髪のツヤ不足や薄毛はトレーニングで改善できるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“抜け毛”について。髪のツヤ不足や薄毛はトレーニングしたら改善されるって…ウソ? ホント? 美容家&ヘアケアリスト(毛髪診断士)の・余慶尚美さんにお答えいただきます。
Q:髪のツヤ不足や薄毛はトレーニングで改善できるってホント?
年々気になるようになってきた髪のパサつきや薄毛。トリートメントや頭皮マッサージなど、お手入れを頑張っている人も少なくないはず。ですが、実はケアだけでなく、肌や体同様にトレーニングで鍛えることが美髪のポイントなのだとか。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を余慶さんにぶつけてみました! 果たして答えは…?
A:ホント
「日頃私たちの目に触れるのは、地肌から出ている毛幹部です。そして、さらに重要なのが、地肌の中にある“毛根部”です。毛根部には、髪の成長をつかさどる器官である毛乳頭があり、その周辺には、髪の毛の“黒色”を製造する工場である、メラノサイト(色素形成細胞)があります。
例えるならば、頭皮は土壌と同じ。やわらかく弾力があり、栄養が行き渡っていれば、健やかで美しい髪が育つのです。そのためには、ただケアするのではなく、貧弱な土壌が強くなるよう、トレーニングをする必要があります。トレーニングをしていくと、髪の質が見違えてくるだけでなく、心もポジティブになり、ヘアスタイルやファッション、しいては人生そのものを楽しめるようになっていきます」(余慶さん・以下「」内同)
髪ダメージのセルフチェック
- 月に一度はカラー、またはパーマをしている
- ドライヤーは使わずに自然乾燥
- 同じタオルを半年以上使っている
- ヘアブラシは、ナイロンブラシしか持っていない
- 頭皮、髪のUV対策を気にしたことがない
- シャンプーは、朝シャン派である
- 雨の日は調子が悪いことが多い
- 貧血ぎみで、冷え性がある
- 肩・首が凝っている
- むくみがち
- 生理のときに血液のかたまりが多く出る
- 頭皮臭が気になるようになった
「まずは、髪のダメージをチェックしてみましょう。当てはまる項目が多いほど、髪のダメージ度数も上がっていきます。髪にとってダメージを与える行為はできるだけ避け、美しい髪へシフトチェンジしていきましょう」
ブラッシングがもたらす効果
「髪をとかすブラッシングは、それだけで頭皮のトレーニングになります。ブラッシングにかかる時間は1回1~2分程度ですが、血流改善効果、クレンジング効果、トリートメント効果、ツヤを出す、カラーリングのもちをよくするなど、その効果は実にさまざま。
さらに、大切なのが“ブラッシングの回数”です。朝と晩の1日2回という人が多いかもしれませんが、私が推奨する回数は1日4回以上を。
まずは朝起きたときに、就寝中に絡んだ髪をほぐし、ツヤを出します。続いて、日中メイク直しのタイミングなどで1~2回とかします。帰宅後は、シャンプー前のブラッシングで汚れを落とし、ドライヤー後はキューティクルをととのえるために行います」
シャンプー・トリートメントの選び方
「シャンプーはできれば、“さらさらタイプ”と“しっとりタイプ”の2種類を持っておいて欲しいもの。通常はしっとりタイプを使い、生理前で頭皮がベタつく、頭皮臭が気になる…というときはさらさらタイプを使用するなど、頭皮の状態に併せてシャンプーを使い分けることがポイントです。毛質や毛量、年齢、生理周期など個人差によっても変わってくるので、自分に合うメーカーがある場合は、同じメーカーでシャンプーを2種類揃えるのがベストでしょう」
シャンプーの種類
・サルフェート系…洗浄料が高く、泡立ちがよい。リーズナブルで使いやすい。
・石けん系…洗浄力は高め。微生物に分解されやすい成分で、環境にやさしい。
・アミノ酸系…洗浄力はサルフェート系に比べ弱めだが色々と種類がある。低刺激で髪や頭皮にやさしく、保湿力が高い。
正しいシャンプーの使用方法
- シャンプー・トリートメント効果を高めるために、シャンプー前は必ずブラッシングを行う
- シャンプー前に一度、お湯で“予洗い”を。2分程度シャワーを当て、しっかりと頭皮と髪全体を洗う
- シャンプーを適量手に取る。髪の根元に塗布し、空気を送り込むイメージで泡立てる
- 指の腹シャンプー・トリートメント効果を高めるために、シャンプー前は必ずブラッシングを行うで細かく頭皮を動かすようにして、頭皮の毛穴汚れをもみ出す(頭皮を洗い、ついでに髪を洗うイメージ)
- シャンプーの泡で包み込むようにして、髪の毛を洗う
正しいトリートメントの使用方法
- シャンプー後、髪の毛に残った水分を軽くしぼり、タオルドライする
- トリートメントを髪ダメージ部分を中心に塗布し、目の粗いコームでとかす
- 湯船に浸かり、5分ほど置く
- シャワーのお湯を手のひらで受けるイメージで、髪にお湯を含ませながら流す
ヘア専用のタオル
「髪は肌と同じで、摩擦に弱いもの。お風呂上がりに、ゴワゴワと硬いタオルや、使い古して薄くなったタオルを使用してしまうと、髪が痛む原因になります。そこでおすすめなのが、吸水性に優れた髪専用のヘアタオルを用意しておくこと。サロンメーカーが髪のために作ったヘアタオルも多く出ているので、ぜひ一度手に取ってみてくださいね」
正しいドライヤーのかけ方
- 髪をコームで軽くとかし、頭皮と髪の根元から、毛先にそって髪を乾かしていく
- 8割程度乾いたら、ドライヤーを斜め上45度からキューティクールを整える方向にあて、人差し指と中指で髪の毛を挟むようにした“指アイロン”で、髪をなめしながら乾かすとツヤ感がアップ
- 後頭部まで乾いたら、ドライヤーを冷風に切り替え、上から下へ向かって風をあてていく
「ドライヤーこそ、投資すべきアイテムです。まずは、速乾性があること。続いて、温風と冷風の2つの機能がしっかりあること。そして、風量があること。高機能なドライヤーと正しい乾かし方をマスターすれば、翌朝のヘアスタイリングがグッと楽になるはずです」
文/木土さや
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
髪の総合的な知見に加え、巡り、漢方美容、薬膳といった観点を取りいれた美髪メソッド「髪トレ」を考案。美しい髪の作り方はもちろん、髪と共に生きていく女性のライフスタイルまでケアする活動に力を入れている。著書に「髪トレ」(主婦の友社)。