というときは、こり固まった肩胛骨周りの筋肉を回してほぐすストレッチを。腕を回すだけで背中がみるみる緩んで、上半身の重みが解消され、顔色も明るくなります」(村木さん)
【Step.1】手を組み頭の上へもっていき、両腕で丸を作る
足を肩幅に開いてから、イスに浅く座る。背筋を伸ばして顔を正面に向け、頭の上で手のひらが下になるように手を組む。四角ではなく、丸になるよう、腕を外側へ広げる。
【Step.2】腕を肩胛骨から動かすように、頭の上で回転させる
8秒×3SETずつ
顔はStep.1の正面のまま、頭の上で円を描くように回転させる。肩胛骨から腕を動かすように意識し、力まないようにしながら8秒かけて1回転させて3回行う。逆回りの際も同様に行う。
【Step.3】手のひらをひっくり返して上にし、頭の上で回転させる
左右8秒×3SET
手のひらを上にして、Step.1同様に丸を作ってから、Step.2同様に肩胛骨から腕を動かして回す。8秒かけてゆっくりと回転させ3回行ったら、逆回りも同様に行う。自然な呼吸を意識して行うのが◎。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
医学博士。日本内科学会・総合内科専門医、日本神経学会・神経内科専門医、日本頭痛学会・頭痛専門医、日本脳卒中学会・脳卒中専門医。1996年北九州大学法学部法律学科卒業、2003年東邦大学医学部医学科卒業。東邦大学医療センター大森病院などで臨床経験を経て2013年に開業。「自律神経失調症外来」「肩こり・首こり外来」など複数の特殊外来を立ち上げ、多くの患者のニーズに応えている。