食・レシピ
2023.3.15

焼肉の「栄養」と「効能」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方

最近では一人焼肉のお店も増えて、気軽に利用できるようになった焼肉。ご自宅でご家族と楽しむ方、友達とわいわい楽しむ方、おひとりで好きなものを思い切り楽しむ方など、その楽しみ方もさまざまです。

焼肉はカロリーが高そうなイメージもありますが、実際のところ焼肉のメニューの糖質や栄養素はどうなのか、ダイエット中に注意すべきところなども踏まえて解説します。

焼肉の「糖質」と「カロリー」

焼肉のカロリーと糖質(可食部100g)

代表的な牛肉の部位を比較しました。
牛カルビ(バラ)
エネルギー……472kcal
糖質……0.1g

ヒレ
エネルギー……207kcal
糖質……0.3g

肩ロース
エネルギー……380kcal
糖質……0.2g

リブロース
エネルギー……514kcal
糖質……0.1g

焼肉1切れあたり 約25g

出典:「文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ほかの部位(可食部100g)との比較

肉の種類 エネルギー(kcal) 糖質(g)
牛カルビ(バラ) 472 0.1
ヒレ 207 0.3
肩ロース 380 0.2
リブロース 514 0.1
牛タン 318 0.2
ミノ(第1胃) 166 0
ハチノス(第2胃) 186 0
センマイ(第3胃) 57 0
マルチョウ(小腸) 268 0
レバー 119 3.7
焼肉のたれ 164 32.1

以上のように牛肉の各部位を比較すると、いずれも糖質はかなり少ないですが、エネルギーに大きな差があることがわかります。また、焼肉のたれに関しては糖質の量が多くなっているため、味付けを選ぶ際には注意が必要です。
出典:「文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

焼肉に含まれる栄養素

可食部100gあたり

牛カルビ(バラ) ヒレ 牛タン レバー
水分 38.4g 64.6g 54.0g 71.5g
たんぱく質 11.0g 19.1g 13.3g 19.6g
脂質 50.0g 15.0g 31.8g 3.7g
炭水化物 0.1g 0.3g 0.2g 3.7g
ナトリウム 44mg 40mg 60mg 55mg
カリウム 160mg 340mg 230mg 300mg
カルシウム 4mg 3mg 3mg 5mg
マグネシウム 10mg 22mg 15mg 17mg
リン 87mg 180mg 130mg 330mg
1.4mg 2.5mg 2.0mg 4.0mg
亜鉛 3.0mg 4.2mg 2.8mg 3.8mg
0.09mg 0.09mg 0.09mg 5.30mg
マンガン 0mg 0.01mg 0.01mg
ヨウ素 1μg 4μg
セレン 10μg 50μg
クロム 0μg Trμg
モリブデン 2μg 94μg
ビタミンA 3μg 1μg 3μg 1100μg
ビタミンD 0μg 0μg 0μg 0μg
ビタミンE 0.6μg 0.4μg 0.9μg 0.3mg
ビタミンK 16μg 4μg 9μg 1μg
ビタミンB1 0.04mg 0.09mg 0.10mg 0.22mg
ビタミンB2 0.11mg 0.24mg 0.23mg 3.00mg
ナイアシン 5.2mg 8.4mg 6.4mg 18.0mg
ビタミンB6 0.16mg 0.37mg 0.14mg 0.89mg
ビタミンB12 1.2μg 1.6μg 3.8μg 53.0μg
葉酸 2μg 8μg 14μg 1000μg
パントテン酸 0.74mg 1.28mg 0.68mg 6.40mg
ビオチン 1.9μg 76.0μg
ビタミンC 1mg 1mg 1mg 30mg
食塩相当量 0.1g 0.1g 0.2g 0.1g

出典:「文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ダイエットに効率的な「摂取方法」

1日に食べるにおすすめの量

たんぱく質の1日の目標量は成人女性で50g程度とされ、1食当たりでは17g程度(出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版))の計算です。紹介した部位の中で、たんぱく質含有量が多いヒレであれば100g食べると補えます。

カルビも6枚程度で目標量を満たせますが(「出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)」)、脂質が多いため、カルビのみで補おうとするよりもほかの部位と組み合わせる方がいいでしょう。

焼肉を食べるに適した時間帯

ヒレなどの脂質や糖質の少ない部位を塩で食べる場合は、どの時間帯でも問題ありません。

しかし、脂質の多い部位を選ぶ、焼肉のたれをたっぷり使う、一緒にごはんを食べる、ビビンバや冷麺を頼む、といった糖質や脂質を多く含むものを一緒に食べる場合はできるだけ昼間の早めの時間の方がよいでしょう。

焼肉の栄養を効率良くとる方法

たんぱく質の代謝に役立つのがビタミンB6で、野菜類や穀類、魚介類、種実類などに多く含まれます。焼肉を食べる際は肉だけでなく、サイドメニューで野菜などを注文すると効率的です。また、ビタミンB6は腸内細菌によっても作られるため、腸内環境を整えるとよいでしょう。

牛肉は鉄を多く含む部位もあり、鉄はビタミンCとともにとることで吸収率が高まるため、糖質の多いたれを使うよりもレモンを絞って食べるのがおすすめです。

焼肉に多く含まれる「栄養素」

たんぱく質

牛肉に含まれるたんぱく質は良質なたんぱく質と言われ、食べ物からしか摂取できない必須アミノ酸がバランス良く含まれます。たんぱく質は人の体を作る成分のうち、水の次に多く含まれ、性質や作用が異なるたんぱく質として何万種類も体の中に存在する成分です。

免疫に関わる物質が作れなくなると免疫力が下がり、赤血球が作られないと貧血に、コラーゲンが作られないと血管や肌がもろくなるなど、不足すると体中のいたるところで不調が起こります。ほかにも女性であれば月経不順、子どもは成長不良が起こってしまうため注意が必要です。

L-カルニチン

L-カルニチンはアミノ酸の一種で、脂肪を燃焼させる効果を持つ栄養素です。主に肉類に多く含まれているため、焼肉を食べると豊富に摂取できます。

L-カルニチンが不足して脂肪がうまく燃焼できないと、血液中にコレステロールや中性脂肪がたまり、動脈硬化などの生活習慣病のリスクも高まるため、意識してとることが必要な栄養素です。

「美容」への作用・メリット

美肌効果

肌や髪を作り出すコラーゲンも、たんぱく質から作られています。たんぱく質をきちんと摂取することで、新しい肌や髪が作られて入れ替わり、若々しい肌や髪を保つのに効果的です。

たんぱく質が不足するとコラーゲンの原料がなくなり、新しく作れなくなるため、肌の潤いや弾力を保てなくなります。

ダイエット効果

牛肉に含まれるL-カルニチンによって体にたまった脂肪を燃やしてエネルギーとして使うことで、脂肪がつきにくく、太りにくい体になります。また、たんぱく質は筋肉を作る際に役立ち、筋肉が減って基礎代謝が落ちるのを防ぐため、焼肉で効率的に補うとよいでしょう。

基礎代謝とはじっとしていても消費するエネルギーの量を指し、筋肉の量に比例していて、これが高いと痩せやすいと言われるため、ダイエット中には基礎代謝が落ちないように気をつけるのがポイントです。

管理栄養士

川島 尚子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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