ストレスなどでできる白髪。原因と改善方法【4選】
誰でもなる白髪。年齢に関係なくなってしまう原因や白髪ができる仕組みを掲載。増えないための改善方法やマッサージ方法もご紹介します。
ストレスで白髪が増えるってホント?
A.都市伝説ではなくホントの話です。
「最近の研究ではノルアドレナリンが分泌されるとメラニンの色素幹細胞を殺してしまうということがわかってきています。少し前まではストレスを感じるとメラノサイトを攻撃するため、自己免疫の働きによって白髪になるという説がありましたが、ノルアドレナリンの説が最近の有力な説です」(藤井さん)
白髪になる原因「6つ」
- 加齢
- 遺伝
- 貧血などの病気
- 食生活の乱れ
- ストレス
- 紫外線
加齢やストレスなどが原因
「白髪の原因は加齢や遺伝、生活習慣、過度の飲酒や食生活の乱れ、ストレスなどいろいろあります。あとは病的な原因として貧血など、疾患が原因になる場合もあります。その中でも特に加齢と遺伝によるものは、改善は難しいと考えられます。一方、生活習慣や食生活の乱れやストレスで起きる白髪については、原因を取り除けば、また黒髪が生えてくる可能性もあると言えます」(渡部さん)
紫外線は頭皮自体にも良くない
日華化学株式会社 デミ コスメティクス
化粧品研究部グループリーダー
藤井義宣さん
福井県出身。金沢大学卒業後、2006年に日華化学株式会社入社。入社以来、17年間化粧品の研究開発一筋でヘアカラーやスタイリング剤、ヘアケアなどさまざまな商品を担当。豊富な知識と経験でヒット商品を続々と開発し、多くのスカルプケア商品の開発にも携わる。新商品であるDEMI DO(デミドゥ)では開発責任者として開発全般の指揮を執る。
Point
・メラノサイトを老化させる・DNAを傷つける
「紫外線は黒い色素を作るメラノサイトを老化させてしまう可能性があります
紫外線が肌に与える影響と同じく、頭皮にも光老化が起こります。紫外線を浴びた頭皮には活性酸素が発生し、メラノサイトを老化させてしまいます。さらに紫外線B波はエネルギーが強く、直接DNAを傷つけることも。メラノサイトの老化、DNAが損傷することで白髪が発生する可能性は高くなります」(藤井さん・以下「」内同)
白髪ができる仕組み
- メラノサイトの素となる細胞が供給されない
- メラニンを作る工場の稼働率が悪い
- メラニンが毛母細胞に受け渡されない
「本来透明な髪の毛にメラニンが作られなくなったり、取り込まれなくなることが原因で白髪が発生します。原因としてはメラノサイトの素となる細胞が供給されなくなることがひとつ。メラノサイトはメラニンを作る工場なので、このメラノサイトの素となる細胞が供給されなければ、メラニンを作ることができませんよね。
ふたつ目はメラノサイトの工場は稼働しているものの、原料と労働力不足で稼働率が悪い状態です。
チロシンというアミノ酸からメラニンを合成しますが、原料だけでなく“働く人”がいなければ工場はうまく稼働しません。その労働力となるのがチロシナーゼという酵素です。“原料”と“働く人”がしっかり揃わないとメラニンを作ることができません。さらにチロシナーゼを活性化させるMITF遺伝子という“工場長”のような役割をする遺伝子がありますが、その遺伝子も加齢により発現量が低下するため、工場の稼働率が悪くなり、白髪の原因に。
3つ目は作られたメラニンが毛母細胞に受け渡されないことで起こる白髪です。メラノサイトには樹状突起という木の枝のように分岐した複数の突起があります。作られたメラニンはこの樹状突起から付近の毛母細胞へと受け渡されます。しかし、この樹状突起が短い、またはない状態のメラノサイトではメラニンを毛母細胞に受け渡すことができません。」
白髪を増やさない方法【4選】
【1】食生活を改善させる
美容家&ヘアケアリスト(毛髪診断士)
余慶 尚美さん
髪の総合的な知見に加え、巡り、漢方美容、薬膳といった観点を取りいれた美髪メソッド「髪トレ」を考案。美しい髪の作り方はもちろん、髪と共に生きていく女性のライフスタイルまでケアする活動に力を入れている。著書に「髪トレ」(主婦の友社)。
Point
メラニン色素の原料のひとつである“チロシン”を多く含む食材・乳製品や大豆・ナッツ類、果物ではバナナやアボカド、りんご
・魚介類では、かつお、まぐろ、たらこ、ちりめんじゃこなど
メラノサイトのはたらきを活性化してくれる“ヨード”を多く含む食材
・こんぶやひじき、わかめ、のりなどの海藻類
・いわしやさば、かつお、ぶりなどの魚介類など
「メラニン色素やメラノサイトのはたらきを助けてくれる食材を積極的に摂るのもよいですね。
まずは、メラニン色素の原料のひとつである“チロシン”。抗ストレス作用もあるので、毎日口にするようにしましょう。乳製品や大豆・ナッツ類、果物ではバナナやアボカド、りんご、魚介類では、かつお、まぐろ、たらこ、ちりめんじゃこなどに多く含まれています。
続いては、メラノサイトのはたらきを活性化してくれる“ヨード”。こんぶやひじき、わかめ、のりなどの海藻類、いわしやさば、かつお、ぶりなどの魚介類に多く含まれています」(余慶さん)
【2】紫外線対策をする
日華化学株式会社 デミコスメティクス
PR
菅野麻衣さん
約6年間、都内で美容師として活動後、2007年に日華化学株式会社 デミコスメティクスにインストラクターとして入社。約13年間にわたり、カラーやパーマなどのケミカル分野からヘッドスパ、頭皮・皮膚知識まで幅広い美容師向けの講師活動を国内外で行う。長年培った経験と知識を活かし、現在はPR・広報担当として活動中。
Point
頭皮にも日焼け止めを「頭の紫外線対策というと帽子や日傘という人も多いのですが、頭皮は汗も多くかくため、肌のように日焼け止めを使うのがおすすめです。髪で隠れている部分には塗らなくても大丈夫ですが、特に紫外線が当たりやすい頭頂部や分け目はしっかりつけるようにしましょう。
分け目をいつも同じにせず、変えるというのも紫外線が当たるリスクを減らす方法です。頭皮は顔の皮膚に比べて4倍ほど厚みがあるため、気づかぬうちに日焼けしていることも多いです。気になったときには“時すでに遅し”ということも。曇っていても日焼けをしますし、これからのシーズンは晴天に加え、海水浴をする機会も増えると思います。海水は日焼け止めも取れやすくなるため、こまめに塗り直しをするようにしましょう」(菅野さん)
【3】血流をアップさせる
医学博士
赤澤純代先生
金沢医科大学病院 女性総合医療センター長。女性医療、アンチエイジング、漢方など、統合的な医療を通し不調をサポート。『血流美人』『血管の強化書』(ワニブックス)ほか著書多数。
- 湯船に10分以上つかる
- デカフェにする
- 玄米にする
- 階段を使う
- ネガティブ思考をやめる
「生理痛、肩こり、片頭痛などの体の不調、シミやシワ、白髪や薄毛などはどれも血流の悪さが原因です」(赤澤先生)
【1】湯船に10分以上つかる
お風呂は最高の血行促進習慣。10分くらいは適温の湯船につかるのがおすすめ。湯船の中では本を読むのもいいけれど、足指の股、くるぶしなど下からさすってマッサージすればなお良し。長くつかれば汚れも落とせます。
【2】デカフェにする
利尿作用のあるカフェインを含むコーヒーは、飲みすぎると瘀血につながります。コーヒーを飲んだら同量の水や炭酸水を飲むか、カフェインフリーのデカフェを選んで。なお紅茶や日本茶もカフェインを含みます。
【3】玄米にする
便秘をすると血流が悪化して瘀血になりがち。なるべく多くの食物繊維をとり、腸の環境を整えましょう。白米より玄米、白砂糖は減らす、加熱していないものを食べるなど、健康的な食生活は血流もスムースにします。
【4】階段を使う
運動不足も血流が滞る原因。1日最低でも7,000歩は歩くなど、運動を心掛けましょう。階段のほか、ひと駅分歩く、タクシーに乗らないなど、地道な運動習慣が大切。ステイホーム中ならスクワットも有効です。
【5】ネガティブ思考をやめる
鬱状態になると体を動かすのが億劫になり、血流の悪化を招きます。また、交感神経が優位になりすぎるのもNG。太い血管が収縮し、毛細血管に血液が行きづらくなります。寝る直前までスマホを見るのは避けましょう。
【4】自律神経を整える
「ストレスが強くかかると、リラックスモードの副交感神経よりも、緊張・興奮モードの交感神経が優位な状態が長くなり、自律神経のバランスがくずれます。
好きな香りをかぐ、音楽を聴く、美しいものを眺める、ハーブティーを飲むなど、五感が喜ぶストレスケアで、自律神経を整えましょう」(伊藤先生)
血行不良に効くマッサージ方法【2選】
【1】道具なしでできるマッサージ
STEP1:両手を組み、襟足をゆっくりつまむ
両手を組んで、首の後ろに置き、手根で襟足辺りをつまむように、手のひらに力を入れる。気持ちいいと思える圧で、5回繰り返しマッサージ。
STEP2:親指で、第1頸椎から第8頚椎までを刺激
親指の腹で、襟足から伸びている筋のすぐ外側をプッシュ。もみほぐしながら、だんだんと下へ下げ、首のつけ根までマッサージして。
STEP3:肩をすくめて首をローリング
肩をすくめるようにして、首を後ろに倒す。その状態で、首を左右にロ ーリングして、こっている場所をほぐす。オフィスでひと息つくときに。
STEP4:カチューシャゾーンをマッサージ
手をグーにして、第1関節から第2関節をこめかみにセッ ト。手を小さく回しながら、カチューシャをつける生え際部分をまんべんなくほぐして。
STEP5:ザビエルゾーンをマッサージ
頭のトップを同じ要領でマッサージ。プロのようにマッサージしようとせず、まずはほぐすクセをつけましょう!
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【2】ブラシを使ったマッサージ
美容エディター、毛髪診断士
伊熊 奈美さん
編集者として「女性のリアルな暮らしに活かせる美容・健康情報」を念頭に企画・取材。女性誌、新聞、WEB媒体等で20年以上執筆中。特にヘアケア・毛髪科学関連分野を得意とし、美容記事の監修や講演活動も行う。著書に『頭皮がしみる、かゆいは危険信号! いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)がある。
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STEP1:円を描きながらほぐす
側頭部から後頭部へ、円を描きながら移動し、頭皮をほぐす。
STEP2:襟足から上にブラッシングする
後頭部は襟足から頭頂へと滞った血流を流すように。
STEP3:頭全体を斜めにブラッシング
血流を頭頂全体にめぐらせるように斜めにブラッシング。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
福井県出身。金沢大学卒業後、2006年に日華化学株式会社入社。入社以来、17年間化粧品の研究開発一筋でヘアカラーやスタイリング剤、ヘアケアなどさまざまな商品を担当。豊富な知識と経験でヒット商品を続々と開発し、多くのスカルプケア商品の開発にも携わる。新商品であるDEMI DO(デミドゥ)では開発責任者として開発全般の指揮を執る。