北の国から美的通信#26 アスパラを食べて初夏を感じる!





函館では桜が終わり、やっと“暖かくなってきたな…”と感じるようになりました。
実は最近、テレビでこんな情報を入手。夏になると“熱中症”という言葉を耳にしますが、北海道と熱中症は無縁だろう…なんて思っていたら大間違い! 実は全国でも北海道は1番、熱中症にかかる人が多いんだそう! これは驚きですよね。通常、東京などでいう熱中症は、気温30度以上の真夏日に起こりやすいのですが、北海道の人は本州の人に比べて暑さに弱いんです。なので、30度まで達しなくても、「気温25度、湿度75%以上」という条件になると、熱中症でダウンしてしまう人が増えるんだそうです。年々、北海道も気温が上がっていますから、熱中症患者の数も増えているというわけです。
さて、そろそろ本題に。
今回はアスパラをご紹介します。もちろんアスパラの生産量は北海道が第1位。アスパラが出荷する時期になると、“夏もすぐそこまで来たなぁ…”と感じる私ですが、やはり地場のものはとにかくおいしい! 穫れたてに限っては、生のまま食べられちゃうんですよ。
今回は知人のアスパラ畑(写真1)を訪れたのですが、まぁ、立派なアスパラがたくさん土から顔を出していました(写真2)。1日に10cm近く伸びるそうで、朝収穫しただけでは追いつかず、夕方にもう一度収穫することもあるんだとか。
もともとアスパラは欧米から来たものですが、ヨーロッパではその昔、薬草として利用されていたそう。さらに時代をさかのぼること古代エジプト王朝の頃には、パラオン王達がアスパラを高級食材として食していた様子が壁画やフレスコ画に残されています。元々は上流階級の人々しか食することができなかったんですね。当時はまだ細い茎の野生のアスパラを食べていたようで、現代のような太いアスパラが食べられるようになったのは紀元前200年ごろの事だそうです。
そんな貴重な食材・アスパラですが栄養価も高いんです。アスパラ特有のうま味のもと・アスパラギン酸は、体力増強やミネラルの働きを促進する効果が期待できるといいます。よく、穂先のほうが柔らかくておいしいと言われていますが、穂先には血管を強くすると言われている「ルチン」が根元よりも多く含まれています。さらにすばらしいことに、茹でてもビタミンCやカリウムなどの水溶性栄養素はほとんど減少しません。疲労回復にはもってこいの食材なんですね。
ここで選び方のポイントを聞くと……。
「切り口が丸くて変色していないもの(白いもの)。穂先とハカマ(△の部分)が締まっているものがいい」そうです。食べ方はいろいろありますが、根元の固い皮は少しむき、ハカマ部分を取り除いたほうが歯触りはいいです。さっと茹でてそのまま食べるのがいちばんですが、炒め物やフライにも相性バツグン! 個人的には、太くてしっかりしたグリーンアスパラは、網焼きして食べるのがいちばん! 北海道のバーベキューには欠かせない食材です。そして、ホワイトアスパラはさっと茹でてマヨネーズやバーニャカウダなどにつけて食べるのがおすすめです。
長く厳しい雪の下でじっくりと芽を出すのを待ち続けたアスパラは、土の中でうま味と栄養を蓄えているんですね。通常の緑色したグリーンアスパラ(写真3)のほかに、希少価値の高いホワイトアスパラ(写真4)もおすすめ。出荷量はかなり少ないようですがホワイトアスパラは、がん細胞の増殖を抑え、脂肪の吸収を抑える(!)効果があると言われているサポニンを多く含んでいるのです。また、最近ではグリーンアスパラよりも甘みが強いと言われているパープルアスパラ(写真がなくてすみません…)も多く見かけるようになりました。さまざまな種類、太さのアスパラを食べ比べてみるのもいいかもしれません。
そうそう、もしアスパラを手に入れたら即、食べるのがいちばんなのですが、保存する場合は新聞紙で軽く包み、上部は開けて、畑から生えているもと同じようにアスパラを立てて冷蔵庫に入れると新鮮さを保つことができますよ!
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