健康・ヘルスケア
2021.7.23

イソフラボンの摂りすぎはNG? 気になる効果と注意点

大豆イソフラボン=「女性ホルモンを増やす」と思っている方も多いようですが、実は、直接女性ホルモンになるわけではないようです。摂取の注意点なども含め、専門家と医師に詳しく解説してもらいました。

イソフラボン摂取による「5つの効果」

【1】イソフラボンに似た物質の「エクオール」が増える

管理栄養士
株式会社エビータ 代表取締役
栄養士大学 学長
一般社団法人 栄養士戦隊☆隊長

浅野まみこさん

「大豆食品を食べたからといって、女性ホルモンが増えるわけではありません。大豆食品含まれる大豆イソフラボンによって、エストロゲンと似た働きをするエクオールが作られるということ。それが、加齢によって分泌量が減り、更年期障害などの要因となるエストロゲンの作用を補うといわれています」(浅野先生)

 

【2】「エクオール」が増えると「脂肪」や「PMS(月経前緊張症)」や「更年期症状」の改善に期待できる

産婦人科専門医

吉形玲美先生

エクオールをつくれる人は内臓脂肪と体脂肪が少ない傾向に。
(※女性ホルモン(エストロゲン)が分泌されなくなる50〜60代の女性対象にした結果)

「ほかにも、エクオールをつくれる人はPMS(月経前緊張症)や更年期症状が軽いことや骨密度が減りにくいこと、また、エクオール摂取による更年期障害やメタボリック症候群の改善、肌機能への効果などが研究で示されています」(吉形先生)

 

【3】2日に1回で「血管炎症」「脳梗塞」に対するリスクが下がるというデータが

大豆食品を2日に1回など、週4回ほどの摂取することで女性では血管炎症、脳梗塞などの疾患に対するリスクが下がるというデータも出ている。

 

【4】「乳がん」予防のヒントになるかも

乳腺科・乳腺放射線診断科
認定NPO法人 乳房健康研究会 副理事長

島田 菜穂子 院長

「ホルモンバランスを崩しがちな方には、大豆製品や場合によってはサプリメントを薦めることもありますよ。

また最近の研究では、大豆製品を良く摂る方の方が乳がんになるリスクが減る可能性が示唆されています。お味噌汁やお豆腐、納豆など日本の伝統的な食習慣は女性ホルモンのバランスや乳がん予防のヒントになるかもしれません」(島田先生)

 

【5】エクオールは腸内細菌との相乗効果で「加齢臭」を抑制する効果も期待できる

内科医・認定産業医/tenrai株式会社 代表取締役医師

桐村 里紗先生

「更年期から閉経後は、どうしても男性ホルモンの働きが強くなります。これを補うのが、女性ホルモン・エストロゲンとよく似た働きをする“エクオール”。皮脂の酸化という加齢臭の発生メカニズムを抑制する効果があります」(桐村先生・以下「」内同)

「大豆などに含まれる抗酸化成分・イソフラボンは、女性ホルモン様の作用があることが知られていますよね。でも実は、イソフラボンそのものではなく、腸内に暮らす常在菌・エクオール産生菌によって、イソフラボンがスーパーイソフラボンと呼ばれるエクオールに変わることで、その効果を発揮していたことが分かったのです」

「日本人の半分くらいの人の腸内には、エクオール産生菌が定着しています。大豆や小豆などをしっかり食べることで、エクオールを腸内で分泌してくれます。しかし、定着していない残り半分の人は、自力ではエクオールを作ることができません。この場合、エクオールをサプリメントで補うほか、エクオールを生産するビフィズス菌BB536を積極的に摂ることをおすすめします。抗酸化作用を持つ野菜や海藻類に含まれるファイトケミカルやビタミンA/C/E、亜鉛、鉄などもしっかり摂取すると、なおよいですね」

 

イソフラボンの摂りすぎに関する注意点

「女性疾患」を持っている人にはリスクになることも

「女性疾患が多い方に関してはエストロゲンが増えることがリスクになることもあるので、大豆食品の大量摂取はご注意下さい」(浅野先生)

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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