薄毛予防のために、今日から気を付けるべき「7つのこと」
今日からできる薄毛予防法を医師や髪のプロが教えてくれました。薄毛が気になりはじめた方も7つの方法を始めてみましょう。
【予防法1】正しいシャンプー
抜け毛が気になるならシャンプー習慣の見直しを
自分でできる抜け毛対策として、“毎日のシャンプー習慣を見直すこと”も重要です。きちんと汚れを落とし、清潔に保つシャンプーは、髪の土台ともいえる“頭皮環境”を整える大切なステップ。
「頭皮の脂っぽさや臭いを気にする方もいますが、“洗いすぎ”には注意が必要です。女性の場合、総じて頭皮がオイリーな方は少ないと言えます。頭皮が乾燥しているのに洗浄力が強いシャンプーを使うと、乾燥やダメージの原因になることも。抜け毛が気になる時は、アミノ酸系洗浄成分を配合した“低刺激のシャンプー”に切り替えるのも一案です」(浜中先生)
正しいシャンプー方法
大正製薬株式会社
渡部佳子(わたべけいこ)さん
大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所所属。2007年入社以来、OTC医薬品の開発に従事。現在、毛髪科学や皮膚科学に基づく製剤の開発を担当。
頭皮ケアで大切なのは、予洗い、すすぎ、乾燥の3点です。このポイントを押さえて正しいシャンプーを身につけましょう。
(1)髪をとかす
ブラシや櫛で髪の毛をとかします。絡まった髪があれば、丁寧にほぐします。クシを通しておくと、表面についたごみなどを取り除けるだけでなく、髪の毛や頭皮を洗いやすくなります。
(2)予洗いする(お湯だけで髪を洗う)
熱すぎないお湯で、頭皮を洗うように丁寧に洗い流します。耳の上、額などの髪の生え際、後頭部などの流しにくいところもしっかりと流します。この工程を丁寧にやるかどうかで仕上がりが変わってきます。ただ表面を濡らすだけでは、髪の毛までしか浸透せず頭皮まで洗い流せません。しっかりと、頭皮全体が濡れて、しっかり洗えたかどうかを隅々まで確認。
(3)泡立てたシャンプーをつける
手でシャンプーを泡立てます。泡立っていないまま髪につけると、洗う時に髪と髪がこすれあい、髪を痛める原因になるため泡立てずにシャンプーをそのまま髪に塗りつけるのは避けましょう。泡立てた後は、髪の毛にシャンプーをもみ込みます。1か所だけにつけるのではなく、数か所に分けてつけましょう。髪の毛にもみ込んでいくことで、さらに泡立ちます。まずは、表面の髪を泡立て、次に指の腹で優しく丁寧に。爪を立てると頭皮に傷がつきますので、指の腹でもみ込みましょう。
(4)マッサージをする
指に髪の毛が絡まらないように注意しながら、頭皮をほぐすように1~2分マッサージします。マッサージによって血行を促進させることで、頭皮環境の改善が望めます。
(5)よくすすぐ
しっかりと泡がなくなるまで流します。生え際や、普段から洗いにくいと感じている場所を意識して流します。髪の毛の奥に指を入れ、頭皮にお湯を行き渡らせるイメージで洗い流しましょう。
【予防法2】良質な睡眠をとる
睡眠時間は、毎日最低5~6時間は確保して。なるべく“夜寝て朝起きる”、太陽のリズムとともに就寝・起床すると、髪の成長に関与するホルモンのバランスが整いやすくなります。
「しっかり睡眠をとることで、抜け毛の原因の1つとなるストレスの緩和にもつながります。さらに細胞の成長を促す成長ホルモンの分泌にも関わってくるので、良質な睡眠を心がけて」(浜中先生)
【予防法3】バランスの良い食事
「食べ物に関してはビタミン、ミネラル、タンパク質、炭水化物をバランスよく摂取することが理想です。特に髪を作るタンパク質や、タンパク質の合成に関わるビタミン B 群を積極的に摂取しましょう。スタイルを気にして過度なダイエットを実践すると、髪に栄養が行き渡らず1本1本の毛がやせ細ってしまいます。食事制限する場合でも、無理はせず栄養のバランスに配慮してほしいところです」(浜中先生)
【予防法4】ストレスをためない
ストレスをうまく解消し、精神的なゆとりを持つ。
「女性ホルモンの減少やストレスなどによる脱毛の場合は、まず髪を生み出す毛母細胞に充分な栄養を送り届けることを意識しましょう。美しい髪のために、全身を健やかに保つ生活習慣が大切です」(渡部さん・以下「」内同)
【予防法5】頭皮マッサージ3つ
【1】押して離すマッサージ
「健やかな頭皮と髪の成長には血行を良くしてあげることが大事です。日常的に程よい力で頭皮マッサージをすると、血行も良くなり、頭皮もほぐれてきます。さらに、入浴や運動なども全身の血行を良くしてくれるので、おすすめです」
「頭皮を指の腹で、心地が良いと感じる程度の力でゆっくりと押し、ゆっくりと離すというのを繰り返します。首すじからはじめて、少しずつ上に向かって押していきます。
マッサージもやりすぎては頭皮に過剰な負担をかけてしまいますので、朝晩など1日2回程度がちょうどいいと思います。朝のスタイリング前や、お風呂に入っているとき、お風呂上がりなど、髪の毛を触るタイミングでマッサージをすると習慣にもなりやすいですよ。ヘッドスパなどのマッサージを利用する方法もリラックスできますし、ストレス解消にもなって良いと思います」
Point
・1日2回程度・指の腹でゆっくり押して、ゆっくり離す
・下から上へゆっくりと
\おすすめのアイテム/
■大正製薬 美柑の雫[医薬部外品]
価格 | 容量 |
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¥5,720 、トライアル ¥2,200 ※ECサイトのみ | 150mL 、トライアル 28mL |
育毛、薄毛、かゆみ、脱毛予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛などに効果がある、ボタニカル由来の有効成分を配合した自然派育毛剤。頭皮全体にスプレーし、頭皮をやさしくマッサージすることでローションをしっかりなじませます。朝晩の1日2回の使用がおすすめ。
【2】頭皮引き上げマッサージ
ミルボン 研究開発部
渡邉紘介さん
学術的な毛髪研究に取り組み、多くの学会発表を行うミルボンの基礎研究開発チームに所属。大学での共同研究などを通じ、未解明の毛髪化学分野の研究に勤しむ。
(1)頭皮全体を引き上げる
洗髪後、頭皮用美容液を全体に塗布し、ドライヤーで髪を乾かす。その後、5指の腹を生え際に置き、頭頂部に向かって円を描くように頭皮を引き上げる。前頭部・側頭部・後頭部の順で360°行って。痛気持ちいいぐらいの力で行うのが目安。
(2)頭頂部をもみほぐす
両手を組んで頭頂部に置き、両手のひらのつけ根で頭頂部を挟むようにして、強めにほぐし上げる。ポンプで水を吸い上げるように、リズミカルに行うのがコツ。
(3)後頭部をほぐし上げる
襟足のくぼみに両手の親指を置き、円を描くように後頭部全体を引き上げる。このときも痛気持ちいいぐらいの強さで行って。後頭部をほぐすと上半身の血流アップにもつながるので、首・肩こりもケアできる。
\おすすめアイテム/
■ミルボン|オージュア フォルティス ルミナスショット
価格 | 容量 |
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¥7,370 | 100ml |
頭皮の細菌の増殖を抑えて頭皮環境を整え、根元から立ち上がる髪に。
■uka|Reセラム フォースカルプ
価格 | 容量 |
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¥5,500 | 50ml |
頭皮の酸化・糖化をケアしながら巡りを促す。
【3】ブラシを使ったマッサージ
ヘアパーツモデル・毛髪診断士
MANAさん
ヘアパーツモデル事務所『silk』代表。日本で唯一、毛髪診断士の資格をもつヘアパーツモデルとして活躍中。 後進の育成にも力を注いでいる。
「遺伝によるハゲは、実は男性に特有の脱毛。女性の場合、男性ホルモンであるテストステロンの量が少ないため、遺伝でハゲる可能性は低いです。若い頃から薄毛に悩む女性は、最初は単に髪の毛が細くてハリ・コシがなく、『薄毛見え』しているだけかもしれません。でもそこに加齢やストレスが加わると、頭頂部や分け目から本当に薄くなっていきます。それを改善するには、頭皮用美容液+頭皮ブラッシングで頭皮の血流を促し、髪のハリ・コシをアップさせながら発毛も促してあげることが大切。さらにトップからふんわり見せるスタイリングを施せば、薄毛に見られにくくなると思いますよ」(MANAさん)
(1)頭頂部をポンポンとたたく
洗髪後は頭皮が急激に乾くので、タオルドライしたらすぐに頭皮用美容液をなじませて。また濡れた髪は傷みやすいので、ドライヤーで髪の毛を完全に乾かしてからブラッシングをスタート。まずクッション性の高いブラシで頭頂部を上下にポンポンと10回程度、軽くたたく。
(2)頭皮をクルクルと引き上げる
ブラシのピン全体を頭皮に押し当てて、前頭部→側頭部→後頭部の順で、360°マッサージ。クルクルと円を描くように、筋肉ごと動かすようなイメージで、下から上に引き上げるのがコツ。トータルで1分程度が目安。
(3)最後に髪の毛をブラッシング
髪の毛をブラッシングする際は、毛先から10cm単位で少しずつとかしていくのがコツ。髪の毛全体をとかすときは、反対側の手のひらで頭皮を押さえると、頭皮に負担がかからず抜け毛予防にもなるのでおすすめ。
\おすすめアイテム/
■アヴェダ|パドル ブラシ
面が広くクッション性が高いから、頭皮マッサージにも最適。
価格 |
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¥3,740 |
アラミック オーウェイ|ヘアロスレメディ・センシティブスカルプ
価格 | 容量 |
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¥6,600 | 100ml |
頭皮環境を整えながら、ハリ・コシのある髪を育む頭皮用美容液。週に2回の使用でOK。マイルドな処方だから、頭皮が敏感な人にもおすすめ。
【予防法6】サプリメントを摂取する
Q.産後、髪がやせ細り…今後、更年期で一層少なくなりそうで不安
A.髪を育てる栄養素を積極的にとって、薄毛を抑制
産後や更年期など、髪はホルモンバランスに大きく影響を受けます。ホルモン補充療法でホルモンバランスを安定させて髪質変化を抑えることは可能ですが、その前に食事を見直して、髪に良い栄養素をとることが先決です。ビタミン、亜鉛、アミノ酸などを積極的に摂取したいものですが、より効率的にとるためにはサプリを利用するのも手。育毛のために開発された下のふたつのサプリは、特にオススメです。
ドクターケラー|クイックグロウス
価格 | 容量 |
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¥6,380 | 60粒入り |
女性の育毛に足りない栄養を補給。
TAKAKOスタイル|PANTOLEX5 for AMATA
価格 | 容量 |
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¥13,176 | 120粒入り |
人気サロン『AMATA』とコラボした抜け毛薄毛に悩む人向けのサプリ。
【予防法7】薬などによる治療
抗加齢医学専門医
浜中聡子先生
ウィメンズヘルスクリニック東京 院長。脇坂ウィメンズヘルスクリニック大阪 顧問医師、国際アンチエイジング医学会専門医。米国抗加齢医学会専門医。女性頭髪専門外来において、多くの女性の髪悩みに向き合う。
薬剤による治療
内服薬による治療と外用薬による治療があります。唯一発毛効果が認められているミノキシジルを中心に処方されます。その人によって使う薬や濃度が変わりますが、一般的に市販薬よりも医師の診察による処方薬のほうが高濃度で且つ浸透率も高いと言えます。
点滴療法
髪や爪の成長に必要な成分を点滴します。直接血管に投与することで、内服薬や外用薬の効果を、効率良くサポートします。
ホルモン補充療法
ホルモンの分泌量を検査したうえで、天然型のホルモンクリームなどで、不足しているホルモンを補います。
※一部サロン専売品が含まれます。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
ウィメンズヘルスクリニック東京 院長。脇坂ウィメンズヘルスクリニック大阪 顧問医師、国際アンチエイジング医学会専門医。米国抗加齢医学会専門医。女性頭髪専門外来において、多くの女性の髪悩みに向き合う。