健康・ヘルスケア
2020.4.15

花粉症の薬、どこで買う?いつから飲む?いつまで飲む?【女医に訊く#103】

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花粉症の治療には、医療機関で行う薬物療法、手術治療、減感作療法(アレルギーの唯一の根治療法)があります。なかでも一般的なのは、内服薬、点鼻薬、点眼薬を使った薬物療法。完全には治りませんが、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、目の充血、涙といったアレルギー症状を抑えます。花粉症の薬物療法について、アレルギー専門医の岸本久美子先生に教えていただきました。

処方薬と市販薬は、どう違うの?

花粉症の治療薬には、病院で処方される処方薬と、薬局や薬店など市販で購入できる市販薬があります。処方薬の第一の目的は、よく効くこと。使われる有効成分の種類も多く、効き目を強くしてあります。一方、誰でも買える市販薬は、安全性が最優先。そのため有効成分の含有量は市販薬に比べて少なめになっているものが多くみられます。

「例えば、アレグラというお薬は、副作用が出にくいので処方薬も市販薬もそれほど変わりはありませんが、やはりお薬には合う、合わないがあります」と話すのは、アレルギー専門医の岸本久美子先生。

処方薬の場合、その患者さんが飲んだら副作用が出るのか、出ないのか、服用回数や副作用は患者さんのライフスタイルに合っているかなどをお医者さんが考慮したうえで出してくれます。

「処方した飲み薬が効かないときは、別の飲み薬に変えたり、目薬や点鼻薬を追加することも可能です。市販のいわゆる鼻炎総合薬などには、眠気が出る成分が入っているものもありますから、市販薬でコントロールがつかない場合は、医師に相談してみましょう」(岸本先生)。

花粉症の症状が出てから薬を飲み始めても遅いって本当?

「花粉症は早めにアレルギー症状を抑えるとシーズンを通して軽く済みます。花粉症だと診断がついている人は、『ちょっと早いかな?』と感じるくらいの花粉が飛び始める前から、花粉が完全に飛び終わって『もう必要ないだろう』と感じる頃まで、しっかりお薬を飲んでいただく方がいいですね」と岸本先生。

タイミングを見極めるコツは、テレビやネットで花粉の飛散情報をこまめにチェックすること。飛散開始の予測日より少し前から抗アレルギー薬を使い始めましょう。

「症状が酷くなってから飲み始めると、お薬で抑え込むのに大変時間がかかるうえ、最終的にお薬の量も増えてしまいます。少しでも症状が出てきたら、すぐに服用を始めてください」(岸本先生)

薬を飲まないとどうなっちゃうの?

処方された薬を最後まできちんと飲み切っていますか? アレルギー症状を抑えるには、花粉が完全に飛び終わるまで薬を飲み続けることが大切です。薬を飲み忘れたり、我慢したり、途中で止めてしまったりすると、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が悪化するだけでなく、呼吸器疾患などをこじらせることもあります。

「例えば、目をこすり過ぎると粘膜が傷ついてそこからバイ菌が入る危険もあります。また、もともとアレルギーの疾患をお持ちの方は、花粉症がきっかけで喘息やアトピーが悪くなることがあります」(岸本先生)

処方された薬は自己判断で中止せず、最後までしっかり飲み切りましょう。

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アレルギー専門医
岸本 久美子先生
ハピコワクリニック五反田院長。東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科非常勤医師。日本呼吸器学会専門医。日本アレルギー学会専門医。東邦大学医学部卒業後、東邦大学医療センター大橋病院等を経て、2018年、開業。風邪や生活習慣病のコントロールなど一般内科的な診療はもちろん、アレルギー疾患や喘息の専門的な治療を行っている。■ハピコワクリニック五反田

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ(小学館)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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