【花粉症におすすめの市販薬】専門医に聞く、薬の飲み始めや治療法は?
花粉シーズン、毎年薬が手放せない方も多いのではないでしょうか。実はそれ、「薬を飲み始めるタイミング」を見直せばいつもより楽になるかもしれません。医師が花粉症治療薬の開始時期を解説。さらに、薬局で購入可能な市販薬も厳選してご紹介します。
花粉症の症状3つ
銀座ケイスキンクリニック院長
慶田朋子先生
けいだ ともこ/最新の医療機器と注射によるメスを使わない美容医療には特に定評あり。食と美容、健康など幅広い知識をもち、患者・メディアから厚い信頼を得ている。
眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん
こばやし まりこ/SleepLIVE株式会社代表。最新のデータや研究をもとに、睡眠等、日々のルーティンを見直しキレイをかなえる「うっとり美容」を提唱。
花粉による3大症状は「くしゃみ・鼻水」「かゆみ」「肌あれ」
【1】のど:イガイガ、ムズムズ、かゆみ、痛み
のどは空気の通り道。鼻や口から空気とともに入ってきた花粉がのどを刺激し、さまざまな違和感が起こる。
【2】目:かゆみ、涙、充血
目に花粉が付着すると、炎症を起こす物質が放出され、かゆみや涙、充血が起こる。この時期はメガネ必須で!
【3】鼻:くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、ムズムズ
くしゃみ・鼻水は鼻粘膜に付着した花粉を洗い流そうとする反応。鼻詰まりは鼻粘膜が腫れて起こる。
【4】肌:チクチク、かゆみ、赤み、湿疹、肌あれ
花粉による肌トラブルは、肌のバリア機能の低下が原因。常に露出しているまぶたや頬、首元などに特に現れやすい。
薬を使った花粉症の治療とは?
日本医科大学 耳鼻咽喉科学/ 頭頸部・感覚器科学大学院教授
大久保公裕先生
おおくぼ きみひろ/花粉症治療においては日本を代表する存在。舌下免疫療法をはじめ、アレルギー性鼻炎の新しい免疫療法の開発を積極的に進めている。
「花粉症の治療には、眠くなりにくい抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬などの薬物療法が一般的。ほかにも鼻粘膜をレーザーで焼いたり舌下免疫療法などさまざまな治療法がありますが、実は『この治療法がこんな風に効いている』というイメージをもつことも大切です」(大久保公裕先生・以下「」内同)
\症状が重い人は病院へ/
「子供の頃からアレルギー症状がある人やスギ花粉症の人には『舌下免疫療法』もおすすめ。スギ花粉から作られた治療薬を舌の下に置いてから飲み込むという治療法で、スギ花粉に対する免疫を高めることができます」
薬は「効く!」と思いながら使おう!
「市販薬は、花粉症状が軽めの人や、病院に行くまでのつなぎとして活用してもOKですが、できれば薬剤師さんに相談して選び、必ず用法・用量を守って使いましょう。効かないからと、量や回数を勝手に増やしてはいけません。
その薬が自分に合っていないということなので、違うものに変えた方が賢明です。また、薬はただ使えば良いわけではありません。『ここに効いている!』とイメージしながら使うと、効果が現れやすくなります」
処方された薬は「最後まで飲み切ること」が大切
アレルギー専門医
岸本 久美子先生
ハピコワクリニック五反田院長。東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科非常勤医師。日本呼吸器学会専門医。日本アレルギー学会専門医。東邦大学医学部卒業後、東邦大学医療センター大橋病院等を経て、2018年、開業。風邪や生活習慣病のコントロールなど一般内科的な診療はもちろん、アレルギー疾患や喘息の専門的な治療を行っている。
処方された薬を最後まできちんと飲み切っていますか? アレルギー症状を抑えるには、花粉が完全に飛び終わるまで薬を飲み続けることが大切です。薬を飲み忘れたり、我慢したり、途中で止めてしまったりすると、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が悪化するだけでなく、呼吸器疾患などをこじらせることもあります。
「例えば、目をこすり過ぎると粘膜が傷ついてそこからバイ菌が入る危険もあります。また、もともとアレルギーの疾患をお持ちの方は、花粉症がきっかけで喘息やアトピーが悪くなることがあります」(岸本先生・以下「」内同)
処方された薬は自己判断で中止せず、最後までしっかり飲み切りましょう。
花粉症の薬はいつからいつまで飲む?
飛散開始の予測日より少し前から抗アレルギー薬を服用して
「花粉症は早めにアレルギー症状を抑えるとシーズンを通して軽く済みます。花粉症だと診断がついている人は、『ちょっと早いかな?』と感じるくらいの花粉が飛び始める前から、花粉が完全に飛び終わって『もう必要ないだろう』と感じる頃まで、しっかりお薬を飲んでいただく方がいいですね」と岸本先生。
タイミングを見極めるコツは、テレビやネットで花粉の飛散情報をこまめにチェックすること。飛散開始の予測日より少し前から抗アレルギー薬を使い始めましょう。
「症状が酷くなってから飲み始めると、お薬で抑え込むのに大変時間がかかるうえ、最終的にお薬の量も増えてしまいます。少しでも症状が出てきたら、すぐに服用を始めてください」
抗アレルギー薬は早めに開始してOK
皮膚科専門医
慶田朋子先生
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『365日のスキンケア』(池田書店)など。
\抗アレルギー薬はお正月が明けたら開始/
薬物療法のポイントは、花粉が飛ぶ前、飛散前から内服すること。スギ花粉の場合、1月の半ばくらいから飛んできますから、お正月が明けたら飲み始める必要があります。
「みなさん、薬を症状が出てから飲みますが、それでは遅い!薬を飲む期間を少しでも短くしたいというお気持ちはわかりますが、あらかじめ飲んで、体を抗原抗体反応が起きにくい状態にしておかないと、花粉がきた瞬間、戦闘態勢に入って抗体をつくってしまうんです。そのスイッチが入ってからでは、後でいくら薬の量を増やしても、もう止めようがありません」(慶田先生)
飛散前から服用すると、花粉症の症状の出現を遅らせたり、症状を軽減したりすることもできるうえ、服用する薬の種類も量も少なくて済みます。毎年スギ花粉症に苦しんでいる人は、お正月が明けて第1週目くらいに薬を処方してもらえるように計画を立てると◎。
【症状別】最新のおすすめ市販薬
■目のかゆみに
参天製薬サンテFX AL [第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥968(編集部調べ) | 12ml |
- 花粉・ハウスダストなどによる目のかゆみに。
ロート製薬 ロート アルガード クリアブロックZ [第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,980(編集部調べ) | 13ml |
- 我慢の限界を超えた目のかゆみに。
■くしゃみ・鼻水・鼻詰まりに
大正製薬|クラリチンEX OD錠[第1類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥2,178(編集部調べ) | 10錠 |
- 医療用と同量・同成分配合。眠くなりにくいのも特徴。
- 水なしで飲めるのに、素早く溶けるアレルギー専用鼻炎薬。
- 花粉、ハウスダストに1日1回1錠でOK。
佐藤製薬|ストナリニZジェル[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥2,178(編集部調べ) | 12カプセル |
- 今つらい症状を抑え後から来る症状もケア!
- 1日1回1カプセルで一日中効果が持続。
- 有効成分を液状化しているので素早く溶けて効果を現す。
武田コンシューマーヘルスケア|ベンザ鼻炎薬α<1日2回タイプ>[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,380 | 12錠 |
- 朝夜の1日2回で鼻やのどの症状によく効く。
- 鼻の症状に優れた効果。トラネキサム酸がのどの痛みも改善。
第一三共ヘルスケア|エージーアレルカットEX c 季節性アレルギー専用[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,980 | 10ml |
- スッーとした清涼感があり液ダレしにくい。
- 1日2回で鼻詰まり、鼻水に効果を発揮。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
おおくぼ きみひろ/花粉症治療においては日本を代表する存在。舌下免疫療法をはじめ、アレルギー性鼻炎の新しい免疫療法の開発を積極的に進めている。