そらまめの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
そらまめは4~6月に旬を迎えるマメ科の植物です。さやが空に向かって育つことから空豆と呼ばれる場合と、さやが蚕の繭に似ていることから蚕豆と呼ばれる場合があります。野菜として未熟な豆を茹でるなどして食べるほか、完熟した豆はフライにしてスナック感覚で食べることもあり、世界中で親しまれる食材です。今回はそんなそらまめの栄養成分とダイエットや美容との関りを紹介します。
そらまめの「糖質」と「カロリー」
そらまめや他の代表的な未熟豆に含まれているカロリーや糖質を紹介します。
そらまめのカロリーと糖質
そらまめ(生)(可食部)100gのエネルギーおよび糖質
エネルギー…102kcal
糖質……13.2g
可食部1さやあたり5粒程度、約20g
そらまめ(茹で)(可食部)100gのエネルギーおよび糖質
エネルギー…103kcal
糖質……13.7g
そらまめ(フライ)(可食部)100gのエネルギーおよび糖質
エネルギー…436kcal
糖質……38.4g
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ほかの未熟豆(可食部100g)との比較
未熟豆の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
そらまめ(生) | 102 | 13.2 |
そらまめ(茹で) | 103 | 13.7 |
いんげんまめ | 23 | 2.2 |
えだまめ | 125 | 4.7 |
らっかせい | 306 | 9.5 |
以上のように同じ未熟豆を比較すると、いんげんまめは豆の部分を主として食べるというよりもさやを主に食べる野菜のため、エネルギーや糖質が少なく、そらまめは糖質が多めであることがわかります。ただし、らっかせいほどではないため、ダイエット中は量に気をつけて取り入れるとよいでしょう。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
そらまめに含まれるそのほかの栄養素
調理法の異なるそれぞれのそらまめに含まれている代表的な栄養素について紹介します。
可食部100gあたり
そらまめ(生) | そらまめ(茹で) | そらまめ(フライ) | |
たんぱく質(g) | 10.9 | 10.5 | 24.7 |
脂質(g) | 0.2 | 0.2 | 20.8 |
炭水化物(g) | 15.5 | 16.9 | 46.4 |
食物繊維(g) | 2.6 | 4.0 | 14.9 |
カリウム(mg) | 440 | 390 | 710 |
鉄(mg) | 2.3 | 2.1 | 7.5 |
亜鉛(mg) | 1.4 | 1.9 | 2.6 |
銅(mg) | 0.39 | 0.33 | 0.77 |
ビタミンB1(mg) | 0.30 | 0.22 | 0.10 |
ビタミンB2(mg) | 0.20 | 0.18 | 0.05 |
葉酸(μg) | 120 | 120 | 120 |
食塩相当量(g) | 0 | 0 | 1.8 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
そらまめに多く含まれる「栄養素」
そらまめに含まれている栄養素のうち、前述の葉酸や亜鉛と特徴的な働きを持つレシチンについて紹介します。
葉酸
ビタミンB群の一種で造血のビタミンと呼ばれ、不足すると貧血になるリスクがある栄養素です。胎児の神経系の形成に不可欠なため、妊娠中に不足すると胎児の成長にも影響が出てしまいます。妊娠中や妊娠の予定がある女性は必要量が増えるため、特に意識して摂取する必要があるビタミンです。
亜鉛
亜鉛は微量ミネラルの一種で、その中でも不足しやすいと言われる栄養素です。味覚を正常に保つのに欠かせないほか、新陳代謝にも関わるため、不足すると皮膚の健康や体の成長にも影響が現れます。特にダイエット中で食事量を減らしている方や成長期の子供、高齢者は不足しやすいため、日常的に意識して取り入れるようにしましょう。
レシチン
レシチンは脂質の一種で体を作り出す材料として欠かせない成分です。脳の栄養素とも呼ばれ、記憶力などの脳の機能に関わるほか、コレステロール値を調整する働きや肝機能を高める働きも持っています。動脈硬化、脂肪肝、肝硬変などの予防にも効果があるとされるため、これらのリスクが高い方は積極的に取り入れたい栄養素です。
ダイエットに効率的な「摂取方法」
ダイエット中にそらまめを食べる場合、量や時間、食べ方、どのような方法が効果的なのかを紹介します。
1日に食べるのにおすすめのそらまめの量
そらまめは1日に50g程度がおすすめです。一般的な葉野菜などの水分をある程度含むような野菜と比較すると野菜として食べるには糖質もある程度含み、エネルギーも高めのため、特にダイエット中には食べ過ぎないようにするとよいでしょう。
そらまめを食べるのに適した時間帯
そらまめは糖質をある程度含んでいるため、夜遅い時間に多量に食べるのは控えた方が良いでしょう。適量であれば肝臓の機能を助ける働きも持つため、アルコールを飲む際におつまみとして取り入れるのもおすすめです。
そらまめの栄養を効率良くとる方法
そらまめに含まれるビタミンB群は水溶性のため、茹で方に注意が必要です。長時間たっぷりのお湯で茹でると流れ出てしまい、損失が大きくなってしまいます。少ない水でサッと茹でるか、焼きそらまめにするのがおすすめです。
フライになっているものは水分が減る分食物繊維やミネラル類は見かけ上多くなっていますが、代わりに水溶性のビタミン類は減少し、揚げた分カロリーも高く、塩分も添加されている場合が多いので、食べ過ぎないように注意しましょう。
「美容」への作用・メリット
最後にそらまめには美容へ具体的にどのようなメリットがあるのか紹介します。
美肌・美髪効果
そらまめに含まれる亜鉛は新陳代謝に関わる栄養素のため、不足すると肌荒れにつながるため、美肌のために意識して取り入れるとよいでしょう。また、ビタミンB2は肌や髪、爪の健康を保つ働きがあるため、しみやしわ、白髪の予防にも役立つとされる栄養素です。同時にレシチンが血管内でコレステロールが固まるのを防ぐことで、血液の循環を良くし、肌に必要な酸素や栄養素を運ぶため、美肌につながります。
便秘の解消
そらまめに含まれる食物繊維の多くは不溶性のため、腸内で水分を取り込んで、便の量を増やし、便通を促してくれる働きを持ちます。特に旬を迎えた出始めのそらまめは薄皮も柔らかく、一緒に食べることができるため、より多くの食物繊維を食べることができておすすめです。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。