時間は?歩数は?プロが教える「痩せる歩き方6つ」
毎日一歩も歩かない、なんてことはほぼないですよね?誰もが気軽にできるウォーキング。特別な運動をしなくても、通勤・通学時の歩き方を見直して、まずは歩数を増やすことを目標に、痩せやすい身体をつくる「痩せる歩き方」をご紹介します。
知っておくと便利な「9つの基礎知識」
【1】歩く時間は1~2時間
ウォーキングはジョギングよりも運動量が少ないので、まず体が温まるのに30分くらいはかかるでしょう。1~2時間は歩くのが理想的です。
【2】大事なのは合計時間
内科医
奥田昌子先生
医学博士。京都大学大学院医学研究科修了。健診並びに人間ドック実施機関で20万人以上の診察に当たるほか、大手化学メーカー産業医を兼務。著書も多数。近著『内臓脂肪を最速で落とす 日本人最大の体質的弱点とその克服法』(幻冬舎)が話題。
「有酸素運動は、20分以上続けても、コマ切れで行っても脂肪の消費はそれ程変わりません。重要なのは、合計時間です。1回5分の運動を1日5~6回に分けて行っても、脂肪は燃やせます。息が弾む程度の運動を1日合計30分、それを週5日以上行うのがおすすめです」(奥田先生)
【3】理想の歩数
イシハラクリニック副院長 内科医
石原新菜先生
帝京大学医学部卒。同大学病院で研修医を経て、現クリニック副院長に着任。漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療に当たっている。そのほか、わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、TVやラジオ、雑誌、執筆活動と、幅広く活躍。
1日1万歩を目標に
「代謝が良くなれば、血流も促され、生理痛などのトラブルも緩和されるといった良いスパイラルに。その波に乗るには、やはり適度に体を動かすことが必要です。今日からでも気軽に始められるのは、ウォーキング。背筋を伸ばして歩幅は広め、やや早足でサクサク歩いていると、全身の血流が良くなって、体がぽかぽかしてきます。わざわざ歩く時間を設けるのが難しければ、電車のひと駅手前で降りて歩くなどの工夫を。1日1万歩を目標に!」(石原先生)
【4】3,000歩増やすだけで、痩せやすくなる
「有酸素運動は、行えば行う程、内臓脂肪が減少します。今までより1日3000歩、時間にして約30分多く歩くように意識してみましょう。あえてウォーキングタイムを設けなくても、遠回りして帰る、エスカレーターではなく階段を使うなどの工夫で無理なく実践できるはず」(奥田先生)
【5】消費カロリー
ウォーキング1時間はジョギング30分と同じく約300kcalを消費します。
【6】筋トレをしてからウォーキングすると効果的
有酸素運動には、瞬間的な脂肪燃焼効果が期待できますが、長い目で見て“太りにくい”体をつくっていくには、有酸素と無酸素の両方の運動を取り入れることがおすすめです。
「筋トレによって筋肉量が増えて基礎代謝が上がれば、有酸素運動の効果も上がります。例えば階段を登る、掃除機をかけるといった同じ動作をするのでも、基礎代謝が上がっていることで消費カロリーが違ってくるのです」(KANAKOさん)
【7】立っていたところは歩く、歩くときは少し速度を速める
パーソナル管理栄養士
一般社団法人日本パーソナル管理栄養士協会 代表理事
食の相談窓口 San-CuBic 代表
HER-SELF女性の健康プロジェクト 理事
三城 円先生
大学卒業後、病院勤務に従事。その後、筑波大学大学院修士課程体育研究科修了。自身のダイエット・摂食障害の経験から、食べる恐怖や罪悪感を持ち、苦しんでいる人のサポートをするため、2011年にパーソナル管理栄養士として独立。食べるダイエットを基本とし、ダイエットや摂食障害、アスリートなど、一人ひとりの目的に沿った食事コンサルティングを行っている。「健康なときこそ、食の相談は管理栄養士にするのが当たり前な社会づくり」を目指し、さまざまな活動にも取り組んでいる。
「運動が苦手な人や時間が取れないという人は、日常生活の活動強度をいつもより少し上げる、という方法がおすすめです。日常の活動強度を上げるだけでも、肥満の予防になるというデータもありますから、ダイエットにも効果があると言えます。
では、実際にどのようにすれば“活動強度を少し上げる”ことになるかというと。普段座っていたところは立つ、立っていたところは歩くようにする、歩くときは少し速度を速めるなど、少しだけエネルギーの消費量が多い活動に変えます」(三城先生)
【8】運動すると脂肪の分解が活性化される
立命館大学 スポーツ健康学部 教授
藤田 聡 先生
2002年南カリフォルニア大学大学院博士課程修了
博士(運動生理学)
専門は運動生理学、特に運動や栄養摂取による筋肉の代謝応答
「運動するときに分泌される“マイオカイン”というホルモンがあります。マイオカインには、脳の活性化や脂肪の分解、皮膚代謝の活性化を促す働きがあります。」(藤田先生)
【9】15分~30分くらいのウォーキングで充分
整形外科専門医
伊藤 薫子先生
女性のための整形外科 かおるこHappyクリニック院長。日本整形外科学会専門医。日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医。2002年、東京女子医科大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科学教室へ入局。国立埼玉病院、永寿総合病院、国立栃木医療センター、大久保病院を経て、2011年から2年間、米・Cleveland Clinicに留学。帰国後、慶應義塾大学整形外科教育担当専任を経て、2021年7月、帝国ホテル東京内に女性のための整形外科かおるこHappyクリニックを開業。現在は、同クリニック院長として女性の骨や関節に関する悩みに向き合いながら、慶應義塾大学病院で非常勤講師として骨粗しょう症外来も担当している。
「運動といっても1週間に2~3回、15分~30分くらいのウォーキングで充分です。手を振ってみぞおちとおへそを伸ばし、おなかとお尻にキュッと力を入れて歩きましょう」(伊藤先生)
痩せる歩き方「6つのコツ」
【1】基本の歩き方
埼玉県済生会 川口総合病院皮膚科 主任部長
高山かおる先生
専門は接触性皮膚炎、フットケア。2007年に日本の大学病院では珍しい皮膚科のフットケア外来を開局。著書に『「ガサガサかかと」が危ない!』(家の光協会)がある。
【立ち方】体を前後に揺らして重心をつかむ
足をそろえて、足指を地面につけて立つ。体を前後に揺らしながら爪先とかかとに交互に体重をかける。少しずつ揺れを小さくし、安定した所が重心になる。
【歩き方】
- 頭頂部から引っ張り上げられているイメージ
- 背骨のアーチを意識して無理に背筋を伸ばさない
- 腰を反らせない
- 顔はまっすぐ起こし、あごは引きすぎない
- 軽く胸を張る
- ヘソから脚を出すつもりで
- 蹴り出すときにひざを伸ばす
【2】大股で速く
「歩くときは大股で速く」(Naokoさん)
【3】EICO式“効果的にやせる”歩き方
ダイエットコーチ
EICOさん
2005年度準ミス日本。日本初のダイエットコーチとして、700人以上のダイエットを指導してきたスペシャリスト。自身も21歳のときに4カ月で11kg減、1年でトータル20kgの減量を達成し、準ミス日本を受賞。「女性美を追究した、健康的で無理のないダイエット」をモットーとし、徹底的なカウンセリングを行った上で、ライフスタイル、運動経験、体質などを分析し、最短で最適なダイエット方法をコーチングしている。
ダイエットに欠かせないのが、ウォーキングやジョギング、ダンスなど、脂肪燃焼を促す有酸素運動です。なかでもお金をかけず、どこでも簡単にできるウォーキングは続けやすいので、ぜひ、毎日の生活に取り入れて。
正しいフォームで行えば、消費カロリーがアップし、筋トレに匹敵するほどのボディメイク効果もあるというEICO式ウォーキング。さっそく練習してみましょう。
肩甲骨を寄せるようなイメージでわきを締め、肩の力を抜いて、下腹部に力を入れます。目線はまっすぐ前に。これが基本姿勢です。
腰から前に出すようなイメージで脚を前に出し、大股で歩きます。ポイントは、両脚が二等辺三角形を描くよう心がけること。後ろ脚のひざをしっかり伸ばすことも大事です。着地はかかとからしっかりと行い、進むときはつま先で後ろをけり出すようにしましょう。
\歩くときのスピードは、話すと少し息が上がるくらいがベスト/
EICOさんによると、脂肪燃焼量は基本的に、手足が心臓からどれだけ遠いかで決まるそう。
「手足が遠くなるほど、つまり大股で歩くほど、手足に血液を循環させようと心臓が大きく動いて、心拍数が上がるため、脂肪燃焼量がアップするんです」(EICOさん)
【4】大股で歩けない人の矯正フラミンゴウォーク
一歩一歩、大股で歩くということは、片足立ちでいる時間が長いということ。つまり、正しく片足立ちができていないと、大股で歩けないということでもあります。その片足立ちを矯正するのが、フラミンゴウォークです。
両手を肩の上にあて、右脚をできるだけ大きく前へ踏み出し、かかとから着地。このとき、左脚の裏ももはしっかり伸ばします。
右脚を前に移動させながら、左脚のくるぶしを右脚のふくらはぎに軽くつけ、片足立ちの状態でストップして20秒キープ。今度は、逆を同様に行います。くり返しながら、約2m(5歩くらい)前へ進みましょう。これを3往復します。
「ふくらはぎの外側が張っている人、太ももの外側が張っている人、靴のかかとの外側が減る人には、ぜひトライしてほしいですね。フラミンゴウォークを練習して、ひざをすり合わせるようにしてまっすぐ歩けるようになると、がに股や内股が改善され、美脚に!ウォーキングしているときの脂肪燃焼効果もアップしますよ」(EICOさん)
【5】肩胛骨を動かして姿勢良く歩く
ウォーキングインストラクター
まゆみさん
ショーモデル。トッフ゜モデルとして のキャリアで培った、洗練されたウォーキングテクニックに定評がある。ミス・インターナショナル世界大会 のステージ演出もサポート。学生時代は筋肉質のがっちり体型。女性らしいしなやかなボディになりたくて、ますずは普段の姿勢や歩き方から変えていきました。
立ったり、歩いたりを繰り返す通勤は、それだけで全身の筋肉 運動。肩胛骨、おなか、股関節、腕など各パーツの筋肉を意識して、少し負荷をかけながら動くと、運動効率が上がります。 駅で階段を使う、電車で座らないなどの積み重ねも大事!
\おなかに力を入れて/
\肩胛骨を意識/
【6】脚痩せ効果で美脚になれる歩き方
スポーツトレーナー
山口絵里加さん
体温上昇と代謝アップを促す独自の「美コア」トレーニングの考案者。自身が主宰する東京・麻布十番のクリニックジム『美コア東京スタジオ』も大人気。著書『1日3分!スクワットだけで美しくやせる』(青春文庫)も好評発売中。
立つときは、脚を閉じると左のような3つのすき間ができることが美脚の条件。また、かかと重心で肋骨を後ろに押し込むイメージで立ち、かかとから頭頂部が一直線になるのが理想。歩くときは姿勢を正して、ひざをなるべく曲げないように!
\立ったとき3つのすき間があくのが理想/
Point
1 内もも2 ひざの斜め下
3 足首
\4点が一直線になるように/
Point
1 頭頂部2 肩の両端
3 大転子
4 かかと
\歩くときはなるべくひざを曲げない/
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2017年9月にオープンした秋葉原の女性専用マインドフルネスワークアウトスタジオ『BurnesStyle(バーネススタイル)』インストラクター。『BurnesStyle』では、クラブのような照明や、体で感じる音響システムを施したホットスタジオで、キックボクササイズやエアドラムなどのプログラムを提供。有酸素運動、筋トレ、マインドフルネスをかけ合わせたオリジナルメソッドを採用し、1レッスン30分で450kcal~850kcal消費できると話題を呼んでいる。