治療が難しい頭痛があるってホント？真相を医師に直撃！【美容の【美容の常識ウソ？ホント？】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“頭痛”について。治療が難しい頭痛があるって…ウソ？　ホント？　日本頭痛学会認定指導医・専門医の五十嵐久佳先生にお答えいただきます。

Ｑ：治療が難しい頭痛があるってホント？

ひとことで頭痛といっても、頭痛にはいくつもの種類があり、対処法も変わってきます。そんな中、治療が難しい頭痛があるというウワサが。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を五十嵐先生にぶつけてみました！　果たして答えは…？

Ａ：ホント

「薬を使っても治らない、極めて治療が困難な頭痛を“難治性頭痛”といいます」（五十嵐先生・以下「」内同）

難治性頭痛とは？

「適切な治療を行っても頭痛が改善しないため、有効な薬がないとされています。

難治性頭痛の患者さんの中には、精神的なストレスや葛藤が身体の痛みとなって現れる“身体表現性障害”を抱えている人も多く、頭痛もその症状のひとつとして現れている可能性が高いです。ですので、身体表現性障害の患者さんの場合は、頭痛外来ではなく、心療内科や精神科を受診するようお話しています」

危険な頭痛とは？

「頭痛の中には、緊急性の高い病気が含まれていることもあります。突然、これまでに経験したことがないような激しい頭痛が起こる、痛みが日ごとに増していく、吐き気や嘔吐、手足の麻痺、高熱、意識障害が起きている場合は、すぐに脳神経外科や脳神経内科を受診して下さい」

緊急性の高い病気

「緊急性の高い病気としては、くも膜下出血や脳腫瘍、脳出血、髄膜炎などがあります。重要なのは、いつもと違う頭痛がある場合にはすぐに病院を受診することです。万が一の病気の際には、早期発見へ繋がります」

くも膜下出血

「脳の血管にできたこぶ状のふくらみ（脳動脈瘤）が突然破裂しして起こる。死亡率が高く、後遺障害が残る可能性も高い。バットで殴られたような激痛を伴う」

脳腫瘍

「頭蓋骨の内部にできる腫瘍。頭痛の性状は様々。手足のしびれや麻痺、言語障害が起こる可能性もある」

脳出血

「脳内の血管が破れ、出血した状態。急に頭痛が起こり、手足のしびれや麻痺、言語障害を伴う」

髄膜炎

「脳の周りを覆っている髄膜に炎症が起きた状態。ガンガンと強い頭痛、38℃以上の高熱を伴う」

急性緑内障

「当然眼圧が上昇することで発症。充血や嘔吐を伴う激しい頭痛が起こることもある。失明することもあるので要注意」

その他、頭痛を引き起こす病気

「命にかかわるほどではないものの、ほっておいてはいけない病気のサインとして頭痛が起こることもあります」

副鼻腔炎

「ウィルスなどによって、副鼻腔内に炎症が起きた状態。鼻づまりや黄色い膿のような鼻汁が出る。前頭部が痛む。急性副鼻腔炎になると、強い頭痛を伴う」

帯状疱疹

「神経に潜んでいたウィルスが活性化して、痛みやかゆみを伴う赤い発疹ができる。顔や頭にできると神経痛のような鋭い痛みを伴う」

「頭痛はほっておくと危ない病気のサインとなっていることもあります。我慢せずに病院を受診して下さいね」

＼教えてくれたのは／

日本頭痛学会認定指導医・専門医

五十嵐　久佳先生

富士通クリニックで頭痛外来を担当。富士通本社産業医、北里大学医学部脳神経内科学客員教授も務める。国際頭痛学会、米国頭痛学会、日本神経学会（専門医、指導医）、日本頭痛学会（理事、専門医、指導医）など、所属学会多数。
富士通クリニック 

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