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2023.6.23

明太子の「糖質」と「栄養」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方

福岡の名産としても知られる明太子はスケトウダラの卵巣を唐辛子などの調味液で漬けたものを指しており、スケトウダラの韓国語名である明太(ミョンテ)の子から「明太子」と呼ばれるようになったと言われています。ごはんのおともからお酒のおつまみまで食卓でも大活躍するほか、明太子味のお菓子も多く見られ、人気の高い食品です。今回はそんな明太子にはどのような栄養素が含まれ、ダイエットや美容とどのような関わりがあるのか解説します。

明太子の「カロリー」と「糖質」

明太子や一般的によく食べられている他の魚卵に含まれているカロリーと、糖質の量について解説します。

明太子のカロリーと糖質(可食部100g)

明太子
エネルギー……121kcal
糖質…3.0g

1腹(小さめ) 可食部約50g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ほかの魚卵(可食部100g)との比較

魚卵の種類 エネルギー(kcal) 糖質(g)
明太子 121 3.0
たらこ(生) 131 (0.4)
いくら 252 (0.2)
かずのこ(塩蔵水戻し) 80 (0.6)
うに(生) 109 (3.3)
キャビア(塩蔵) 242 (1.1)
からすみ 353 (0.3)

以上のように明太子は他の魚卵と比較するとエネルギーは平均的、糖質は多めであることがわかります。ただし、多いと言っても魚卵は全体として糖質が少なく、1回に食べる量も多くないことから糖質とエネルギーに注目するとダイエット中に制限しなければいけないほどではありません。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

明太子に含まれるそのほかの栄養素

カロリーや糖質以外で明太子に多く含まれる一般的な栄養素について紹介します。
可食部100gあたり

明太子
たんぱく質(g) 21.0
脂質(g) 3.3
炭水化物(g) 3.0
食物繊維(mg) (0)
カリウム(mg) 180
亜鉛(mg) 2.7
ビタミンD(μg) 1.0
ビタミンE(mg) 6.5
ビタミンB1(mg) 0.34
ビタミンB2(mg) 0.33
ナイアシン(mg) (24.0)
ビタミンB12(μg) 11.0
ビタミンC(mg) 76
食塩相当量(g) 5.6
EPA(mg) 420.0
DHA(mg) 530.0

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

明太子に多く含まれる「栄養素」

明太子に含まれる栄養素のうち、代表的な働きを持つ栄養素について解説します。

カプサイシン

カプサイシンは唐辛子の辛さの素となる成分で、舌の痛覚を刺激することで辛味として認識されています。唐辛子を使った食品を食べると体が熱くなったり汗をかいたりするのはカプサイシンによってアドレナリンが分泌され、エネルギーの代謝が促進されるためです。この働きによって脂肪の分解が促進されるほか、血流の改善や高血圧の予防、コレステロールを下げるのにも効果があるとされています。

ビタミンB12

明太子に豊富に含まれるビタミンB12は水溶性のビタミンの一種で赤血球を作り出すときに必要となるため、造血のビタミンとも呼ばれる栄養素です。貧血を予防するほか神経機能を正常に保つ、眼精疲労の回復、睡眠を促す効果などもあるとされています。不足すると貧血のうち悪性貧血を引き起こすほか、手足のしびれや痛み、集中力の低下などが起こる神経障害が見られることもあるため、意識して取り入れることが大切です。

ダイエットに効率的な「摂取方法」

ダイエット中に明太子を食べる場合におすすめする量や時間帯、食べ方について解説します。

1日に食べるのにおすすめの明太子の量

明太子には塩分が多く含まれるため、1日に食べる量の目安は1/2本(1/4腹)程度がおすすめです。成人女性の食塩の摂取目標量は6.5g未満(出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版))のため、食事の中の組み合わせによってはこの目標量を上回ってしまう可能性が高くなります。
また、明太子に含まれるカプサイシンは食べ過ぎると胃腸に不調をきたす危険があるため、胃腸が弱い方は特に食べ過ぎないよう注意が必要です。食事の中でバランスを見て上手に取り入れるとよいでしょう。

明太子を食べるのに適した時間帯

明太子には不飽和脂肪酸であるEPAやDHAも含まれています。これらの脂質は朝に摂ると吸収されやすいため、朝に食べるのがおすすめです。逆に夜は食べ過ぎると塩分の摂りすぎでむくむリスクが上がることと、ごはんやお酒が進んで糖質の摂りすぎにも繋がりやすいため、ダイエット中は特に注意しましょう。

明太子の栄養を効率良くとる方法

明太子は新鮮なものが手に入るようであれば生食するのがおすすめです。豊富に含まれるEPAやDHAは熱に弱い性質を持つため、火を通さない方が効率的にそれらの栄養素を摂取することができます。また、一緒に種実類や緑黄色野菜などのビタミンEを豊富に含む食材を食べることで、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐこともできるため、組み合わせも工夫するとよいでしょう。

「美容」への作用・メリット

ダイエット効果

明太子に含まれるカプサイシンは体内に入ると、アドレナリンを分泌し、脂肪を燃やすのに役立つ成分です。本来エネルギーとして消費するのは糖質が先のため、体脂肪を燃焼させるのは難しいとされていますが、アドレナリンが分泌されることによって早い段階から脂肪をエネルギーとして使うことができるようになります。ダイエット中に明太子のようにカプサイシンを含む食品を取り入れることで、脂肪燃焼が効率的に行われるため、食べ過ぎに気をつけて適度に取り入れるとよいでしょう。

美肌・美髪効果

明太子に含まれるナイアシンと亜鉛は肌や髪の生まれ変わりに関わる栄養素のため、健康な肌や髪を作り出すのに役立ち、常に若々しく保つことができます。またカプサイシンは便秘や冷え性を解消する働きがあるため、老廃物を排出し、肌に栄養を届けることで美肌に役立つ栄養素です。ほかにも肌を傷つける活性酸素を取り除く抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンEとビタミンCも含まれるため、肌の老化を予防する働きも期待できます。

管理栄養士

川島 尚子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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