健康・ヘルスケア
2019.3.29

大豆食品を食べると女性ホルモンが増えるってホント?真相を管理栄養士に直撃

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日常に潜む美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“食”について。大豆食品を食べると女性ホルモンが増えるって……ウソ? ホント? ウワサの真相を管理栄養士の浅野まみこさんにお答えいただきます。

Q:大豆食品を食べると女性ホルモンが増えるってホント?

加齢とともに分泌量が減少するという女性ホルモン・エストロゲン。一方、大豆には、エストロゲンに似た働きをするという大豆イソフラボンが多く含まれています。ということは、大豆食品をたくさん食べれば、女性ホルモンが増えるってこと?

浅野さんに真実を教えていただきます。

A:ウソです

「大豆食品を食べたからといって、女性ホルモンが増えるわけではありません。大豆食品含まれる大豆イソフラボンによって、エストロゲンと似た働きをするエクオールが作られるということ。それが、加齢によって分泌量が減り、更年期障害などの要因となるエストロゲンの作用を補うといわれています」(浅野先生・以下「」内同)

大豆イソフラボンのエクオール産生効果を得られるのは日本人の約半分

「エクオールは、大豆イソフラボンをもとに体内で作られます。ただし、エクオールは誰でも作れるわけじゃないんです。エクオール産生菌が腸内にいて、しっかり活動していないと作られません。体内でエクオールを作り出せるのは日本人のおよそ半分と言われています。そのため、エクオールを直接摂取できるサプリもあります。

 とはいえ、エクオール産生は、腸内環境の変化にも左右されるもの。大豆食品を多く食べることがエクオールを作る上で重要なポイントにもなってきます。大豆食品を日常的に摂取するに越したことはありません」

 大豆食品の適量摂取で病気のリスクも減らせる

また、大豆食品を2日に1回など、週4回ほどの摂取することで女性では血管炎症、脳梗塞などの疾患に対するリスクが下がるというデータも出ています。そういった効果の他にも、大豆食品は女性に不足しがちなタンパク質を多く含む食品です。タンパク質が不足すると貧血や免疫力の低下に加え、美容面でもむくみ、肌荒れ、太りやすくなるなどのトラブルが起こりえます。この観点からみても、積極的に摂ってほしいですね。

 ただし、女性疾患が多い方に関してはエストロゲンが増えることがリスクになることもあるので、大豆食品の大量摂取はご注意下さい」

 ダイエット中にも大豆食品に注目

「肉や魚などの動物性のタンパク質は、トレーニングで傷ついた筋肉を早く回復させる効果があります。しっかりと筋肉をつけたいときは、動物性のタンパク質がおすすめです。

一方、植物由来の大豆タンパク質は脂質量も少なく、食物繊維も豊富です。しなやかな筋肉の維持やダイエット中や引き締まった体を作るのに向いていますよ」

 

管理栄養士
株式会社エビータ 代表取締役
栄養士大学 学長
一般社団法人 栄養士戦隊☆隊長
浅野まみこさん

総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、健康経営サポートや商品開発、人材育成、健康サービスコンサルティングを得意とする。コンビニや外食を使った実践型栄養アドバイスをフィールドワークとし、「コンビニ外食健康法」などの講演が人気を呼び、年間100時間以上の講演を行う。メディアや雑誌にも多数出演。新著に『血糖値は食べて下げる寝て下げる』(アスコム)血糖値を下げる夜9時からの遅ごはん』(誠文堂新光社)コンビニ食・外食で健康になる方法』(草思社)。夕刊フジで「きょうから実践 外食・コンビニ健康法」毎週水曜 連載中。

エビータ

文/土屋美緒

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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