髪の毛を増やす方法って?効果的な栄養やケア方法をご紹介!
薄毛になる原因と増やすのに効果的な方法を髪のプロが教えてくれました。薄毛予防に繋がるマッサージやブラッシングの他、インナーケアについてもご紹介します。
髪の毛が減っていく【原因4つ】
【1】年齢や女性ホルモンの変化による薄毛や抜け毛
「30代後半から髪には変化が出始め、40代後半になってくると、明らかに衰えを感じるようになります。
その理由は、髪と女性ホルモンは密接に関わっているから。女性ホルモンのなかでも、卵胞ホルモンである“エストロゲン”は、肌にハリやうるおいを与えたり、自律神経を安定させたり、骨をしなやかに保つなど、女性の美と健康に大きく関係しています。
このエストロゲンの分泌量が低減することで、髪のハリやコシがなくなり、細くなったり、ヘアサイクルが短くなって成長しないまま抜けるなど、薄毛や抜け毛にも影響を及ぼしてしまいます」(余慶さん)
- 30代後半から髪には変化が出始める
- 40代後半では、明らかに衰えを感じるようになる
- その理由は、髪と女性ホルモンの密接な関係にあり
- “エストロゲン”は、肌にハリやうるおいを与えたり、自律神経を安定させたり、骨をしなやかに保つなど、女性の美と健康に大きく関係している
- エストロゲンの分泌量が低減すると、髪にハリやコシがなくなり、細くなったり、ヘアサイクルが短くなって成長しないまま抜けるなど、薄毛や抜け毛にも影響を及ぼす
【2】紫外線やストレス・生活習慣の乱れ
「薄毛・抜け毛の原因には、外的要因や内的要因など、いくつもの要素が関係していることがあります。前述の妊娠・出産や女性ホルモンの乱れのほか、紫外線や熱ダメージ、加齢やストレス、睡眠・栄養不足、生活習慣の乱れ、血行不良、髪を引っ張りすぎるなどが挙げられます」(余慶さん)
【3】カラーやパーマによる頭皮ダメージとヘアスタイリング
発毛診療医/美容皮膚科医
高橋栄里先生
イークリニック麻布 院長。日本臨床医学発毛協会発毛診療医。日本毛髪科学協会認定毛髪診断士。日本臨床抗老化学会認定医。都内美容皮膚科の院長を経て、発毛診療医として大手AGA専門クリニック院長を務めたのち、診療顧問に就任。2019年に美容皮膚科、発毛治療ができる「イークリニック麻布」を開院。毛髪と美容のプロフェッショナルとして活躍中。著書に『女性の白髪・薄毛の悩みがなくなる方法』など。
「カラー剤やパーマ剤などは髪が傷み、頭皮ダメージの原因となりえます。頭皮や髪質にあったカラー剤を選択し、ダメージを最小限に抑えるよう気をつけましょう」(高橋先生・以下「」内同)
スタイリングも注意が必要です。高橋先生によると、毎日きつく結くことで頭皮に負荷がかかったり、毎日同じ分け目にしていることで皮膚が露出して紫外線によるダメージを受けたりする可能性があるというのです。
「自宅では髪を下ろす、分け目を定期的に変えるなど心がけて、頭皮に負担がかからないようにしましょう」
【4】「FAGA」など脱毛症の可能性
びまん性脱毛症とは、全体的に髪の密度が低下する脱毛症の総称のこと。髪のボリュームが減った、分け目が薄くなった、地肌が透けて見えてきた…などと感じやすくなるのが特徴で、「FAGA(女性男性型脱毛症)」や「慢性びまん性休止期脱毛」もびまん性脱毛症に含まれます。
髪の毛を増やすのに【効果的な方法5つ】
【1】不足した女性ホルモンを補う
美容家&ヘアケアリスト(毛髪診断士)
余慶 尚美さん
髪の総合的な知見に加え、巡り、漢方美容、薬膳といった観点を取りいれた美髪メソッド「髪トレ」を考案。美しい髪の作り方はもちろん、髪と共に生きていく女性のライフスタイルまでケアする活動に力を入れている。著書に「髪トレ」(主婦の友社)。
「残念ながら、女性ホルモンの分泌量を増やすことはできません。しかし、サプリメントや食材で女性ホルモンのバランスを整えたり、足りない分を補うことはできます。
女性ホルモンとよく似たはたらきをしてくれることで知られる“イソフラボン”が含まれる大豆食品や、サプリメントを摂取するのもおすすめです。また、漢方でホルモンバランスを養う食材とされる、スーパーフードと知られるゴジベリーや山いもやしいたけ、黒ごまを意識して取り入れるのもよいですね」(余慶さん)
【2】規則的な生活・バランスの取れた食事・良質な睡眠
発毛診療医/美容皮膚科医
高橋栄里先生
イークリニック麻布 院長。日本臨床医学発毛協会発毛診療医。日本毛髪科学協会認定毛髪診断士。日本臨床抗老化学会認定医。都内美容皮膚科の院長を経て、発毛診療医として大手AGA専門クリニック院長を務めたのち、診療顧問に就任。2019年に美容皮膚科、発毛治療ができる「イークリニック麻布」を開院。毛髪と美容のプロフェッショナルとして活躍中。著書に『女性の白髪・薄毛の悩みがなくなる方法』など。
髪にハリやコシがなくなる原因の一つは、毛髪を育む細胞の老化です。老化を予防するには、規則的な生活、栄養バランスの取れた食事、良質な睡眠など、生活習慣を見直して、頭皮の健康を保つ正しいケア方法を知る必要があります。
「髪だけとか頭皮だけに着目するのではなくて、健康的な体づくりをしていくと、健康的な髪が生えやすくなります。上質な睡眠を摂る、極端なダイエットに気をつけるなど、日常生活でできることからスタートしてみるといいでしょう」(高橋先生)
【3】トレーニングをする
美容家&ヘアケアリスト(毛髪診断士)
余慶 尚美さん
髪の総合的な知見に加え、巡り、漢方美容、薬膳といった観点を取りいれた美髪メソッド「髪トレ」を考案。美しい髪の作り方はもちろん、髪と共に生きていく女性のライフスタイルまでケアする活動に力を入れている。著書に「髪トレ」(主婦の友社)。
Q:髪のツヤ不足や薄毛はトレーニングで改善できるってホント?
A:ホント
「日頃私たちの目に触れるのは、地肌から出ている毛幹部です。そして、さらに重要なのが、地肌の中にある“毛根部”です。毛根部には、髪の成長をつかさどる器官である毛乳頭があり、その周辺には、髪の毛の“黒色”を製造する工場である、メラノサイト(色素形成細胞)があります。
例えるならば、頭皮は土壌と同じ。やわらかく弾力があり、栄養が行き渡っていれば、健やかで美しい髪が育つのです。そのためには、ただケアするのではなく、貧弱な土壌が強くなるよう、トレーニングをする必要があります。トレーニングをしていくと、髪の質が見違えてくるだけでなく、心もポジティブになり、ヘアスタイルやファッション、しいては人生そのものを楽しめるようになっていきます」(余慶さん)
【4】ブラッシングをする
「髪をとかすブラッシングは、それだけで頭皮のトレーニングになります。ブラッシングにかかる時間は1回1~2分程度ですが、血流改善効果、クレンジング効果、トリートメント効果、ツヤを出す、カラーリングのもちをよくするなど、その効果は実にさまざま。
さらに、大切なのが“ブラッシングの回数”です。朝と晩の1日2回という人が多いかもしれませんが、私が推奨する回数は1日4回以上を。
まずは朝起きたときに、就寝中に絡んだ髪をほぐし、ツヤを出します。続いて、日中メイク直しのタイミングなどで1~2回とかします。帰宅後は、シャンプー前のブラッシングで汚れを落とし、ドライヤー後はキューティクルをととのえるために行います」(余慶さん)
【5】“育毛剤”と“発毛剤(治療)”を使ってみる
「薄毛・抜け毛ケアの場合、“育毛剤”と“発毛剤”の2種類があります。育毛剤は、髪が育ちやすい環境を整え、抜け毛や薄毛を防ぐ予防的要素が大きいもの。一方の発毛剤は、いま生えていない髪を生やすために使用するため、治療という意味合いになり医薬品に該当します。
男性の発毛剤には、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドの3つの有効成分がありますが、女性の場合、唯一認められているのは、“ミノキシジル”という有効成分ただひとつです。ミノキシジルには濃度があり、含容量が大きいほど効果も上がりますが、女性に適しているのは、1~2%とされています。
徐々に薄毛部分が広がる、髪の分け目が透けて見えるようになるといった脱毛症などの症状で悩んでいる人は、皮膚科や頭髪外来を受診するのがよいでしょう。しかし、30代後半~40代前半の女性で薄毛・抜け毛が増えてきた…と悩んでいる人の場合、実際には育毛セラムを使うまでもない、という人のほうが多いのが事実です」(余慶さん)
- 薄毛・抜け毛ケアには、“育毛剤”と“発毛剤”の2種類がある
- 育毛剤…髪が育ちやすい環境を整え、抜け毛や薄毛を防ぐ予防的要素が大きい
- 発毛剤…いま生えていない髪を生やすために使用するため、治療という意味合いになり医薬品に該当する
- 男性の発毛剤には、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドの3つの有効成分がある
- 女性の場合、唯一認められている有効成分は“ミノキシジル”のみ
- ミノキシジルには濃度があり、含容量が大きいほど効果も上がるが、女性に適しているのは、1~2%
髪の毛を増やすのに効果的な栄養素
ビタミンBやビタミンC、ビタミンA、ミネラル、たんぱく質など
発毛診療医/美容皮膚科医
高橋栄里先生
イークリニック麻布 院長。日本臨床医学発毛協会発毛診療医。日本毛髪科学協会認定毛髪診断士。日本臨床抗老化学会認定医。都内美容皮膚科の院長を経て、発毛診療医として大手AGA専門クリニック院長を務めたのち、診療顧問に就任。2019年に美容皮膚科、発毛治療ができる「イークリニック麻布」を開院。毛髪と美容のプロフェッショナルとして活躍中。著書に『女性の白髪・薄毛の悩みがなくなる方法』など。
現代人の食生活では、ビタミンやミネラルといった髪を育むために必要な栄養素が不足しがち。美しい髪をキープするには、ヘアケアも大切ですが、内側からのケアも重要です。
「ダイエットをするにしても、ビタミンBやビタミンC、ビタミンA、ミネラル、たんぱく質など、髪の毛を育てるための必要な栄養素は欠かさないよう考えて食事を摂っていただきたいですね。サプリメントを活用して、髪に必要な栄養を効率的に摂取するのもいいと思います」(高橋先生・以下「」内同)
細胞が若々しい状態を保ちやすくするには、細胞の糖化にも注意が必要です。
「糖化というのは細胞の老化を促進させるものですし、活性酸素を助長するきっかけにもなります。焦げた食べ物や揚げ物、甘い物の摂取を控えたり、食べる順番(野菜→肉・魚→炭水化物)に気をつけたりするなどして、糖化を防ぎましょう」
具体的な食材
「AMATA」オーナー 毛髪診断士指導講師
美香さん
2002年にヘアサロン「AMATA」をオープン。美髪を導く施術や提案が評判で美容業界人や俳優も多く通う。美しい黒髪がトレードマーク。料理上手としても知られ、初のレシピ本を上梓。
たんぱく質は髪を作るマスト
ハリやコシ、ツヤやボリュームのある髪に導くスタメン栄養素。構成するアミノ酸が髪の主成分のケラチンになり、キューティクルのある髪を作る。肉、魚、卵、豆、乳製品などに。
ビタミンCはツヤをもたらす
コラーゲンの生成に関わり、血管に弾力をもたらして血流を改善。すると髪に必要な栄養素が頭皮まで届き、ツヤのある髪に! パプリカやブロッコリー、キウイ、柑橘類などに。
大豆イソフラボンはボリュームやハリをUP!
女性ホルモンのエストロゲンと似た働き。薄毛やパサつきのきっかけとなる女性ホルモンの減少を補うので、薄毛ケアには欠かせない。大豆や大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)に。
ビタミンEはうねりをケア
加齢で頭皮がたるむと毛穴がゆがみ、生えてくる髪がうねりがち。ビタミンEの抗酸化作用で頭皮老化を予防し、素直な髪に。ウナギ、アボカド、ほうれん草、アーモンドなどに。
髪の毛を増やすのに効果的なヘアケア方法
美容家&ヘアケアリスト(毛髪診断士)
余慶 尚美さん
髪の総合的な知見に加え、巡り、漢方美容、薬膳といった観点を取りいれた美髪メソッド「髪トレ」を考案。美しい髪の作り方はもちろん、髪と共に生きていく女性のライフスタイルまでケアする活動に力を入れている。著書に「髪トレ」(主婦の友社)。
\正しいシャンプー方法/
- シャンプー・トリートメント効果を高めるために、シャンプー前は必ずブラッシングを行う。
- シャンプー前に一度、お湯で“予洗い”を。2分程度シャワーを当て、しっかりと頭皮と髪全体を洗う。
- シャンプーを適量手に取る。髪の根元に塗布し、空気を送り込むイメージで泡立てる。
- 指の腹シャンプー・トリートメント効果を高めるために、シャンプー前は必ずブラッシングを行うで細かく頭皮を動かすようにして、頭皮の毛穴汚れをもみ出す(頭皮を洗い、ついでに髪を洗うイメージ)。
- シャンプーの泡で包み込むようにして、髪の毛を洗う。
\正しいトリートメント方法/
- シャンプー後、髪の毛に残った水分を軽くしぼり、タオルドライする。
- トリートメントを髪ダメージ部分を中心に塗布し、目の粗いコームでとかす。
- 湯船に浸かり、5分ほど置く。
- シャワーのお湯を手のひらで受けるイメージで、髪にお湯を含ませながら流す。
髪の毛を増やすのに効果的なマッサージ&ブラッシング
育毛剤+頭皮マッサージで血流アップ
K-two Esola IKEBUKURO 代表
奥村一輝さん
K-two の薬剤マスター。豊富な専門知識に裏づけられた最適な提案をしてくれる。ヘアケア剤などプロダクトの開発のほか、日本各地にてカットのセミナーも行う美容のプロ。
抜け毛の原因は生活習慣や加齢、ホルモンバランスの変化などさまざまですが、冬に気に留めたいのは毛周期の休止期が終わって生え始めた髪。このタイミングで育毛剤を取り入れると、髪がしっかり育つようになります。清潔な頭皮になじませてからマッサージで血行を促進させ、より効果アップ。頭皮環境も整います。
STEP1:髪をかき分けて頭皮に直射
タオルドライ後の湿った頭皮に使用。髪をかき分けて頭皮を露出し、直接塗布。その後、指の腹を使って頭皮をマッサージする。
STEP2:この辺りにつける
抜け毛の影響が出やすいつむじ周辺や分け目、生え際をメインにつける。ハチ上全体で10か所程にシュッと!
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薄毛予防に繋がるブラッシング
美容エディター、毛髪診断士
伊熊 奈美さん
編集者として「女性のリアルな暮らしに活かせる美容・健康情報」を念頭に企画・取材。女性誌、新聞、WEB媒体等で20年以上執筆中。特にヘアケア・毛髪科学関連分野を得意とし、美容記事の監修や講演活動も行う。著書に『頭皮がしみる、かゆいは危険信号! いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)がある。
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美容ジャーナリスト
天野 佳代子
音楽ライター、作家、そして『美的』創刊当時からのエディターを経て、現在は『美的GRAND』編集長。年齢不詳な美肌っぷりが『マツコ会議』ほかテレビ番組で話題になる。初の美容本『何歳からでも美肌になれる!』(小学館刊)は今なお大ヒット中。『美的』本誌にて旬のコスメを紹介する『カヨッキズム』を連載中。
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\動画で詳しくやり方をチェック!/
「頭頂部ってズバリ筋肉がないからなんです!」(伊熊さん)
側頭部・後頭部・前頭部しか筋肉がなく、頭頂部には筋肉がない。筋肉がないと太い血管がないわけです。髪は「血余」と呼ばれ、血流が通りにくいところは髪が薄くなりやすいんです。
加齢による代謝低下や、後頭部の凝りによって血流がさらに行き渡らなくなります。だから、筋肉をほぐすことが大事!常に柔らかく弾力がある状態が薄毛予防につながります。
\How to/
STEP1:まず側頭部から
張っていることが多く、ストレスを感じると硬くなりやすい。左側・右側とやる。頭皮をブラシで動かすことを意識。
Point
頭皮のTゾーンを意識してケアするSTEP2:後頭部
下を向かず上または正面を向いてブラッシングする。
Point
・筋肉がさらに凝るため正面か上を向く・口元を緩め歯を食いしばらない
STEP3:前頭筋
顔のリフトアップに関係のあるところ。
STEP4:最後は全体
色んな方向から全体をブラッシング。
※一部サロン専売品が含まれます。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
髪の総合的な知見に加え、巡り、漢方美容、薬膳といった観点を取りいれた美髪メソッド「髪トレ」を考案。美しい髪の作り方はもちろん、髪と共に生きていく女性のライフスタイルまでケアする活動に力を入れている。著書に「髪トレ」(主婦の友社)。