フェイスラインの「たるみ」を解消!皮膚科医と美容プロが教える予防&対策法
老け見え印象にもつながってしまうフェイスラインのたるみ。たるんでしまう原因からチェック!たるみを防ぐための予防策から、マッサージ、スキンケア、美容医療などの改善、対策法をご紹介します。たるみケアして若見え印象をGETしましょう。
フェイスラインがたるむ「原因」
「年齢肌のたるみの原因は、大きく分けて、1皮膚(真皮・表皮)、2皮下組織(脂肪)、3スマス層(SMAS筋腱膜)の老化です。そのうちのどこがその方のたるみのいちばんの原因になっているかによって、まずどこにアプローチすべきかは違います」(慶田先生)
【1】皮膚(表皮・真皮)の老化
年齢と共に真皮のコラーゲン線維やエラスチンが劣化して切れたり細くなったりすると、肌の弾力を支えられなくなります。水分を抱え込んで真皮のボリュームを保つヒアルロン酸も減少するため、皮膚が薄くなり、ハリが低下。水分不足で乾燥しやすく、シワ・たるみの原因に。
【2】皮下組織(脂肪)・顔面靱帯のたるみ
脂肪と脂肪の間にあるコラーゲンでできた線維組織(一部は顔面靱帯)が、年齢と共に伸びて弾力を失い、脂肪を支えることができなくなった結果、支えをなくした脂肪が重力の方向にたれ下がって、シワやたるみが発生。
【3】スマス層(SMAS筋腱膜)の老化
加齢と共に、表情筋の上に膜状に広がるSMAS筋腱膜が伸びて土台が崩れ、真皮とスマス層をつないで構造を支えている顔面靭帯の衰えと相まって、頬を支える力が土台から弱まることがたるみの大きな原因。
私の場合、いちばんの原因は皮膚と脂肪組織、顔面靱帯の老化。土台部分を先に持ち上げても、その上に乗っている皮膚自体のゆるみは修正できないので、見た目はあまり変わらないということになるようです。
たるみを防ぐ「4つの予防法」
【1】「生活習慣、食生活」に気をつける
美容家
石井 美保さん
トータルビューティーサロンRiche代表 麻布十番にまつげサロンを10年経営し、アイリストの育成の傍ら、豊富な美容知識を生かしたメイクレッスンや美容カウンセリング、パーソナルコンサルティングなどを行う。エイジレスな美貌と底なしのコスメの知識を持ち、幅広く活躍中。プライベートでは中学生の娘を持つ母親でもある。
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石井さん:私のサロンにいらっしゃるお客様には毎月肌測定を受けていただいているのですが、ハリや潤いの数値がガクンと下がっているときにお話を伺うと、皆さん睡眠不足か水分不足なんですよね。あとは食事でタンパク質をきちんととれていなかったとか。逆に言うと、これらを気をつけるだけで、ハリって意外にすぐ復活するんですよね。
友利先生:医師の立場からすると当たり前すぎて気づかないことですが、基本的な生活を立て直すこともすごく重要ですよね!
石井さん:あと年齢を重ねると、太りすぎてもやせすぎてもたるむんですよね。だから体重&体型キープは美肌のためにもすごく大切です。
【2】「姿勢」に注意
「姿勢が悪いと首などが圧迫され、唾液量が減少。さらに、舌が下がって下あごの前歯の裏側に舌先がつく状態が続くことで、あごや口元周りのたるみを招くことに」(石井先生)
座り姿勢も要注意
【3】「口呼吸」はNG
「口呼吸によって表情筋がゆるみ、たるみを引き起こすので、マスク着用時に注意して」(石井先生)
【4】スマホをみるときは「やや上」を見る習慣を
「下向きになりがちなスマホ操作も、積もり積もってたるみに。スマホを見る際はやや上に上げる習慣を!」(石井先生)
改善するための「6つの対策法」
【1】「朝」のリフトアップルーティン
美容家
石井 美保さん
トータルビューティーサロンRiche代表 麻布十番にまつげサロンを10年経営し、アイリストの育成の傍ら、豊富な美容知識を生かしたメイクレッスンや美容カウンセリング、パーソナルコンサルティングなどを行う。エイジレスな美貌と底なしのコスメの知識を持ち、幅広く活躍中。プライベートでは中学生の娘を持つ母親でもある。
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【ROUTINE 1】炭酸配合の洗顔フォームで巡らせながら肌をクリーンに
炭酸には血流を促して巡りを高めるだけでなく、汚れを浮かせて落とす働きもあります。夜の間に分泌された余分な皮脂や、朝起きたときに感じがちなむくみも、炭酸配合の洗顔フォームで顔を洗うだけで簡単にケアできるので、時間がない人にもぴったりです!
【ROUTINE 2】ウルトラ炭酸入りミストでさらに巡りを強化!
化粧水ミストを顔やデコルテ周りに約8秒間、吹きかけるだけでOK。とても簡単なのに、超微細で高濃度な炭酸入りの化粧水ミストが肌に素早く浸透して、炭酸の力で肌を引き締めながら潤いとツヤを与えてくれます。メイク前の必須アイテムです
【ROUTINE 3】ハリ美容液を肌にたっぷりとON!
【ROUTINE 4】美容液を塗ったらすかさず「肌アイロン」で上向き肌に
顔の右半分は、左手の薬指と小指でこめかみを押さえてからスタート。右手の薬指と小指を使い、肌がもたついている部分を内側から外側に向かって、すくうように優しくさすり流して。反対側も手を入れ替えて同様に。決して強い圧でこすらないように!
【2】「夜」のリフトアップルーティン
【ROUTINE 1】重炭酸入り入浴剤で一日の疲れやむくみをリセット!
むくみを放っておくとたるみにつながるので、どんなに忙しくて疲れていてもお風呂の湯船には毎朝晩、必ずつかるようにしています。重炭酸の入浴剤を入れると巡りが良くなり代謝アップ。疲れがとれて睡眠の質も上がるので、皆さん夜だけでも入浴は行いましょう。
【ROUTINE 2】入浴中に炭酸パックを行えば顔も引き締まって一石二鳥
炭酸パックは湯船につかりながら行うことが多いですね。なので炭酸パックに求める条件は濃度の高さはもちろん、テクスチャーがへたらず垂れてこないこと!その点、今愛用している「EKATO.」の炭酸パックはとても優秀。使った後はスッキリ上向きの肌に♪
※高温・多湿の場所ですと固まりにくくなる可能性がございます。
【ROUTINE 3】デコルテマッサージで顔・首・鎖骨周りまでスッキリ
デコルテ周りにはリンパ節が複数存在します。ここをさすり流すように優しくマッサージすることで、巡りが良くなり顔も首も鎖骨周りもスッキリ。入浴中やスキンケアのついでに行うだけでいいので、面倒くさがり屋さんの人でもきっと続けられると思います!
【ROUTINE 4】低周波で頭皮のこりをほぐせば睡眠の質が格段にアップ
頭皮が固いと顔が下がってくるだけでなく、睡眠の質まで低下してしまうんです。寝る前に低周波の刺激でしっかり頭皮をほぐしてあげると、ぐっすり眠れるだけでなく、顔も上向きに。翌朝の顔のむくみ感も気にならなくなります!
【3】「ハリ」を出すアイテムでケアを
エディター
大塚 真里さん
NY生まれ、東京で育つ。出版社のオレンジページで美容雑誌の編集を務めた後、化粧品メーカーのクリエイティブ担当を経て独立。『美的グラン』『美的』『Oggi』などの雑誌や書籍の編集、広告制作を手がける。著書は『キッチンには3本のオイルがあればいい』、『石けんオフメイクシリーズ』(ともに文藝春秋)。
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「たるみを本格的にケアするのには時間がかかります。とはいえ、使ってすぐに効果が実感できないと続けられない。そんなユーザー心を汲みとって、最近は肌表面を即効的にふっくらさせながら内側にもアプローチする、二刀流のエイジングケアコスメが増えています」(大塚さん)
「『リンクルショット』のプロテイン美容液や『ランコム』のペプチドクリームがその代表ですね。肌がすぐにぷりんとして、法令線も目立たなくなります」(大野さん)
【How to】
「少しずつ重ねて、肌の中に潤いをため込むようにすると、それだけで法令線が目立たなく!」(大塚さん)
【おすすめアイテム】
A.ポーラ リンクルショット ジオ セラム プロティアン[医薬部外品]
価格 | 容量 |
---|---|
¥11,000 | 40g |
シワができにくい肌環境を作る、プロテイン配合美容液。
「テクスチャーのなめらかさがすごい。肌に全部入っていき、その場でぷりぷりとしたハリが出てきます」(大塚さん)
B.ランコム レネルジー HPN クリーム
価格 | 容量 |
---|---|
¥19,800 | 50ml |
300種以上のペプチドが肌に指令を送る。
「軽やかに浸透していく系のクリーム。厚みとハリが出て、お手入れのやる気が上がります」(大野さん)
【4】「頭ほぐし」でモタつきを解消
国際エステティシャン
大杉みどり先生
肌を見て日々のお手入れの誤りを瞬時に見極める特殊能力をもち、「人間肌診断機」の異名をもつ。YouTubeやSNSなどで「肌を変える本当に正しいお手入れ」を啓蒙し高い支持を得ている。
「頭皮が1mm下がると顔は3mm下がる!頭皮と顔は1枚の皮でつながっているので、顔のむくみやたるみのケアをするには頭皮をほぐすのが効率的かつ効果絶大!リフトアップのカギ・側頭筋を重点的に」(大杉先生)
\頭皮固っ!これじゃ、むくみたるみの言いなりよ…/
【How to】
- 耳を囲うように、小指が生え際にかぶるくらいの位置に指を置き、顔をリフトアップさせる方向(後ろ回し)に5~6回回して頭皮をほぐしていく。
- 少しずつ指全体を上にずらしながらくるくると、側頭部3か所×3セットが目安。頭の深部に指を食い込ませるような気持ちで、心地いい圧でほぐすのがポイント。
\側頭筋をほぐす/
「片側だけ重点的にほぐし指導してもらったら…左右差に驚き!」(よしもと芸人 蛙亭 イワクラさん)
【5】「顔トレ」でスッキリ小顔に
サロン・ド・スウィン オーナー &エステティシャン
田中由佳さん
東京・三宿に隠れ家サロン『サロン・ド・スウィン』を運営。肌・体・魂に響くトリートメントが大人気。たるみに効果を発揮する“指プレスケア”は、簡単で速効性があると評判。
輪郭がぼやけてきたと感じているなら、早めの対策がマスト。フェースラインのモタつきは頬などのたるみだけでなく、ストレスや自律神経の影響、マスク着用で口呼吸を続けているのも原因に。最も緩むあご下を、しっかりほぐして流してあげることが、美しいフェースラインを復活させる近道です。顔トレの仕上げに行って、シュッとした顔のフォルムを手に入れて!
【How to】
(1)カギ手でフェースラインのこりをグリグリほぐしていく
親指と人さし指であごを挟み、内→外へツイストするように軽くねじってほぐす。あご部分が柔らかくなったら、耳下まで、ねじりつまみながらほぐしていく。ゆっくりと、心地よい力加減で行うのが◎。
この状態がカギ手
\あごからスタート/
\ひねりながら/
\耳に向かってグリグリグリグリ/
(2)最後に右から左にカギ手でもみながらフェースラインを整える
両手でカギ手を作り、右耳下部分を親指と人さし指で挟み、左耳下までフェースラインを整えるようにツイストしながらつまみます。つまみ流すように、軽いタッチで行うとスッキリ感もアップ。
\グリグリ/
\クイクイクイクイと一方向でOK!/
【6】たるみを改善する「美容医療」の選び方
皮膚科専門医
慶田朋子先生
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。
ハイフは「引き上げる」、サーマクールは「引き締める」
ハイフ(HIFU)は、超音波を点状に強く当てて熱を発生させ、ゆるんだコラーゲンを縮ませて皮膚を引き上げるというたるみ治療法。その刺激によって新しいコラーゲンも増えていくので、2〜6か月に渡って皮膚に弾力が生まれ、さらにリフトアップ感が出てきます。
実は一般に「ハイフ」と呼ばれている治療には、医療用とエステ用とあって、上記のような効果を期待できるのは医療用。中でも、FDA(米国の行政機関)で唯一「リフトアップ効果」を認められているのが「ウルセラ」です。ウルセラは、皮下深くの狙ったところに安定的に熱エネルギーを届け、下垂した皮膚を土台から引き上げることができます。
一方「サーマクール」は、高周波(RF)を用いた、同じくFDA認可のたるみ治療器。真皮層を中心に、深いところは脂肪層〜SMAS筋膜の近くまで、広範囲に加熱します。高周波の熱エネルギーによって、これらの構造を支えるコラーゲン線維が瞬時に収縮するため、施術直後から引き締め効果が現れます。その後も約6か月に渡って大量の新しいコラーゲンが増生され、太くて強度の高いコラーゲン線維と置き換わります。
サーマクールFLXは、皮下3mm付近を中心に幅広く作用。ウルセラは照射深度を1.5mm、3.0mm、4.5mmと3層に作用。
サーマクールの高周波(RF)で皮膚の体積が縮まる!
サーマクールの熱エネルギーは、皮膚の縦・横・奥行きを3次元的に引き締めることができます。
【実体験】「サーマクールFLX」で肌表面のもたつきが引き締まった!
洗顔後、肌にマーキングをしてからジェルを塗り、顔の右半分→左半分→(2回目)右半分→左半分と照射していきます。現在普及しているサーマクール第4世代のFLXは、単面照射から多方面照射に改善され、皮膚表面を冷却するシステムなので、痛くてつらいという声の多かった前世代のものよりかなり痛みが軽減されています。私は過去のものを体験したことがないので比較はできないけれど、実際、照射の刺激は感じるものの痛みはそれほど強くなく、約30分間の施術を苦痛なく終えられました。ダウンタイムはなく、治療の直後からメイクも可能です。
【BEFORE→AFTER】
驚いたのは引き締め効果の即効性です。上のBefore&After画像は施術前とその当日夜のもの。フェイスラインが引き締まって小顔に見えます。
そして3か月後は、新しいコラーゲンが増えてきたからか肌のハリ感がさらにアップした感じ。写真ではわかりづらいけれど、肌に触れたとき「あっ、そういえば以前はこんな感じだった」と、何年か前の肌の弾力が戻ったように感じられてうれしくなりました。流れていた毛穴も小さくなったみたいで、ファンデーションがなめらかに伸びます。改めて、私にとっての「たるみ治療」は、サーマクールが正解だったと実感しています。
なお、サーマクールは、どこのクリニックで受けるかも重要!
「サーマクールはおひとりおひとりのたるみの状態を見極めて、熱を強く入れる部位と弱めに入れる部位、重ね打ちのショット数分配、照射ラインの角度をデザインしています。その技術によって結果が大きく変わるので、解剖とその後の注入治療などを考慮した照射経験を持つクリニックで受けていただかないと思うような結果が出ません」(慶田先生)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。