肩をストレッチすると、どんな効果が?【やり方10選】
ツライ肩こりの解消には、肩甲骨まわりの筋肉のストレッチがおすすめ!トレーナーが教える、簡単!肩ストレッチを紹介します。猫背や巻き肩、背中位のぜい肉予防にも効果あり!仕事の合間や寝る前に…まずは今日から2週間、ストレッチ習慣をはじめてみましょう!
ツライ肩こりを改善したいなら「ストレッチ習慣」をはじめよう!
まずは毎日、ストレッチを2週間続けて
「コリをほぐすには、こまめに筋肉をほぐすことがいちばん。まずは、毎日、ストレッチを2週間続けてください」(村山さん)
フィジカルトレーナー
中野ジェームズ 修一先生
米国スポーツ医学会認定運動生理学士。多くのオリンピック選手の個人トレーナーを務める。『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)など著書多数。
「ストレッチは筋肉が疲れるぐらい刺激し、毎日続けることが大切です」(中野先生)
移動、仕事の合間、寝る前にストレッチを
整形外科専門医
小橋大恵先生
チームメディカルクリニック理事長。群馬大学医学部出身。「医師になるなら若いうちに救命救急を経験しておきたい」という思いから、大学卒業後は医局に入らず、全国の総合病院で救急の現場を経験。 筋・骨・靭帯・神経などの運動器と呼ばれる器官の外傷や病気の診察のほか、スマホの長時間使用等による、現代ならではの肩・首の不調に対する診察・アドバイスを行っている
肩こりや首こりを防ぐには、筋肉を動かして緩めたり収縮させたりすることも必要です。
「痛くない程度にユラユラとでもいいので、とにかく肩甲骨を動かすことが重要です。移動中にトートバッグやショルダーバッグの肩ひもに添えた腕をさり気なく回すのもいいでしょう。
いちばんいいのは寝ることですが、オフィスなどで寝れないときは、椅子の背もたれに頭を委ねて、左右にゆっくりゴロンゴロンと転がすのもいいですね。痛くなる直前で止めるようにしましょう」(小橋先生)
トイレに行くとき、お茶を飲むとき、ついでにストレッチを。時々、筋肉を動かすことがコリ解消のポイント!
「家にいると全く体を動かさない状態。仕事の合間や寝る前にストレッチをし、疲れやコリを解消しましょう」(中野先生)
肩こり解消だけじゃない!肩ストレッチの 2つの効果
【1】背中にぜい肉がつくのを防ぐ
首と肩胛骨をつなぐ僧帽筋、その深部に潜む肩胛挙筋、肩にある三角筋がこり固まると背中にぜい肉がつき、首・肩コリ、背中の張りに。
【2】猫背・巻き肩を改善する
「巻き肩とは、肩甲骨ごと前に出ている状態のこと。巻き肩になってしまうと、肩が本来の正しい位置から離れてしまうため、肩周りの血流が滞り、僧帽筋が張ってしまいます。
長時間のデスクワークや、うつむいたままのスマホやPC操作が主な原因と言われてています。
PCやスマホの合間にストレッチを取り入れると、肩周りの血流が促され、巻き肩の解消や痛み軽減へ繋がります。簡単なので、朝晩ストレッチを取り入れてみてくださいね」(渡部さん)
肩回りを柔らかくする「ストレッチ」10選
ウォーミングアップ:肩甲骨回し
「こり固まった肩と肩甲骨を回して血行を促し、筋肉が伸びやすい状態にしてからストレッチを行いましょう。」(中野先生)
(内回し10回、外回し20回)
左右の肩に指先をつけ、ひじを正面に向ける。外回しはひじを真上に上げ、肩甲骨を寄せるようにひじを真横に回し、そのまま下に向けて正面に戻す。内回しはその逆方向で行う。
【1】椅子に座ったままゴリゴリ背中をほぐす!簡単ストレッチ
背中がコリ固まったゴリゴリさんは…僧帽筋中部と菱形筋を伸ばす(30秒×3回)
【Step.1】イスに浅く腰かけ、足を左右に大きく開く
【Step.2】両腕を前に伸ばす
両手首をクロスしてそれぞれ内側にひねり、手のひらを合わせる。
【Step.3】背中全体を丸めるようにして30秒キープ
息を吐きながら上半身を前に倒し、首から背中全体を丸めるようにして30秒キープ。腕の重みで背中を伸ばす。
【2】肩甲骨を柔軟にする、鎖骨回しストレッチ
山王病院 副院長・呼吸器センター長 国際医療福祉大学医学部教授
奥仲 哲弥先生
呼吸器外科医。医学博士。東京医科大学病院勤務を経て現職。専門は肺がん治療。メディア出演も多く、わかりやすい解説に定評がある。著書に『医者が教える肺年齢が若返る呼吸術』(学研プラス)など。
(30秒×1セット)
【Step.1】両手を鎖骨に当てる
正面を向いて、両手を鎖骨の上へ。腕はリラックスさせておく。
【Step.2】両ひじを大きく回す
鎖骨につけた手を起点にして両ひじを上げ、外側に大きく1~2回回す。肩胛骨周りの筋肉を動かすように意識。同様に内側にも回す。
【3】背中を深部からほぐす「手のひらぶるぶる」
「肩コリの大本命、僧帽筋と肩胛挙筋をほぐします。首のつけ根をグッとつかむことで深部にある肩胛挙筋にアプローチできます」(村山さん・以下「」内同)
(左右各30秒)
左手で右の首のつけ根を押しながら前方に引き寄せる。頭を左に倒し、右手を遠くに伸ばして、手のひらを揺らす。反対側も同様に。
【4】「巻き肩」改善ストレッチ
「大胸筋と小胸筋がこり固まると肩が内側に入ってしまうので壁を使って伸ばして緩めましょう。猫背、巻き肩の改善にも効果的です」
(左右各30秒)
【Step.1】右手を壁につけ、右足を1歩前に出す。体を左前方にひねり、顔を左に向けてキープする。
【Step.2】手の位置を上下に替え、胸を異なる方向に伸ばしてキープ。
\これでもOK!/
「胸の筋肉が伸びれば、ひじを曲げても、ひじを壁につけてもどちらでもOK!」
【5】肩甲骨をしなやかにするストレッチ
脚を伸ばして床に座り、両ひざを軽く曲げ、右手で左足の外側をつかむ。左足をひざの高さまで上げ、ひざを伸ばしながら外側に脚を開く。肩を下げて背中を丸め息を吸い、吐きながら30秒キープ。反対側も同様に。猫背とは異なる背中のカーブへ。
【6】入浴中でもできる簡単ストレッチ
(左右各30秒×2セット)
手のひらを反対側の肩甲骨辺りに当て、もう片方の手をひじに添える。伸びている肩甲骨を縮めるようなイメージで、ひじを頭の方にゆっくりと寄せて30秒キープ。逆も同様に。肩~背中の筋肉のこりがほぐれ、だるさが軽減。
【7】ベッドに入る前にやっておきたい肩甲骨ストレッチ
(30秒×1セット)
【Step.1】足を肩幅くらいに開き、肩甲骨を寄せるように軽く胸を開く。
背筋は伸ばし、首を軽く引いた状態で正面を向く。
【Step.2】手を体の後ろで軽く組む。
首は前に出ないよう軽く引いたまま、全身をリラックスさせて。
【Step.3】左右の肩甲骨を近づけるイメージで、組んだ手をグッと下に下げる。
二の腕の筋肉が伸びているのを意識。
【Step.4】手を組んだままゆっくり持ち上げ、あごも少し上げる。
背中全体の筋肉を収縮させることで、一気に血が巡る。
【8】肩周りを緩める「ぐるぐる腕回し」
「パソコン作業で固まった大円筋と三角筋、前傾姿勢で縮んだ大胸筋と小胸筋をしっかりほぐして、上半身を緩めましょう」(村山さん)
\左右各30回/
【Step.1】脇の下の前側をつかんで腕をゆっくり後ろに回す
人さし指を脇のくぼみに差し込みつかむ。
【Step.2】脇の下の後ろ側をつかんで腕をゆっくり後ろに回す。
親指を脇のくぼみに差し込みつかむ。
【9】猫背、巻き肩を改善する「広頸筋ストレッチ」
両手を重ねて鎖骨の上に置いたら上を向き、口を開けて息を吸う。息を吐きながら天井にあごを突き出して両手を下に引っ張り30秒キープ×2セット。
【10】肩を本来の位置に戻す「ローテーターカフ」
軽く足を開いて立ち、両腕を前へ。手のひらを外側、親指を下に向けたら息を吸い、吐きながらひじを外側に回して限界のところで2秒キープ×20回。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
自身の体で柔軟性の研究を重ねる。著書『自分史上最高の柔軟性が手に入るストレッチ』(かんき出版)が話題。10月に新刊発売予定。