ボディケア
2018.5.28

外反母趾、むくみ、冷え…体の不調は「足のアーチ」に原因があった!|アーチのくずれチェックリスト付

美的読者の約9割が、足にトラブルありと答えているのに、多くの人は放置中…。靴擦れ、うおのめ、外反母趾、etc. 放っておくと将来、体のゆがみや全身の不調につながるかも。アーチのくずれチェックシートで早速確認を!

健康な足には3つのアーチがあります

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A-B 内側の縦アーチ
親指のつけ根とかかとを結ぶ縦アーチで、土踏まずを形成する。歩くときのバネの役割をもち、同時に歩くときの衝撃を吸収する上で欠かせないアーチ。

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B-C 前方の横アーチ
足を前方から見たときに、親指から小指の5本指のつけ根を結ぶ横に広がるアーチ。体重を支えるほか、足指で地面をしっかり捉える役割がある。

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C-A 外側の縦アーチ
小指のつけ根とかかとを結び、足の外側にある縦ラインのアーチ。体重を支え、歩くときの重心移動をスムースにする役割がある。

女性は男性よりもアーチがくずれやすい!

足は、両足で56個もの骨から成り、複雑なアーチ構造をしています。その骨を結ぶ筋肉や腱、靭帯が弱くなることが、アーチくずれの大きな原因です。
「現代人は歩くことが少なくなった上に、靴に固定された状態で足を使うため、アーチを保つための筋肉や腱が衰えています。20代でも90%以上の人はアーチがくずれているといわれています」と高山先生。

さらに菊池先生は「女性は出産で体の靭帯が緩むので、足もくずれやすい」と指摘。
体を支えるアーチがくずれると、体にゆがみが生じます。それを矯正するために別のゆがみが起こり、ひざや腰の痛み、冷え、むくみといった体の不調や、下肢機能の衰えによる太りやすさなどにつながるのです。重度のアーチくずれは、アーチをサポートするインソールを使った免荷療法を行いますが、軽度なら正しい歩き方と足のストレッチの実践で改善することも。日々のケアを習慣にしてアーチを守りましょう!

 

アーチがゆがむ主な原因
□ ケア不足による足の筋肉、腱の衰え
□ 加齢による劣化
□ 運動不足

二足歩行には欠かせない!アーチの大切な役割は3つ!

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1. 全身のバランスをとり、立ち姿勢を安定させる
体重を親指のつけ根と小指のつけ根、かかとに分散させて無理なく支えることができる。
「カメラの三脚のようなイメージで、安定した姿勢で立つことができます」(高山先生)

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2. 着地したときの衝撃を吸収する
地面に足が着地し、体重がかかったときに受ける地面からの衝撃を吸収するクッションの役割を果たしているのがアーチ。そのおかげで足や関節、腰などへの負担を軽減できる

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3. スムースに歩くためのバネの役割をする
足を踏み返すときに足指が反ると、アーチがバネのような働きをして足の力を地面に伝える。
「それがスムースに前に進むための推進力となります」(菊池先生)

 

アーチがくずれると…
・足や全身のゆがみを引き起こす
・外反母趾や内反小趾などの足トラブルになる
・足のポンプ機能が低下して冷えやむくみを引き起こす

あなたの足は何タイプ?アーチのくずれCheck!

「足のアーチくずれは大きく分けて3タイプ。開張足と偏平足は併発している場合もあります」と高山先生。正しくケアするために、まずは自分の足の状態を知りましょう!

横アーチがくずれている<開張足タイプ>

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主に足指を使わない歩き方や運動不足による筋力低下によって、横アーチの骨をつなぐ靭帯や腱が緩み、甲がべたっと広がり足幅が広くなった状態。

足指を使えない女性に多い足の変形の初期症状
足指を使わずに歩いていると、足のつけ根に大きな圧力が加わり、横アーチがくずれる原因に。ヒールを履くと腰が反って、足指に力が入りにくくなるため、女性に多い症状です。
「開張足は足の変形の初期症状で痛みはありませんが、たこやうおのめ、外反拇趾、内反小趾などの痛みを伴うトラブルを併発するリスクも大。症状が軽い場合は、ひも靴をきちんと結んで履くだけでも、横アーチをサポートできます」(高山先生)

たこやうおのめができやすい部分はココ!
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人さし指と中指のつけ根の辺り

check!
□ 靴の横幅がきつく感じる
□ 親指と小指の外側に靴が当たって痛い
□ 歩いていると足裏が痛くなることが多い
□ ハイヒールをよく履いている
□ むくみやすい

内側の縦アーチがくずれた<偏平足タイプ>

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土踏まずの縦アーチがくずれて、足裏が平らになった状態。体のバランスが不安定になり、足底に痛みを感じやすい。先天的な場合と後天的な場合がある。

内側に重心がかかり外反拇趾を悪化させる一因に
後天的な偏平足は、かかとが中心から見て外側にずれ、体重のかかった両足が体の内側に倒れ込むことが主な原因。土踏まずに負担がかかりアーチを低下させます。
「ひざが内側を向き、かかとが外に傾くため、足首にねじれが生じることも。加えて女性は爪先の細い靴を履いて親指が圧迫されるので、外反拇指を併発し、悪化させやすい。足指が曲がってしまうハンマートウになることもあります」(高山先生)

たこやうおのめができやすい部分はココ!
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・親指の内側
・親指のつけ根の内側

check!
□ 靴の横幅がきつく感じる
□ ひざが内側に入りやすい
□ 外反母趾がある
□ 慢性的に足裏に疲労感を感じる
□ 人差し指が曲がっていて靴に当たる

内側の縦アーチが高い<ハイアーチタイプ>

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足の縦アーチが高すぎる状態。親指のつけ根と小指のつけ根、かかとの3点に圧が集中するため、足がとても疲れやすい。遺伝的な場合もある。

足のスプリング機能が低下。ひざや腰の痛みを招く!
女性に多いハイアーチは、ハイヒールを履く人がなりやすいのが特徴です。
「足の固定が不安定なうえに足指が圧迫されて使いにくかったり、かかとが脱げるのを防ごうとしたりして、足裏の筋肉が縮んだまま固くなりハイアーチに。長い距離を歩くときには、スニーカーを履くなどTPOを考えましょう」と高山先生。
サンダルなどの足にフィットしない靴を長時間履く人もなりやすい傾向にあるので注意して。

たこやうおのめができやすい部分はココ!
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・親指の腹
・中指と薬指の付け根
・小指の付け根

check!
□ 歩くときにグラグラと不安定になりやすい
□ 足の甲が靴に当たって痛い
□ 親指、小指、かかとが痛くなる
□ 足が疲れやすく、よくつる
□ スニーカーよりもハイヒールを履いている方がラク

 

足トラブルについて教えてくれた先生
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下北沢病院 院長 菊池 守先生
きくちまもる/医学博士、日本形成外科学会専門医。米国ジョージタウン大学創傷治癒センター留学中に足病学と出合う。現在は足のトラブルにトータルで対応する診療に力を注ぐ。

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埼玉県済生会 川口総合病院皮膚科主任部長 高山かおる先生
たかやまかおる/専門は接触性皮膚炎、フットケア。2007年に日本の大学病院では珍しい皮膚科のフットケア外来を開局。著書に『「ガサガサかかと」が危ない!』(家の光協会)がある。

 

『美的』6月号掲載
イラスト/サヲリブラウン、川野郁代 取材・文/青山貴子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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