髪の毛の老化は30代から始まるってホント？真相を専門家に直撃！【美容の常識ウソ？ホント？】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“抜け毛”について。髪の毛の老化は30代から始まるって…ウソ？　ホント？　美容家＆ヘアケアリスト（毛髪診断士）の余慶尚美さんにお答えいただきます。

Ｑ：髪の毛の老化は30代から始まるってホント？

ここ最近、髪の毛にハリやコシがなくなってきた、パサつきやうねりが気になるようになってきた…。アラフォー女性に多い髪のお悩みですが、実はこれ、加齢のサインなのだとか。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を余慶さんにぶつけてみました！　果たして答えは…？

Ａ：ホント

「髪も肌と同じで、20代をピークに、その後は徐々に衰えていきます。特に、30代後半からは、髪質の変化が出やすくなってきます」（余慶さん・以下「」内同）

年齢による髪の変化

「30代後半から髪には変化が出始め、40代後半になってくると、明らかに衰えを感じるようになります。

その理由は、髪と女性ホルモンは密接に関わっているから。女性ホルモンのなかでも、卵胞ホルモンである“エストロゲン”は、肌にハリやうるおいを与えたり、自律神経を安定させたり、骨をしなやかに保つなど、女性の美と健康に大きく関係しています。

このエストロゲンの分泌量が低減することで、髪のハリやコシがなくなり、細くなったり、ヘアサイクルが短くなって成長しないまま抜けるなど、薄毛や抜け毛にも影響を及ぼしてしまいます」

女性ホルモンが乱れる要因

「女性ホルモンが乱れる要因は、年齢はもちろんのこと、ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足、冷えなど様々な理由が絡み合っています。女性ホルモンを意識的にととのえるためには、生活習慣そのものを見直すことが大切です」

女性ホルモンを補う方法

「残念ながら、女性ホルモンの分泌量を増やすことはできません。しかし、サプリメントや食材で女性ホルモンのバランスを整えたり、足りない分を補うことはできます。

女性ホルモンとよく似たはたらきをしてくれることで知られる“イソフラボン”が含まれる大豆食品や、サプリメントを摂取するのもおすすめです。また、漢方でホルモンバランスを養う食材とされる、スーパーフードと知られるゴジベリーや山いもやしいたけ、黒ごまを意識して取り入れるのもよいですね」

白髪の原因

「薄毛や抜け毛は改善することはできても、40代後半の方々には申し訳ないのですが、この世代の白髪だけはほぼ直すことができません。黒髪はメラニン色素を多く含んでいますが、白髪はほとんどメラニン色素を含んでいません。40代前半までの白髪であれば、女性ホルモンバランス、生活習慣の乱れなどが原因の一時的な白髪の場合が多いので、黒髪に戻ることは可能です。

その理由は、髪の毛の“黒色”を製造する工場である、メラノサイト（色素形成細胞）の機能が低下してしまうからです。すると、メラニン色素が減少するだけでなく、メラノサイトでつくられたメラニン色素が髪にうまく運ばれないため、黒色がなくなり、白髪になるのです。

また加齢だけでなく、ストレスや病気、遺伝なども原因となります」

白髪のケア

「白髪は老化現象なので元に戻すのは難しいですが、髪のケアを見直すことで、老化スピードを緩めることは可能です。メラニン色素やメラノサイトのはたらきを助けてくれる食材を積極的に摂るのもよいですね。

まずは、メラニン色素の原料のひとつである“チロシン”。抗ストレス作用もあるので、毎日口にするようにしましょう。乳製品や大豆・ナッツ類、果物ではバナナやアボカド、りんご、魚介類では、かつお、まぐろ、たらこ、ちりめんじゃこなどに多く含まれています。

続いては、メラノサイトのはたらきを活性化してくれる“ヨード”。こんぶやひじき、わかめ、のりなどの海藻類、いわしやさば、かつお、ぶりなどの魚介類に多く含まれています」

＼教えてくれたのは／

美容家＆ヘアケアリスト（毛髪診断士）

余慶 尚美さん

髪の総合的な知見に加え、巡り、漢方美容、薬膳といった観点を取りいれた美髪メソッド「髪トレ」を考案。美しい髪の作り方はもちろん、髪と共に生きていく女性のライフスタイルまでケアする活動に力を入れている。著書に「髪トレ」(主婦の友社)。

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