メンタルの「強い、弱い」は人の特性ではない!安定させるには?
メンタルが弱い人ってどんな人?その人の「性格」や「特性」ではなく置かれた立場や状況で変わっていくものなので、日々のメンタルケアで心がネガティブにならないように気をつけましょう。強く安定したメンタルを身につける方法もご紹介します。
メンタルとは?「3つの基礎知識」
【1】メンタルの“強い、弱い”は人の特性ではない
「そもそもメンタルの“強い、弱い”は、人そのものの特性ではありません。人のメンタルは、置かれた立場や状況で変化しており、その瞬間でどうかという捉え方をしています。日々変わっていくものなのです。」(坂本 医師・以下「」内同)
【2】個人単位で決めつけてしまわない
「人のレジリエンスは日々変化しますから、“あの人はメンタルが強いから大丈夫”、“私はメンタルが弱いからダメだ”などと、個人単位で決めつけてしまわないことが大切です」
【3】うつはさまざまな要因が関係して起こる病気
「うつ病は特定の遺伝子を持っていれば必ず起こるというような遺伝病ではありません。病気そのものが遺伝するのではなく、複数の遺伝子が関与して“うつ病になりやすさ”(脆弱性・ぜいじゃくせい)が遺伝すると考えられています。遺伝というよりは、環境、ストレス、性格などさまざまな要因が関係して起こる病気と考えるほうが適切です」
美容賢者が実践している「メンタルケア」3つのポイント
【1】日記をつけて自分の心ときちんと向き合う
モヤモヤした気持ちはその日のうちに解決!
「実は傷つきやすい面もあるので、モヤモヤしたことがあったら放っておかず、家に帰ってから『なぜあんなことで嫌な気持ちになったのかな』と考えます。日記に書くことで気持ちが整理されるし、肌や体の不調の原因もわかりやすくなるので、最近の日課です。」(有村さん・以下「」内同)
【2】姿勢を正す
「常に影響し合うのが心と体。心がネガティブなときは体も猫背で肩は内向き、表情も暗く下を向きがち。そうすると呼吸が浅くなって血流が悪くなり、代謝も落ちるので美容にとっても悪循環。そんなときこそ姿勢を正して表情を明るくすれば、心も上向きになれる気がします。」
【3】もうひとりの自分と対話する
「インスタントラーメンやスイーツ、ファストフードも実は大好き。でも食べたくなったら必ず、もうひとりの自分と『本当に今食べていいの?』と相談するようにしています。衝動にまかせるのではなく、一歩踏みとどまって考えると、ドカ食いすることもなくなりますよ。」
「強く安定したメンタル」を鍛える3つの習慣
【1】深く呼吸をする
脳生理学者
有田秀穂先生
東邦大学医学部名誉教授。「セロトニン」が心身の元気とハピネスに関係する脳内物質であると説き、メンタルヘルスケアをマネジメントするセロトニンDojo代表を務める。20万部を超えるベストセラー『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版)など著書多数。
「セロトニンには主に4つの働きがあり、『脳を覚醒させる』『精神を安定させる』『自律神経のバランスを保つ』『姿勢や顔つきを良くする』などの効果があります。セロトニンが多く分泌されれば、頭がさえて心もポジティブになり、心身ともにシャキッといい状態に。ストレスがあってもやり過ごせるなど、自然と胆力が備わってくるのです。セロトニンを増やすには、呼吸・歩行・咀嚼(そしゃく)などのリズム運動が効果的です。」(有田 先生・以下「」内同)
丹田(たんでん・へそ下指4本分ぐらいの場所)を意識しながらゆっくりと息を吐き、吐き切ったらゆっくりと吸う。これを1~5分間繰り返す。
「普段の呼吸と異なり“意識して吐く”ことでセロトニンが活性化します。持続効果は1時間程なので朝、昼、夕方と行うのがベスト。」
【2】集中して歩く
公園など集中できる環境でウォーキングやジョギングなどを5~30分。
「疲労はセロトニン分泌の妨げになるので“疲れない程度”に歩くのが非常に大切です。手足を一定のリズムで動かす水泳、スクワット、フラダンスなども◎。楽しく続けられるものを選んで。」
【3】しっかりと咀嚼する
食べ物を口に入れたら30回かむと頭が良くなる、と言われるとおり“固いものをしっかりかむ”という咀嚼もセロトニンの活性につながる。
「食事に玄米や固めのパンを取り入れたり、仕事の合間にガムをかむ、おやつにスルメやナッツなどを食べるのも良いです。」
メンタルが弱い人への対処法
声のトーンを落とし、会話のスピードを遅くする
STトータルセッション 主宰・臨床心理士
佐々木智城先生
星槎道都大学社会福祉学部准教授。臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士。札幌と帯広にある心理臨床サロン「STトータルセッション」(https://www.st-total-session.jp)にて、トラウマ、HSPを中心に心理療法を提供。オンラインも受付。
心理オフィスK 主宰・臨床心理士
北川清一郎先生
臨床心理士、公認心理師、産業カウンセラー、認定心理士ほか多数資格取得。横浜のカウンセリング専門機関「心理オフィスK」(https://s-office-k.com)の代表として、年間約1,200件のカウンセリングと多くの症例に触れている。
こちらからすると「注意」でも「叱責」くらいの厳しい程度で伝わりがち。
声のトーンを落とし、会話のスピードを遅くするなどが有効。
「声に緊張感が乗らないよう自分を落ち着かせてから伝えましょう。本人と相性のいい人に伝えてもらうのもひとつの手です。」(佐々木先生)
「指摘だけではなく、改善方法や良かった点も合わせて伝えて。その後、こちらの注意をどう受け止めたかヒアリングすると、お互いに誤解が生じにくくおすすめ。」(北川先生)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
精神科医 医学博士 AEAJ認定アロマセラピスト表参道で。女性のライフスタイルの変化に寄り添った治療をめざす。産後うつ病をテーマとした講演も実績多数。産業医として働く方々のメンタルヘルス向上にむけても活動中です。アロマセラピーや心理カウンセリングを中心としたサロン「アロマメンタル研究所SUZURAN」を開設。