健康・ヘルスケア
2020.2.5

「腸活」はキレイの常識。でも、間違った方法で損していない? 女医に訊く“やってはいけない”美腸活術

1肌や体、心のコンディションは、腸の健康との相関関係が非常に深いとされています。だからこそ、悪しき食事や生活習慣を見直して、腸内環境を整える「腸活」はキレイの基本。すでに実践している人も多いのでは? でも、「腸に良さそうというイメージだけで、実は間違ったやり方をしている人も少なくなりません」と警鐘を鳴らすのは、便秘改善&腸活指導のエキスパート、小林メディカルクリニック東京の小林暁子先生。小林先生に“やってはいけない”要注意な腸活行動をうかがいました。

1. お気に入りのヨーグルトを毎日食べると、かえって肌あれに!?

「“腸活=ヨーグルト”のイメージを持っている方が結構いますが、ヨーグルトとひと口に言っても、含まれる菌は製品によってさまざま。ある人の腸にとって良い働きをする菌が、別の人にも必ずしも有効とは限りません。毎日ヨーグルトを食べていたら、逆に腸の調子が悪くなった、乳製品のアレルゲンを持っていて肌あれがひどくなった…という例もあります。自分の腸にヨーグルトが合うかどうかを確かめるためにも、まずは週2〜3回から始めてみましょう。それで調子が良ければ毎日とってもOKですが、その場合も、周期的に製品(メーカーやブランド)を変えてみることをおすすめします。自分に合う菌を見つけることもできますし、腸内の善玉菌のバリエーションが増える可能性も。

また、美肌のためには、乳酸菌やビフィズス菌などをとるとき、ビタミンCやB群など肌にいいビタミンを一緒にとると(ビタ腸活)、より効果的です。善玉菌とビタミンがお互いのパワーを補い合って腸内環境が整い、栄養素の吸収や活用もスムーズに。体の内側からの美肌作りをサポートしてくれます」(小林先生)

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⇒色々な種類のヨーグルトをとることで、腸内細菌のバリエーションがUP!

⇒乳酸菌とビタミンを一緒にとる「ビタ腸活」でもっと美肌に!

2. 酵素ドリンクやスムージーなど、ヘルシーなイメージの市販ドリンクは材料や添加物に要注意!

「酵素ドリンクやスムージー、青汁などは、美肌や健康、ダイエットに良さげなイメージ。ただし市販の加工品の場合は、添加物が多く含まれていたり、糖質過多だったりして、腸に悪影響を及ぼす可能性があるので要注意です。もちろん、材料を買ってきて自分で作るスムージーなどは問題ありません。加工品を買う場合は、材料表示をチェックして、保存料や防腐剤の数や種類が少ないシンプルなものを選ぶ習慣をつけましょう」(小林先生)

⇒原材料表示をチェックする習慣で、食品添加物や糖のとりすぎの抑制を!

3. 極端な糖質制限、オイルカットは肌を老けさせる

「糖質の過剰摂取は、糖化(細胞のコゲつき)を招くので、腸の専門家としておすすめできません。ただし、糖質=炭水化物と単純なことではなく、炭水化物には食物繊維が含まれるため、極端にカットするとかえって腸内環境を悪化させる要因に。玄米や大麦のように食物繊維が豊富な良い炭水化物、糖質を含むけれど食物繊維が豊富な根菜類や芋類などは、積極的にとるのが良いでしょう。

同様に、極端な油抜きもNG。オイルは腸の潤滑油であり、女性ホルモンの材料にもなります。油をとらない食生活を続けていると、肌のバリア機能が低下して、カサカサに。加工された脂肪酸など体に良くない油は避けるのが賢明ですが、オリーブオイルやアマニ油など質の良い油は、むしろ習慣的にとるようにしましょう。

また、最近話題の“グルテンフリー”についても、小麦粉にアレルギーを持っている人以外は、無理に選ぶ必要はないと思います。病院で検査したり、2週間ほど小麦製品を絶ってみて、体調が良くなるようならアレルギーを持っている可能性があるので、その場合は、グルテンフリー 生活を続けてみてもいいかもしれません」(小林先生)

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⇒食物繊維の豊富な炭水化物や良質なオイルは適度に摂取して、枯れ肌を予防

4. 激しい筋トレやランニングは、腸活とは無関係

「運動不足は便秘の原因になり、腸内環境を悪化させます。スムーズな排便のためには、腸の周りの筋肉を動かして、ぜん動運動を促すことが大切です。具体的には、ウォーキングやストレッチなど軽めの運動、ヨガやピラティスなど腸周りを伸ばしたりねじったりする動きがおすすめ。ウォーキングは夕食の30分後に行うと、血流が良くなって、夜の眠りの質も上がります。

反対に、呼吸が乱れるほどのランニングや激しい筋トレは、筋力アップはできても、特に腸の動きを良くすることはありません」(小林先生)

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⇒ウォーキングやストレッチなど軽めの運動習慣で便秘改善

5. 腸内洗浄をすると、腸内の良い細菌まで流してしまうリスクも!

「腸の中に温水を入れて便を洗い流す“腸内洗浄”は、悪玉菌優勢の腸内をすっきりとリセットし、便秘の解消や病気を予防できると言われています。ただし、普通の生活ではあり得ない人工的な刺激を体に与えるので、リスクを伴うことも想定しておかなければなりません。施術をしないと便が出ないといった悪いサイクルを作ってしまうことも。しかも、腸にとって良い菌まで流してしまう可能性があるので、基本的にやる必要はありませんし、行う場合もきちんとした医師の指導のもとに行いましょう。軽度の便秘症なら、食物繊維や水分をしっかりとるだけでも改善します」(小林先生)

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⇒強硬手段の腸内洗浄ではなく、日々の食物繊維摂取やこまめな水分補給が先決!

 

「腸内環境の善し悪しは、排便の様子を見るのがひとつの手。3日以上出ない、あるいは毎日出ていてもすっきりしないような便秘症の方は、正しい腸活ができていないのかもしれません」(小林先生)。ここで紹介したような間違ったやり方を改めて、正しく実践していけば、腸が元気になって、肌、体、心のキレイを底上げできるはず!

 

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内科医
小林暁子先生
小林メディカルクリニック東京 院長。医学博士。順天堂大学総合診療科を経て2005年にクリニックを開業。内科、皮膚科のほか、便秘外来や女性専門外来を併設し、治療に当たる。■小林メディカルクリニック東京

イラスト/えのきのこ 構成/つつみゆかり

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