健康・ヘルスケア
2021.3.23

老化防止に下半身の筋トレが効くってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、「運動と老化の関係」について。老化防止に下半身の筋トレが効くって…ウソ? ホント? 立命館大学 スポーツ健康科学部 藤田聡教授にお答えいただきます。

Q:老化防止に下半身の筋トレが効くってホント?

適度な運動がもたらす美容効果は多くあるといわれています。そのなかのひとつが、下半身の筋トレが老化防止に効くというウワサ。老化というと、肌のたるみやシワをいちばんに考えてしまうので、下半身の筋トレなんて関係なさそうだけど?と思ってしまいますが……。さっそく、この疑問を藤田教授にぶつけてみました! 果たして答えは…?

A:ホント

「年齢と共に筋肉は小さくなります。そして、もっとも落ちやすくなるのが下半身。下半身の筋肉が衰えると、歩くことが困難になり、それをかばうために姿勢も悪くなります。すると、腰、背中、肩に負担がかかります。筋肉が凝り固まって正しく機能しないと、繋がっている顔の筋肉も引っ張られてしまいますから、たるみの要因にも。

また、運動するときに分泌される“マイオカイン”というホルモンがあります。マイオカインには、脳の活性化や脂肪の分解、皮膚代謝の活性化を促す働きがあります。そして、このマイオカインは、使っている筋肉の大きさに依存して分泌されるという特徴が。太ももは体の中でもっとも大きな筋肉です。それを鍛えられる下半身のトレーニングは、マイオカインの分泌が多くなりますから、老化防止という点からも理にかなっているといえるでしょう」(藤田教授以下「」内同)

Point

肌のアンチエイジングには、有酸素運動よりも筋トレのほうが効果的

筋トレと運動は違うの?

「筋トレは運動の1種です。一般的に運動と聞くと、ジョギングやウォーキングをイメージされる人が多いかもしれません。これらは有酸素運動と呼ばれる部類のもの。なので、我々は有酸素運動か、筋トレか、という分け方をします」

老ける、老けないの差とは?

「有酸素運動でも筋トレでも、老化の原因となる活性酸素は生成されます。しかし、活性酸素が体に害をもたらすのは、長時間にわたって過剰に分泌されたとき。つまり、過剰に分泌される条件は、長時間ハードに運動したときです。筋トレの場合、長時間やるというのは難しいもの。なので、ハードな有酸素運動よりも筋トレのほうが老けにくいと言えるかもしれません」

運動が苦手な人はどうしたらいい?

「基本的に運動であれば、どんな運動でもマイオカインは分泌されることがわかっています。なので、ウォーキングやジョギングでもOK。よく運動が苦手、すぐ脇腹が痛くなってしまうという声も耳にしますが、それは、運動するタイミングが関係している場合も。僕が食事のあとに運動をするのをおすすめしない理由は、消化しようとしているときに運動を始めると、脚にどんどん血液がいってしまい、消化器官に血液が回らず、消化しにくくなってしまうからです。

運動するときは、できるだけ食前に、無理をせずに徐々に始めることがポイントです。最初はウォーキングからスタートして、慣れてきたらここからここまでと距離を決めて走る、また残りはウォーキングするなど、段階的に増やしていけば、体の拒絶もなくなるはず。

また、我々の研究では、有酸素運動よりも筋トレのほうが肌のアンチエイジングには効果的ということがわかりました。ぜひ筋トレも試してみてください」

Point

・運動するときは、できるだけ食前に、無理をせず徐々に始めること

 

立命館大学 スポーツ健康学部 教授

藤田 聡 先生

文/木土さや

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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