健康・ヘルスケア
2020.2.5

油抜き・肉抜きダイエットはシワやたるみの原因になる!?【女医に訊く#94】

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体を冷えから守るために脂肪が溜まりやすい体になっているにもかかわらず、食欲は増える一方の冬。来るバレンタイデーに向けて、ダイエットを考えている人も多いのではないでしょうか? ダイエットの大敵とされる油やお肉ですが、実は肌のハリやツヤの維持に重要な役割を果たしています。皮膚科専門医の慶田朋子先生に教えていただきました。

ダイエットをするときは油の摂取量と種類に注意しましょう

体重やボディラインの変化が気になったとき、とりあえず揚げ物などの油っぽい食事やお肉をを控える人も多いのではないでしょうか? そもそも油=脂質も、お肉=たんぱく質も、炭水化物と並ぶ三大栄養素のひとつ。なかでも脂質は1g当たりのエネルギー量が9kcalと、たんぱく質や炭水化物のエネルギー量(4kcal/g)に比べて栄養効率が高いのが特徴です。

「油が含まれているのは揚げ物やインスタントラーメンだけではありません。クッキーなどのお菓子やマーガリンにも、ショートニング(植物油を原料としたクリーム状の製菓・調理用油脂)やラード(豚の脂肪組織から精製した食用油脂)が使われているため注意が必要です」と語るのは、皮膚科専門医の慶田朋子先生。

ショートニングなどに含まれているトランス脂肪酸は、動脈硬化の原因にもなります。ダイエットをするなら油の過剰摂取を避けるだけでなく、体にいい油を選んで摂取するように心がけましょう。

体内で合成できない重要な栄養素「必須脂肪酸」とは?

ダイエットにおいては敬遠されがちな油ですが、油には油からしかつくれない重要な栄養素が含まれています。油=脂質を構成する脂肪酸には、体内で合成できるものと、体内で合成できないものの体にとって重要な役割をもつものがあり、後者は「必須脂肪酸」と呼ばれています。

必須脂肪酸にはω-6 系脂肪酸の「リノール酸」と、ω-3系脂肪酸の「αリノレン酸」があります。一般的に調理などに使用するベニバナ油・コーン油・大豆油には「リノール酸」が、えごま油・菜種油・亜麻仁油には「αリノレン酸」が豊富に含まれています。

「必須脂肪酸は体を動かすために必要な栄養素。細胞膜も脂質が材料ですし、神経線維をつくるときにも脂質は必要です。ダイエット中も油は抜かないようにしましょう」(慶田先生)

美しく痩せるにはオリーブ油・えごま油・亜麻仁油がおすすめ

また、皮膚において脂肪酸はセラミドの材料にもなります。セラミドとは角層の細胞と細胞の間にある脂質のこと。肌の潤いを保ったり、外部からの刺激や細菌の進入を防いだりする働きがあります。

「スキンケアでもセラミドを一時的に補うことはできますが、それだけでは足りません。そのため、食事から油を完全に抜いて脂肪酸が欠乏すると、肌のバリア機能が低下し、ガサガサになったり乾燥してシワができたりしてしまうのです」(慶田先生)

美しく痩せるには、ダイエット中も油は抜かずに良質な油を摂ることが大切です。加熱調理用には酸化に強いオリーブ油がおすすめ。和えたり、つけたり、加熱調理後の食べる直前に加えるなら、αリノレン酸を多く含むえごま油や亜麻仁油がおすすめです。

お肉抜きダイエットで肌のツヤやハリが低下する!?

肌のハリやツヤ、弾力を維持するコラーゲンはたんぱく質から構成されています。ダイエットのために肉類の摂取を避けて体内のたんぱく質が不足してしまうと、コラーゲンそのものが減少してしまうのです。さらに、たんぱく質が不足することでエラスチンの再生も活発に行われにくくなり、シワやたるみの原因につながることも…。

「食事制限をするなら、油っぽいものの代わりに肉類(たんぱく質)や野菜を食べるなど、栄養をきちんと保ちながら、油の摂取をやや減らすのが理想。痩せようとしてたんぱく質の摂取を控えると、肌のツヤやハリが低下するだけでなく、筋肉が小さくなって脂肪を燃焼しにくい、痩せにくい体質になってしまうので気をつけましょう」(慶田先生)

keida
皮膚科専門医
慶田朋子先生
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。■銀座ケイスキンクリニック

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

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