【美容医療ルポ】たるみを改善するなら、話題のハイフ? サーマクール?…実は、個々の「たるみ方」で選ぶのが正解でした!
「頬が下がってきた」「ほうれい線がくっきり」「フェイスラインがゆるんで顔が大きくなった気がする」…など、年齢を重ねる程、気になってくる顔の「たるみ」。スキンケアだけでは物足りなくて、今すぐ美容医療でなんとかしたいという人も多いのでは? 年々たるみ悩みが深刻化してきた私、ライターTもそう。そこで、最近人気の「ハイフ」で引き上げたい!と、『美的GRAND』本誌でもおなじみの慶田朋子先生が院長を務める「銀座ケイスキンクリニック」を訪れました。
すると…「誰にでもハイフがベストというわけではないんです。たるみ方は人それぞれで、Tさんの場合は薄くて柔らかい皮膚が重力でたれ下がっている状態。まずは『サーマクール』でダブついた皮膚を引き締めることをおすすめします」と慶田先生。正直、たくさんある照射系治療器の違いをよく知らなかっただけに、「たるみ方」によってアプローチ法も違うとは、目からウロコでした。
まずは自分の肌がたるんで見える、いちばんの要因を知ること!
「年齢肌のたるみの原因は、大きく分けて、1皮膚(真皮・表皮)、2皮下組織(脂肪)、3スマス層(SMAS筋腱膜)の老化です。そのうちのどこがその方のたるみのいちばんの原因になっているかによって、まずどこにアプローチすべきかは違います」(慶田先生)
1皮膚(表皮・真皮)の老化
年齢と共に真皮のコラーゲン線維やエラスチンが劣化して切れたり細くなったりすると、肌の弾力を支えられなくなります。水分を抱え込んで真皮のボリュームを保つヒアルロン酸も減少するため、皮膚が薄くなり、ハリが低下。水分不足で乾燥しやすく、シワ・たるみの原因に。
2 皮下組織(脂肪)・顔面靱帯のたるみ
脂肪と脂肪の間にあるコラーゲンでできた線維組織(一部は顔面靱帯)が、年齢と共に伸びて弾力を失い、脂肪を支えることができなくなった結果、支えをなくした脂肪が重力の方向にたれ下がって、シワやたるみが発生。
3スマス層(SMAS筋腱膜)の老化
加齢と共に、表情筋の上に膜状に広がるSMAS筋腱膜が伸びて土台が崩れ、真皮とスマス層をつないで構造を支えている顔面靭帯の衰えと相まって、頬を支える力が土台から弱まることがたるみの大きな原因。
私の場合、いちばんの原因は皮膚と脂肪組織、顔面靱帯の老化。土台部分を先に持ち上げても、その上に乗っている皮膚自体のゆるみは修正できないので、見た目はあまり変わらないということになるようです。
ハイフは「引き上げる」、サーマクールは「引き締める」!
ハイフ(HIFU)は、超音波を点状に強く当てて熱を発生させ、ゆるんだコラーゲンを縮ませて皮膚を引き上げるというたるみ治療法。その刺激によって新しいコラーゲンも増えていくので、2〜6か月に渡って皮膚に弾力が生まれ、さらにリフトアップ感が出てきます。
実は一般に「ハイフ」と呼ばれている治療には、医療用とエステ用とあって、上記のような効果を期待できるのは医療用。中でも、FDA(米国の行政機関)で唯一「リフトアップ効果」を認められているのが「ウルセラ」です。ウルセラは、皮下深くの狙ったところに安定的に熱エネルギーを届け、下垂した皮膚を土台から引き上げることができます。
一方「サーマクール」は、高周波(RF)を用いた、同じくFDA認可のたるみ治療器。真皮層を中心に、深いところは脂肪層〜SMAS筋膜の近くまで、広範囲に加熱します。高周波の熱エネルギーによって、これらの構造を支えるコラーゲン線維が瞬時に収縮するため、施術直後から引き締め効果が現れます。その後も約6か月に渡って大量の新しいコラーゲンが増生され、太くて強度の高いコラーゲン線維と置き換わります。
※イメージ図
サーマクールFLXは、皮下3mm付近を中心に幅広く作用。ウルセラは照射深度を1.5mm、3.0mm、4.5mmと3層に作用。
サーマクールの高周波(RF)で皮膚の体積が縮まる!
サーマクールの熱エネルギーは、皮膚の縦・横・奥行きを3次元的に引き締めることができます。
実体験!「サーマクールFLX」で肌表面のもたつきが引き締まった!
洗顔後、肌にマーキングをしてからジェルを塗り、顔の右半分→左半分→(2回目)右半分→左半分と照射していきます。現在普及しているサーマクール第4世代のFLXは、単面照射から多方面照射に改善され、皮膚表面を冷却するシステムなので、痛くてつらいという声の多かった前世代のものよりかなり痛みが軽減されています。私は過去のものを体験したことがないので比較はできないけれど、実際、照射の刺激は感じるものの痛みはそれほど強くなく、約30分間の施術を苦痛なく終えられました。ダウンタイムはなく、治療の直後からメイクも可能です。
結果がこちら↓
驚いたのは引き締め効果の即効性です。上のBefore&After画像は施術前とその当日夜のもの。フェイスラインが引き締まって小顔に見えます。
そして3か月後は、新しいコラーゲンが増えてきたからか肌のハリ感がさらにアップした感じ。写真ではわかりづらいけれど、肌に触れたとき「あっ、そういえば以前はこんな感じだった」と、何年か前の肌の弾力が戻ったように感じられてうれしくなりました。流れていた毛穴も小さくなったみたいで、ファンデーションがなめらかに伸びます。改めて、私にとっての「たるみ治療」は、サーマクールが正解だったと実感しています。
なお、サーマクールは、どこのクリニックで受けるかも重要!
「サーマクールはおひとりおひとりのたるみの状態を見極めて、熱を強く入れる部位と弱めに入れる部位、重ね打ちのショット数分配、照射ラインの角度をデザインしています。その技術によって結果が大きく変わるので、解剖とその後の注入治療などを考慮した照射経験を持つクリニックで受けていただかないと思うような結果が出ません」(慶田先生)
●価格の目安(銀座ケイスキンクリニックの場合)
サーマクールFLX | 300ショット(顔全体のスタンダード)¥315,000、600ショット(顔全体をより細かく+首)¥360,000 |
ウルセラ(ハイフ) | チークリフト(頬〜フェイスライン)¥250,000、フェイスリフト(頬〜フェイスライン+首)¥350,000 |
クリニックでの「切らないたるみ治療」は、サーマクールやハイフのような照射系のほかにも、ヒアルロン酸(プロファイロ、スネコス)注入、ダーマペン、糸リフト…と、メニューがたくさん。トライしてみたいと思ったら、流行や価格だけで判断せず、きちんとカウンセリングを受けて自分の肌状態に合う施術を見つけることが大切。ぴったりのものに出合えれば、満足度の高い結果がついてくると思います。
●取材協力/銀座ケイスキンクリニック
HPはここからチェック!→https://www.ks-skin.com
取材・文/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。