食・レシピ
2017.11.19

不足するとおデブに!? 「ビタミンCの正しい摂り方」を専門家が解説

ビタミンCが美容にも健康にもいいことは有名ですが、具体的にどんなパワーがあるかきちんと知ってますか? 「風邪にはビタミンC」「シミにはビタミンC」といったメジャーな効果だけでなく、そのほかにもさまざまなすごいパワーがあることが、近年の研究で明らかになっています。

今回は、キリン・トロピカーナ株式会社が発表したビタミンCの最新研究レポートを紹介しましょう。

 

高い抗酸化作用で老化の進行を遅らせる!

アンチエイジング(抗老化)を専門に研究されている石神昭人先生。研究を続けるうちにビタミンCの持つ様々なはたらき・効果に気づき、多くの論文発表やメディア出演を通じ、ビタミンC研究の第一人者としても活躍されています。そんな石神先生が、ビタミンCの驚くべき力を解説してくれました。

働き1:高い抗酸化作用で老化の進行を遅らせる

「活性酸素が体内に生じ酸化が進むと、DNAやたんぱく質などに変質や破損が起きて老化を早める一因に。食品も酸化すると腐敗や劣化が起こりますが、それと似た現象と言えるでしょう。ビタミンCのもっとも大きな働きは、この酸化を食い止める抗酸化作用。
ビタミンCが不足すると全身の臓器の活性酸素種が増えるだけでなく、老化が早まることが最近の研究でも明らかになっています」(石神昭人先生・以下「」内同)。
ビタミンCには、人体への大きな副作用がほとんど報告されていないこともメリットのひとつなんだそう。

働き2:コラーゲンの合成をサポート

健康的な骨・粘膜・皮膚に不可欠なコラーゲン。骨や軟骨、皮膚や血管を丈夫に保つコラーゲンは、体内のたんぱく質の1/3を占める重要なものです。

「コラーゲンが骨や皮ふを形作る際には還元鉄が必要となりますが、使われた還元鉄は酸化鉄となって機能しなくなってしまいます。酸化鉄をもとの還元鉄に戻すためにビタミンCが使われるため、ビタミンCが足りなくなるとコラーゲンも不足し、血管や皮ふなどがもろくなります。これが出血が止まらなくなる病気、“壊血病”の正体なのです」

働き3:脂肪燃焼成分、カルニチンを作るもと

全身の脂質の代謝に使われることから、一躍ダイエットで注目されたカルニチン。カルニチンはアミノ酸であるリシンとビタミンCから合成されます。

「つまり、アミノ酸だけを摂取してもビタミンCが足りなければカルニチンは作られないことが判っています」

働き4:ストレス抵抗ホルモンもビタミンCから作られる

「人間はストレスを感じるとアドレナリンというホルモンを分泌して防御します。アドレナリンのお陰で、ストレス下でも心身の動きが保たれ生命活動が止まらないのです。

このアドレナリンは不足するたびに副腎で合成されますが、その際にビタミンCが大量に必要となります。不安や緊張だけでなく、気温差や睡眠不足、喫煙などのストレスでもアドレナリンは減少します」

 

最新研究で明らかになったその他の力

この他、石神先生の研究によればビタミンCは加齢によっても減少し、

・70~84歳の高齢女性は血液のビタミンC濃度が高いグループのほうが身体能力が高い

・ビタミンCを与えたマウス(ビタミンCを合成できないヘアレスマウス)は紫外線を浴びてもメラニンが沈着しにくい(=シミやそばかすになりにくい)

といった効果も報告されているそう。

 

ビタミンCはどのように摂取するのが正解?

「ビタミンCは水溶性で、主に果実や野菜などに含まれます。また、ビタミンCの血中濃度は摂取2時間後がピークとなるため、1日3回以上に分けてとるのが望ましいと考えられます。

1日あたりの摂取量は厚生労働省基準で100mgですが、これは壊血病などを防ぐための必要最低限と考えられる量。しかし、加齢や体調不良、喫煙により、通常以上にビタミンCが必要となるのです」

つまり、こまめに補給するのが正解なんです。

 

 

さまざまな効果を持つビタミンC。美容と健康のために、食べ物だけでなく、ビタミンCを多く含む飲み物も上手に活用してちょこちょこ摂るようにしたいですね。

 

初出:美レンジャー  ライター:美レンジャー編集部

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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