食・レシピ
2021.4.20

【今食べたい春の食材10】美に効く栄養たっぷり!おいしい選び方や調理のコツも

春、野菜は日に日にカサを増し、みずみずしい色味を帯びてくる季節。肉・魚もうまみや栄養がどんどん増してきます。この旬の食材の力を、日々取り入れない手はなし!旬の食材の選び方・調理のコツまでご紹介します。

春野菜+春の魚は最強の美人レシピ!

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「初もの七十五日」ということわざがあります。これは、初もの=縁起がいいとされるものを食べると、寿命が75日延びるという意味。そして同時に、旬の食材を食べれば生命力が満ちるという思いも込められているとか。

ある食材が1年で最もおいしくなる季節が「旬」です。旬の食材には、その時期に人が必要とする栄養素が最も多いといわれます。例えば、トマトやきゅうりなどの夏野菜にはカリウムや水分が豊富で、体の熱を取ってくれたり。れんこんや小松菜などの冬野菜は体を温めてくれたり。その季節に適した体に整えてくれるのが旬の食材なんです。

冬を越えて出回る春野菜には、苦みやクセのある味わいも特徴です。苦み成分には、冬の間にたまった老廃物を排出する働きも。そして、特筆すべきはビタミンC! 菜の花やパセリのように、コラーゲンの生成を助け、免疫力を高めてくれるビタミンCが突出して多いもの、春キャベツや新じゃが芋のように、ほかの季節よりも含有量がぐっと増えるものも。

さらに、春においしくなる魚には、上質なたんぱく質が豊富。エネルギー代謝を促すビタミンB1、皮膚や髪、爪の健康をサポートするビタンB2も多いので、春野菜と組み合わせれば、美肌や美ボディを導きます。

旬の食材は味も良く、シンプルな味つけでも充分おいしいのもうれしいところ。“旬パワーごはん”で、春のキレイを目覚めさせて♪

今、食べたい春の食材10

【1】パセリ

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実はビタミンCは野菜のトップ!
葉がやわらかくておいしいのは3〜5月、9〜11月。ビタミンC・E、β-カロテン、葉酸など、抗酸化作用の高い栄養素はトップクラスで、鉄も小松菜以上とも。実は主役で使いたいキレイの宝庫。葉が小さくてやわらかい「祇園パセリ」も人気。

【おいしい選び方】鮮やかな緑色で、葉がみずみずしいものを。
【調理のコツ】茎を取り、葉を刻んで使う。加熱はせず、生で食べたい。

【2】春キャベツ

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やわらかいのでロールキャベツも作りやすい
秋に種をまいて春に収穫。3〜5月が旬。球形で、葉の巻きが緩い。水分が多いのでやわらかく、甘みがある。免疫力を高め、美肌効果のあるビタミンC、胃の粘膜の修復を促し、新陳代謝を活発にするビタミンUが多く、カルシウム、食物繊維も含む。

【おいしい選び方】春キャベツは巻きが緩く、ふわっとしたものを。
【調理のコツ】ビタミンCは水溶性なので、水にさらしすぎに注意。せん切りした後も水にさらさないこと。

【3】グリーンアスパラガス

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スリムなボディにキレイのもとが凝縮
3〜7月が旬。春どりは筋もやわらかく食べやすい。ほのかな甘さと苦みで、どんな食材とも相性がいい。ビタミンB 群・C・Eの美肌ビタミンに加え、疲労物質をエネルギーに変えるアスパラギン酸、カルシウムが骨を作るときに必要なビタミンKも多い。

【おいしい選び方】茎は太くまっすぐ、穂先が閉まっていて、緑色が鮮やかなものを。
【調理のコツ】アスパラギン酸は熱に弱いので加熱は短時間で。

【4】新玉ねぎ

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辛みが少なくて甘いので生で食べたい
通常、保存性を高めるため乾燥させて出荷される玉ねぎを、3〜4月に早どりしてすぐに出荷したもの。水分が多くみずみずしい。においのもとである抗酸化成分の硫化アリルは新陳代謝を活発に。ポリフェノールやビタミンC、鉄も多い。

【おいしい選び方】重みがあり、皮が艶やかで、傷やカビがないものを。
【調理のコツ】辛みが少ないので生食向き。日もちしないので冷蔵保存を。

【5】菜の花

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いつもの料理が華やか&ツウ好みの味に
2〜4月上旬が旬。後を引くほろ苦さでイタリアンにもよく合う。皮膚や粘膜、髪を健康に保つβ-カロテン、抗酸化作用の高いビタミンC・Eなどの美肌ビタミンや、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB2、葉酸や鉄が豊富。食物繊維も多い。

【おいしい選び方】緑色が濃く、つぼみが固く閉まり、葉や茎がやわらかいものを。
【調理のコツ】脂溶性のβ-カロテンは油と調理すると吸収率がアップ。

【6】新じゃが芋

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加熱しても壊れない、不屈のビタミンC!
貯蔵・熟成せずに出荷され、皮が薄くて小ぶり。水分が多いので、モサモサ感控えめでシャキシャキした食感。ビタミンB1・B6、食物繊維に加え、通常の4倍あるといわれるビタミンCはでんぷんに包まれているため、加熱しても壊れにくい。皮にはポリフェノールを含む。

【おいしい選び方】皮が薄くて、全体にかたさ、重みがあるものを。
【調理のコツ】煮込んでもくずれにくい。長期保存には不向き。芽には有害物質のソラニンを含むので必ず取る。

【7】スナップエンドウ

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絹さやとグリーンピースのいいとこどり
4〜5月が旬。ぽりぽりとした食感にハマる。さやごと食べるので、さやに含まれるβ-カロテンも多く摂取できる。豊富なビタミンCとβ-カロテンを一緒にとることでコラーゲンの生成を促す。必須アミノ酸のリジンが体の成長をサポート。美髪を作る葉酸も豊富。

【おいしい選び方】ふっくらとしたさやに豆がしっかり詰まっているものを。
【調理のコツ】水溶性のビタミンCは熱に弱いので、加熱は短時間で。

【8】カツオ

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高たんぱく低カロリーでダイエットにも
黒潮に乗って北上し、初夏にかけて東京湾周辺でとれる「初ガツオ」は、身が引き締まり、脂肪分が少ない。良質なたんぱく質、DHA、EPAの含有量は魚の中でもトップクラス。貧血を予防するビタミンB12、肌を健やかに保つナイアシンも多い。

【おいしい選び方】赤身や血合いも色が鮮やかで、ドリップが出ていないものを。
【調理のコツ】ビタミンB 群は熱に弱く水に溶けやすいので、刺身やたたきで。足が早いので、買ったその日に食べたい。

【9】アジ

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名前の由来はその味の良さからとも
春から夏が旬の、日本の代表的な大衆魚。さっぱりとした淡白な味ながら、脂が程よくのっている。良質なたんぱく質が豊富で、糖質の代謝を助けるビタミンB1などのビタミンB群も多い。不飽和脂肪酸は特にEPAが多く、生活習慣病予防にも。

【おいしい選び方】切り身は透明感があってツヤがあり、身にハリがあるものを。
【調理のコツ】皮膚の再生に関わるビタミンB2をとるには皮ごと調理を。

【10】サワラ

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白身魚と思いきや実は赤身。味は上品!
関西では3〜5月、関東では脂がのった12〜2月が食べ頃とされる。サバ科の赤身魚だが、クセがない上品な味。不飽和脂肪酸のDHAやEPAが多く、脳の活性化、中性脂肪やコレステロールを低下させる働きも。カルシウムの吸収を上げるビタミンDも多い。

【おいしい選び方】身が割れずに透明感があり、血合いの部分は鮮やかなものを。
【調理のコツ】さっぱりとした味なのでオイルで調理するとよりおいしい。

 

\教えてくれたのは…/

村山由紀子さん・料理家
むらやま・ゆきこ/東京・吉祥寺で伝説的人気を博したカフェ経営などを経て料理家に。食材のおいしさを引き立てる洗練されたレシピが評判。著書に『ベジヌードル』( 主婦と生活社)など。

加藤彩子さん・管理栄養士
かとう・あやこ/栄養士として病院や保育園勤務を経て独立。企業やメディアでの栄養指導やレシピ提案などで活躍。行事食や食育活動をはじめ、アレルギー食など得意分野は多岐にわたる。

 

『美的』2021年5月号掲載
撮影/神林 環 料理/村山由紀子 栄養監修/加藤彩子 スタイリスト/洲脇佑美 構成/松田亜子、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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