1滴に738種もの成分を秘めた発酵エイジングケア、FASの「黒米発酵液」【加藤智一さん連載Vol.９】

いま美容業界で、注目の美容成分をピックアップ！　友だちとの美容トークでも「この成分、知ってる？」と思わず話したくなる話題の成分をご紹介します。第９弾は、今年の秋に誕生した発酵エイジングケア、FASのキー成分である「黒米発酵液」をフィーチャー。黒米の発酵コントロールと、2段階発酵により、700種以上の低分子発酵由来成分が認められたという期待の成分です。

肌のさまざまな層に738種の成分がアプローチ。あらゆる肌悩みをケアする「黒米発酵液」

■教えてくれたのは....

FASブランドマネージャー

井上みなみさん

2017年8月にN organicを立ち上げる。その後、2020年4月からFASの構想をはじめ、2023年11月にFASを創設ともに現職に。

加藤智一　井上さんは自然派ライフスタイルブランドである「N organic」の立ち上げにも参画されていらしたんですね。そして、その立ち上げから3年後にFASの事業構想をはじめられたとか。

井上みなみさん　はい。N organicよりも、さらに成分やエビデンスにフォーカスしたブランドを作りたいと思いまして。しかも、そのタイミングで周囲から、発酵技術が進化しているという話も耳にしたこともあり、発酵は食事を含めて興味があったので、これをコンセプトに新しいブランドを模索し始めました。

加藤　FASでは“二段階発酵”という技術を採用されていますが、こうした発酵技術の進化や、発酵した成分の詳細が以前よりもわかるようになってきた、ということですね。では、黒米に着目した理由は？

井上　さまざまな素材と菌の掛け合わせを研究していたのですが、そのなかで美肌効果を得られるのが、お米を発酵させた成分であることが判明しまして。しかも、お米も白米よりも玄米、玄米よりも黒米のほうが効果が高いという流れから、最終的に黒米にたどり着きました。

加藤　黒米はスーパーでも雑穀として発売されていますし、栄養価が高いのは想像がつきます。ただ、黒米の産地、というと思いつかないのですが…。

井上　実は、今回はFASに黒米を提供していただくために、京都の京丹後市弥生町・芋野地区の農家さんにご協力いただいて、黒米の農地を拡げていただいたのです。

加藤　え？　FAS専用農地ということ？　それはダイナミックな展開ですね（笑）

井上　はい。芋野地区がある丹後の地は、日本の稲作発祥の地とも言われており、販売目的ではなく、神事や小学校学習などの伝承目的として古代米である黒米を栽培されています。そんなお米作りに対する情熱や姿勢が素晴らしく、10回以上通って、イベントをご一緒させていただいたり、田植えのお手伝いをさせていただくうちに、農家の皆さんのご信頼をいただけて、黒米の農地を20倍に広げていただくことに至りました。

加藤　井上さんの情熱が実を結んだということですね！　素晴らしいですね。では、実際に黒米の美肌効果について教えていただけますか？

井上　美肌効果において、まず驚いたのが発酵成分の豊富さでした。ペプチドだけでも40種、ポリフェノール類は60種以上、やビタミンB、ナイアシンアミドなど、エイジングケアで注目されている成分が固まりとなってでてきまして（笑）。しかも、それらの成分は肌のさまざまな層や細胞に働きかけることがわかり、レイヤーごとに透明感を与える効果が判明しました。

加藤　肌表面だけではなく、深いところまでケアできるということですよね。その透明感の正体が、資料に書いてある“戻し光量”ということですか？

井上　その通りです。“戻し光量”は、黒米発酵液の肌効果を総称するワードでして、肌表面のバリア機能はもちろん、肌荒れ、うるおい、ハリ・弾力など、さまざまな部分にマルチに働きかけることで、肌の内側から光が溢れるような、そんな状態へと整えられることを訴求しました。
加藤　確かに738種というのは衝撃の数字ですからね（笑）。今回は“二段階発酵”という技術も導入されてますが、この技術の成果もありますか？

井上　成分自体は一段階目の発酵で生まれるのですが、二段階発酵を取り入れることで、低分子化することができました。これにより、化粧品原料として安定性と、成分の高配合を実現することが可能になり、より高い肌効果をご実感いただけると思います。

加藤　ラインナップは11月30日に発売されたオイルセラムと睡眠マスクを含めて、全4品になりましたね。このなかで、エッセンスは黒米発酵液を90％使用しているとか。ほぼ黒米発酵液ですね（笑）