健康・ヘルスケア
2020.9.7

「“HSP”と“HSS”の違いは?」「部下が“HSP”…」…身近な人が“敏感さん”だった時の対処法とは?

音など五感の刺激が人より気になる、他者の気持ちを敏感に感じとってしまうため気疲れしやすい…それって「HSP(=ひといちばい敏感な人)」かも?職場や身内など、身近な人にいた時の対処方について聞いてみました。

部下が“HSP”。注意すると「そんなに!?」というくらい凹まれるのですが、どのように業務上の注意や指摘をするべき?

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こちらからすると「注意」でも「叱責」くらいの厳しい程度で伝わりがち。声のトーンを落とし、会話のスピードを遅くするなどが有効。

「非HSPが何度も強く言ってやっと行動に移すのだとしたら、一度軽く言うだけで求めている以上に行動するのがHSP。『~してくれるとうれしい』のような優しい言い方で充分伝わります」(明橋先生)

「声に緊張感が乗らないよう自分を落ち着かせてから伝えましょう。本人と相性のいい人に伝えてもらうのもひとつの手です」(佐々木先生)

「指摘だけではなく、改善方法や良かった点も合わせて伝えて。その後、こちらの注意をどう受け止めたかヒアリングすると、お互いに誤解が生じにくくおすすめ」(北川先生)

身内に“HSP”がいます。ちょっとしたことで「痛い」「怖い」「暑(寒)すぎる」と大げさに騒ぎます。我慢できないの?とついイライラ…

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その人にとっては本当に痛くて怖くて暑(寒)い状態です。「ちょっとしたこと」を大きなことに置き換えて想像を膨らませてみて。

「環境の変化をいち早く察してくれる存在がHSP。身内が受け止めてくれると安心感が増すので、大げさと言わず共感を」(明橋先生)

「もっている感覚の感度が違うので、言葉では伝わりづらく理解されないので本人のつらさが増します。置き換えて想像を。イライラするときは、ひと呼吸置いて」(佐々木先生)

「想像する際は『寒い』=『雪山に裸で外出』のように、ハードな状況を思い浮かべて、彼ら彼女らの苦痛に共感してみると、少しそのつらさがわかるかもしれません」(北川先生)

子供が“HSC(ハイリーセンシティブチャイルド)”。かんしゃくがひどく、発達障害かも?とも思うんですが…HSCは発達障害とは違う?

異なるのは他者への共感性の有無。不安なら地域の療育センターに相談したり、専門医師の診察を受けて

「重なる部分もありますが、明らかに異なるのは“人の心・空気を察するかどうか”。HSCは親の不機嫌さを察知しますし、周りの刺激がなければ集中できます。そこが発達障害の子とは異なります」(明橋先生)

「人への過剰な共感など、他者への関係性が異なります。周りに合わせすぎて疲弊したりかんしゃくを起こしたり、腹痛など本当に具合が悪くなることがHSCには見られます」(佐々木先生)

友人が“HSS”とのこと。“HSP”とはどこが違う?

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好奇心旺盛で新しいこと・物が大好きな “刺激探求型”と呼ばれる性質のことで、“HSP”とは異なります。 ただ、“HSP”兼“HSS”という人もいます。

“HSS=High Sensat ion Seeking(ハイセンセーション シーキング)”の略で、HSPとは全くの別もの。

「注意集中の方向が目まぐるしく変わり、刺激を求めるタイプの人のことを指します。あれこれと目についたことに飛びつきやすく、熱しやすく冷めやすい。一方で、頭の回転が早く、創造的な気質のもち主ともいえます」(北川先生)

「HSPの中の約30%がHSSに当てはまる、といわれています。この方々は刺激を求めて行動するのですが、HSPの特徴も併せもつので、刺激を受けて疲れます。そのため活動したいけれど疲れてしまうので、どうしたらいいかと悩んでいることが多いです。接するときは、本人に疲れていないか聞いたり、表情や顔色を見て休憩をとること。楽しくても疲れるので、新しい行動をとるときは休日の前がおすすめです」(佐々木先生)

 

お話を伺ったのは…
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真生会富山病院 心療内科医 明橋大二先生
あけはし・だいじ/精神病理学、児童思春期精神医療専門。真生会富山病院心療内科部長を務めるほか、児童相談所嘱託医など子供の問題に多数関わる。HSPの子供版“HSC”の日本における第一人者で、著作も多数。
公式HPはhttp://www.akehashi.com

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STトータルセッション 主宰・臨床心理士 佐々木智城先生
ささき・ともしろ/星槎道都大学社会福祉学部准教授。臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士。札幌と帯広にある心理臨床サロン「STトータルセッション」(https://www.st-total-session.jp)にて、トラウマ、HSPを中心に心理療法を提供。オンラインも受付。

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心理オフィスK 主宰・臨床心理士 北川清一郎先生
きたがわ・せいいちろう/臨床心理士、公認心理師、産業カウンセラー、認定心理士ほか多数資格取得。横浜のカウンセリング専門機関「心理オフィスK」(https://s-office-k.com)の代表として、年間約1,200件のカウンセリングと多くの症例に触れている。

 

『美的』2020年9月号掲載
イラスト/高野 優 構成/加藤絢子(本誌)、有田智子

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