テニスボールで足裏ほぐし、効果的なやり方は?
足裏ケアにボールを取り入れている方も多いのでは?むくみや足裏のアーチをきれいに保つためにできるケアの1つですよね。今回はボールを使った「足裏ほぐし」をご紹介!また、ボールは足裏のみならず全身のケアにも有効。テニスボールを使えば筋膜リリースも簡単にできるので、ぜひトライしてみて♪
「足裏ほぐし」がおすすめな3つの理由
【1】足裏のアーチが崩れていると体の歪みにつながる
埼玉県済生会 川口総合病院皮膚科主任部長
高山かおる先生
専門は接触性皮膚炎、フットケア。2007年に日本の大学病院では珍しい皮膚科のフットケア外来を開局。著書に『「ガサガサかかと」が危ない!』(家の光協会)がある。
健康な足には3つのアーチがあります
A-B 内側の縦アーチ
親指のつけ根とかかとを結ぶ縦アーチで、土踏まずを形成する。歩くときのバネの役割をもち、同時に歩くときの衝撃を吸収する上で欠かせないアーチ。
B-C 前方の横アーチ
足を前方から見たときに、親指から小指の5本指のつけ根を結ぶ横に広がるアーチ。体重を支えるほか、足指で地面をしっかり捉える役割がある。
C-A 外側の縦アーチ
小指のつけ根とかかとを結び、足の外側にある縦ラインのアーチ。体重を支え、歩くときの重心移動をスムースにする役割がある。
女性は男性よりもアーチがくずれやすい!
足は、両足で56個もの骨から成り、複雑なアーチ構造をしています。その骨を結ぶ筋肉や腱、靭帯が弱くなることが、アーチくずれの大きな原因です。
「現代人は歩くことが少なくなった上に、靴に固定された状態で足を使うため、アーチを保つための筋肉や腱が衰えています。20代でも90%以上の人はアーチがくずれているといわれています」と高山先生。
さらに菊池先生は「女性は出産で体の靭帯が緩むので、足もくずれやすい」と指摘。
体を支えるアーチがくずれると、体にゆがみが生じます。それを矯正するために別のゆがみが起こり、ひざや腰の痛み、冷え、むくみといった体の不調や、下肢機能の衰えによる太りやすさなどにつながるのです。重度のアーチくずれは、アーチをサポートするインソールを使った免荷療法を行いますが、軽度なら正しい歩き方と足のストレッチの実践で改善することも。日々のケアを習慣にしてアーチを守りましょう!
アーチがゆがむ主な原因
- ケア不足による足の筋肉、腱の衰え
- 加齢による劣化
- 運動不足
アーチがくずれると…
- 足や全身のゆがみを引き起こす
- 外反母趾や内反小趾などの足トラブルになる
- 足のポンプ機能が低下して冷えやむくみを引き起こす
【2】全身の巡りを良くしてむくみ改善
「B-life」インストラクター
Marikoさん
チャンネル登録者数100万人超えの日本一のヨガYouTuber。クラシックバレエ出身の美しくしなやかなボディとわかりやすい解説で絶大な人気を誇る。
「足裏は第2の心臓とも呼ばれ、各器官の反射区が集中している部分。最初にほぐして温めることで効率良く全身の巡りを改善できます」(Marikoさん)
【3】足の老化を防止
下北沢病院 院長
菊池 守 先生
きくちまもる/医学博士。大阪大学医学部卒。米国ジョージタウン大学創傷治癒センター留学時に、足病学と出合う。共著に『新しい足のトリセツ』(日経BP)などがある。
「足裏の筋肉が落ちて足のアーチがつぶれると偏平足となり、足幅が広がります。そのため靴がきつくなってしまうのです」と話すのは、下北沢病院院長の菊池守先生。とはいえ、本当に重要なことは、足幅が肥大化することの先にある、歩けなくなるという事態です。
美足作りは、“足の老化防止ケア”と同じです。スキンケアやトレーニングでアキレス腱を伸ばし、足裏をはじめとする筋肉を鍛え、皮膚を健康に保つ。そして足の状態を正しく知るために、プロの助けを得ることです。
賢者が教える「テニスボールを使った足裏ほぐし」のやり方
土踏まずを中心に!扁平足もケアする足裏ほぐし
美容コンサルタント
余慶尚美さん
リンパドレナージュサロン『Flow』を経て、心と体両面をケアする美容法をさまざまなメディアで発信。不調を的確にケアするツボ・マッサージ法には特に定評あり。
【HOWTO】
- ゴルフボール1個を土踏まずの下に置き、グリグリと押し回すようにほぐすことで扁平足もケア。
- 土踏まずのアーチがない扁平足は、腰痛やひざ痛、肥満などの原因になりやすい。
- 立って行うと痛すぎる可能性があるので、座った状態で片足ずつ、各30秒間行って。
安藤美姫さん流!疲れしらずの身体を目指す“ほぐし術”
プロフィギュアスケーター
安藤美姫さん
1987年愛知県生まれ。9歳でフィギュアスケートを始め、2002年には女性選手として初の4回転サルコウを成功させ、話題に。その後、2006年の『トリノオリンピック』、2010年の『バンクーバーオリンピック』に出場。「世界フィギュアスケート選手権」では、2度の優勝に輝いた。2013年に引退し、その後はプロフィギュアスケーターとして、幅広く活躍している。
【HOWTO】
おなじみゴルフボールを使った足裏のケアです。特に、足がだるいと感じるときにおすすめ。やり方は、ゴルフボールを足裏でゴロゴロ転がすだけです。より圧を感じたい人は、フローリングなどの床が硬い場所で、優しく圧をかけたい人はヨガマットの上でやったり、厚めの靴下を履いてやったりと、調整しながら行ってください。
1回何分というのは決めず、疲れに合わせて行うのが美姫流。疲れがとれたと思ったらやめます。疲れがとれる他にも、足裏の血行を促すという効果も期待できるので、私はアイスショーの前に行うことも。全身の巡りを良くなって、体もポカポカです!
コツをもう1点!足の力でゴルフボールを押すのではなく、手や体の重みを使ってゴルフボールを押すことで、足はリラックスした状態を保ちながら、ほぐせます。また、ゴルフボールを使うとツボをピンポイントでグイグイ押すことができますが、少し大きめの市販のマッサージボールを使えば、より広範囲にほぐすこともできますよ。椅子に座りながらできるので、オフィスでの仕事の合間などにもぜひ実践してみてください!
足裏だけじゃない!ボールを使た「ボディケア」
ボールで押して「おなかやせ」
「意外とおなかも筋肉がこってむくんでいる人が多く、深層部にある大腰筋や、リンパ節が集中するそけい部をほぐすだけでも変化が。テニスボールに乗って刺激することで、ラクな力で深く刺激できます」(村木さん)
【HOWTO】
うつぶせになり、そけい部、骨盤内の腰骨沿い、肋骨の下側にボールを当て、ひざの曲げ伸ばしを10回行う。痛ければ、脚を伸ばしたまま深呼吸。
「脚のこり・むくみ」ケア
「ひざ裏を刺激してリンパを流したり、脚全体に滑らせてこりをほぐしたりできる万能なボール。テレビを見たり音楽を聴きながら、1時間くらいコロコロしていることも」(テニスボールでも代用可)(土屋さん)
【HOWTO】
1.ひざ裏を中心にコロコロ。
2.脚全体に滑らせ、むくみを流す。
全身の「筋膜リリース」にも
トータルダイエットカウンセラー
大西ひとみさん
78kgからマイナス24kgのダイエットに成功したトータルダイエットカウンセラー。9年間アメリカでパーソナルトレーナーとして活動した後帰国。帰国後様々なメディアで活動しているだけでなく、2018年には自身のオリジナルブランドギルトフリースイーツh+dietをオープンし、主にECサイトで商品販売を展開している。
筋膜リリースとは?
「筋膜とは、筋肉をウエットスーツのように包み込み、姿勢を保ったり、摩擦を防ぐ役割を持つもの。ところが、長時間の同じ姿勢や体に負担がかかることで、筋肉に癒着したり、よじれが生じることがあります。この癒着やよじれを解消させることを“筋膜リリース”と呼びます。筋肉が動きやすくなり、脂肪蓄積が軽減される可能性も期待できますよ」(大西さん)
ヒップ筋膜リリースのやり方
Point
「お尻のくぼみ部分にテニスボールを置き、ボールを踏みつけるようにして横向きになります。片足は真っ直ぐに伸ばし、もう片足と両手で、体を痛気持ちいい程度に前後に動かしていきます」(大西さん)ワキの下や脚筋にも
「村田友美子さんプロデュースの筋膜リリースボール『Hoggsy』は、朝の簡単なストレッチにピッタリ。ワキの下や脚筋を押すと、リラックス&冷え症防止にもなります」(野崎さん)
肩周りや腰、背中にも
美容家
神崎 恵さん
多数の雑誌企画のほか、インスタやメイク講座なども大人気。最新著『服が似合う顔が欲しい』(大和書房)をはじめとする著書の発行部数は累計134万部を突破。3人の息子をもつ母でもある
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半身浴中やお風呂上がりに、ゴルフボールやテニスボール、時には麺棒(!)で、肩周りや腰、背中などの筋膜ほぐしをしています。部位によってボールも使い分けて効かせています。すぐにポカポカになるんですよ。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
医学博士、日本形成外科学会専門医。米国ジョージタウン大学創傷治癒センター留学中に足病学と出合う。現在は足のトラブルにトータルで対応する診療に力を注ぐ。