“唾液”にはウイルス退治、虫歯予防などメリットがいっぱい!よくかむ食材を選んで唾液量を増やそう
よく噛む習慣をつけることで唾液量は常に増え、メリットがいっぱい!噛むメリットと共通部分もある唾液の魅力を、宝田歯科医院 院長の 宝田恭子先生に聞きました。
たくさん咀嚼すると増える“唾液”にはメリットがいっぱい!
1.口の動きを円滑にする
「唾液量が増えると、口の動きがスムースになり、さらに咀嚼もしやすくなるという相乗効果が生まれます」(宝田先生/以下同)
2.食べ物の味を溶解する
「食べ物の風味やおいしさを感じやすくなり、味覚の発達につながります」
3.口の中の清掃を助ける
「口の中に残った食べカスや大きな汚れは、唾液と一緒に洗い流されるので、ある程度、口の中を清潔に保てます」
4.ウイルスを退治
「唾液は外から侵入するウイルスや細菌、口の中の虫歯菌や歯周病菌といった病原微生物を退治する酵素を含んでいるから、病気から守ってくれます」
5.虫歯予防
「食べ物の多くは酸性のため、食事をすると口の中が酸性に傾き、虫歯になりやすい環境に。唾液はその環境を中和する作用があります」
6.若返りホルモンの分泌
「パロチンというアンチエイジングに欠かせない酵素は、良く噛むことで出てくる若返りホルモンといわれています。楽しくゆっくり噛んでから飲み込むことで、パロチンを体内へ再吸収させることが重要です」
咀嚼回数が多い食材はコレ!
一口30回を目安にするには、よくかむ食材を選ぶのが近道。さまざまな食材の中でも、特に咀嚼回数が多いものを、管理栄養士の美才治真澄さんに教えてもらいました。
野菜・果物
「繊維が多く、よく噛まないと飲み込みにくい食材。皮が食べられるものはそのまま食べると咀嚼量がUP」(美才治さん/以下同)
玄米・雑穀米
「白米よりもかたいため、噛む回数が増えます。また、不溶性食物繊維が豊富なのもうれしい食材。かために炊くのもポイントです」
乾物
「素材がかたく、咀嚼に力が必要。水で戻すものは、時間を短くしかために戻す工夫を」
水分の少ないもの
「バゲットやドイツパン系の黒パン、焼いたトーストといったパン類や、焼いた油揚げなど、水分が少ないものも咀嚼回数が必要で、噛む程に唾液量も増えます」
ナッツ類
「アーモンドやクルミといったかたいナッツ類は、料理のトッピングとして使うと咀嚼回数が増やせます」
肉類
「肉の繊維が噛み切りにくく、咀嚼回数が増えます。ダイエット中におすすめなのは、糖質をエネルギーに変える手助けをするビタミンB1が豊富な豚赤身肉です」
魚介(イカやタコ)
「生のイカやタコは弾力があるのでよく噛む食材。また、イカは低脂肪高たんぱくで魚介の中でもマグネシウムが豊富なので、ダイエットに最適」
教えてくれたのは…
宝田歯科医院 院長 宝田恭子先生
管理栄養士 美才治真澄さん
美的8月号掲載
撮影/島村 緑 イラスト/深川直美 構成/越後有希子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。