食・レシピ
2023.7.25

エビフライの健康効果│栄養素やカロリー、糖質量を解説

衣の軽い食感、エビの甘みと弾力を楽しめる、エビフライ。洋食の定番メニューであり、弁当などでもよく目にする身近な料理です。この記事ではダイエットを行っている方へ、エビフライの栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。

エビフライのカロリーと糖質量

エビフライに含まれるエネルギーと糖質量は、以下のとおりです。

エビフライ1本(20g)
エネルギー:47kcal
糖質:3.9g

エビフライのサイズは、弁当に入る小さめのものから、大きくて食べごたえのあるものまでさまざまです。エネルギーや糖質は、エビフライの大きさによって異なります。飲食店などで3本ほどが1食分として提供される、少し小ぶりのエビフライが1本20gほどの重さです。

エビなどの魚介類には、糖質がほとんど含まれません。エビフライの糖質は、衣に使われる小麦粉やパン粉に由来するものです。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

エビフライの健康効果

エビフライは脂質が多そうで、体にはあまりよくないと感じているかもしれません。しかし、実はエビフライには、健康にプラスとなる成分が含まれています。ここからは、エビフライを食べることで得られる健康効果について見ていきましょう。

エビの尻尾「キチン」の健康効果

エビの殻や尻尾に含まれる食物繊維「キチン」を、ご存じでしょうか。

野菜などの食物繊維と同じように、キチンには便通をよくする作用があります。キチンは消化されることなく腸まで届き、水分を吸収して膨張し、腸を刺激します。すると腸の動きが活発になり、排便が促されるのです。

便秘がちな人であれば、排便がスムーズになることで腸内環境が整います。腸内環境が改善されると、病原菌やウイルスなどの異物から体を守る「免疫」のシステムが効率よく働くようになるでしょう。

異物は食べ物などと一緒に口から体に取り込まれるため、腸には免疫に働く細胞が数多く集まっています。腸内環境が整うと免疫細胞が活発になり、免疫システムがしっかり機能するようになるのです。

キチンには、コレステロールや有害物質を体の外へ排出する作用もあります。その働きにより、血中の悪玉コレステロール濃度を下げたり、大腸がんのリスクを低下させたりする効果が期待できるでしょう。

エビに含まれる「アスタキサンチン」の健康効果

エビを加熱すると、鮮やかな赤色に変わります。この赤色の色素成分が、「アスタキサンチン」です。アスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、活性酸素から体を守って、体のサビつきを防ぐ効果が期待できます。

紫外線は、活性酸素を増やす要因のひとつです。紫外線を浴びて増え過ぎた活性酸素は、肌をサビつかせて、肌のうるおいやハリを奪います。肌にシミやしわ、たるみができるのも活性酸素の増加によるものです。

しかし、アスタキサンチンを摂取すると、抗酸化作用によって活性酸素の働きがおさえられるため、肌トラブルを防ぐ効果が期待できます。

肝臓に脂肪がつくのを防ぎ、肝炎や肝硬変を予防することも、アスタキサンチンに見込める効果です。さらに、筋肉や目の疲労軽減にも効果を発揮すると考えられています。

ダイエット中にエビフライを食べるときの3つのコツ

エビフライには健康効果が期待できますが、食べ方に気をつけなければダイエットを妨げてしまうでしょう。そこで、ダイエット中にエビフライを食べるときに注意したいポイントを紹介します。

1.油を拭き取ってから食べる

揚げ物は、衣が吸った油がエネルギーのほとんどを占めます。家庭で揚げ物を手作りするときには、油をよく切りましょう。さらに、キッチンペーパーなどで揚げ物を軽く押さえて余分な油を吸わせると、摂取エネルギーを減らせます。

衣に使うパン粉の選び方にも、気をつけてください。食品を熱した油に投入すると、食品に含まれる水分が蒸発して、油と入れ替わります。これが揚げ物の仕組みです。そのため食品中の水分量が多いと、油を多く吸収することになります。

揚げ物に使われる衣は、主に生パン粉と乾燥パン粉の2種類です。水分量が多い生パン粉は油を多く吸収するため、ダイエット中は乾燥パン粉を使うとよいでしょう。

さらに、油を多く吸収する目の粗いパン粉よりも、油の吸収量が少ない目の細かいパン粉をおすすめします。

2.高カロリーなソースを控える

エビフライにソースをつけて食べると、味の変化を楽しめます。しかし、ソースは糖質やエネルギーが高いものが多いため、ダイエット中に使うのは注意が必要です。

定番の組み合わせである、エビフライとタルタルソースですが、タルタルソースはマヨネーズがベースで脂質が多いため、エネルギーが高くなります。

甘辛い味付けが揚げ物によく合う、中濃ソースをかける人も多いでしょう。野菜や果物を煮詰めて作る中濃ソースには糖質が多く含まれるため、使い過ぎないように気をつけてください。

ダイエット中はエネルギーや脂質、糖質が高いタルタルソースや中濃ソースをかけるより、レモンを搾ってさっぱりと食べるのがおすすめです。

3.野菜サラダを添えて食べる

エビフライは、野菜サラダと一緒に食べましょう。野菜に豊富な食物繊維には、脂質を吸着する作用があり、余分な脂質を体の外へ排出する効果が期待できます。

エビフライの前に野菜をよく噛んで食べると満腹感を覚えやすくなるため、エビフライの食べ過ぎを防げるでしょう。

食後に血糖値が急上昇すると、体に脂肪がつきやすくなってしまいます。血糖値を下げる「インスリン」というホルモンが過剰分泌されて、糖質を脂肪に変えて体に蓄えてしまうことが原因です。

食物繊維は糖質の吸収スピードを緩やかにするため、血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの分泌をおさえる効果が期待できます。

エビフライに含まれる糖質は、ほとんどが衣に使われるパン粉や小麦粉由来です。さくさくした衣がたっぷりついたエビフライを食べるときは、一緒に野菜サラダをしっかり食べて血糖値の急上昇を防ぎましょう。

ダイエット中に食べるエビフライは一工夫しよう

揚げ物であるエビフライは脂質を多く含み、エネルギーが高めです。ダイエット中に食べてもよいか悩みますが、工夫次第で脂質やエネルギーの摂取量はおさえられます。

エビフライは食べておいしいだけではなく、キチンやアスタキサンチンといった栄養素による健康効果も期待できる食べ物です。ダイエット中でも適度にエビフライを取り入れて、食を楽しんでください。

管理栄養士

いしもとめぐみ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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